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静岡 原発 NA
“日本で最も優秀な原発”の行方
2004/03/26

 中部電力浜岡原子力発電所がある静岡県小笠郡浜岡町は4月1日、榛原郡御前崎町と合併し御前崎市になる。原発の名称は継承。

 市長選が4月11日告示、18日投開票の日程で行われる。立候補予定者は浜岡町長の本間義明氏、同町議会議長の石原茂雄氏(両氏共に原発推進派)、御前崎町議の薮内伸哉氏(反原発派)の3名。

 浜岡町長選挙で反原発の候補が出馬した歴史はない。


 浜岡原発は、住民反対運動の少なさ故に、国から長年“日本で最も優秀な原発”だと誉められてきた。おかげで知名度が低く、遠州灘ののどかな浜辺に原発が稼働していることを知る人は多くない。今にも到来すると言われている東海地震の震源の中心とこの原発の位置が重なり合うことに気付く人も多くない。

 しかし気付いたとて心配は要らぬようだ。なぜなら浜岡原発は日本で、いや世界で最も地震に強い原発だからだ。何しろ東海地震説が提唱される前から、今でも想定しうるいかなる地震にも耐えられるように建造されていたというのだから。中電のこの恐るべき先見力!その中電が保証するのだから。

 浜岡は砂丘を抱いた砂の町だ。山を切り崩すと砂と泥の古代の層が露出する。どこも地盤が脆く、土木工事には予定外の工期を要す。それでも中電は、原発の下にだけはいかなる地震にもびくともしない強固な岩盤があるのだと、自らにも言い聞かせるように説いてきた。

 その岩盤の存在を微塵も疑わない推進派2名は、遅れて出馬した1人の反原発候補には未だ存在すら意識に入らぬ風情である。

 原発利権で連綿と結ばれた物言わぬ固定票を辿ると町を覆い尽くす。いかなる情勢の激震にも耐えうる強固な固定票。あの原発を支える日本で最も優秀な岩盤。この町でいったい誰がこれを「まぼろしだ」などと言うだろうか。「砂の固まりに過ぎない」などと口走ることができるだろうか。

 しかし御前崎からの1人の反原発候補の出馬は、浜岡の脆弱な地に不意に出現した陥没地帯である。投票という物言わぬ自由を初めて手にした浜岡の民は今、砂のように崩れてゆく誘惑に駆られている。

参考ニュース

新御前崎市長選に3陣営 (『朝日MYTOWN・静岡』/3月20日)

(葛西伸夫)

浜岡原子力発電所
















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