|
26日、北沢タウンホール(東京都世田谷区)にて行われた下北沢駅周辺地区地区計画説明会は、一時中断する事態となった(都市計画法16条に基づく下北沢駅周辺地区地区計画原案説明会 / 世田谷区生活拠点整備担当部拠点整備第一課)。
壇上に上がる抗議者と制止に入る職員。それを見守る聴衆
安水實好・生活拠点整備担当部長が冒頭の挨拶をしている途中、数人の男性がプロジェクターの前に立って映像を阻害、壇上に登るなどして、説明会の中止を訴えた。職員が止めに入ったが、男性らは容易には動かず、地元関係者ら約300人が座る客席からは「彼らにマイクを渡してください!」など声があがり、一時マイクの奪い合いにまで発展した。
下北沢再開発計画は、小田急線と井の頭線の交差する下北沢駅周辺にスポットが当たっている。世田谷区がいう再開発の理由は、道路交通基盤の貧弱さと、歩行者中心の街づくり、合理的な土地の利用、防災性の向上であり、小田急線の連続立体交差事業に伴って、都市計画道路補助54号線と世区街10号線、また鎌倉通りなどが拡幅、新設される。計画に関係する地域は、大原一丁目、北沢一丁目、二丁目、代沢二丁目、五丁目、代田二丁目、五丁目、六丁目。
下北沢の街はどう変わる
地元住民の懸念は、環状7号線級の規模といわれる補助54号線が下北沢駅北側の住宅・商業区を分断する可能性、道路敷設予定地住民への土地の買い上げや保障、建築物の制限などだ。多くの住民が世田谷区に計画の中止か話し合いの機会を求めるなか、今回の騒動が起こった。
午後7時から始まった説明会は1時間ほど中断した。男性らが抗議している間も、職員はマイクを渡す気配もなく、プロジェクターの映像は流され続けた。怒号や制止の声が飛び交うなかで聞き取れた抗議の内容は「この説明会が終われば、説明が終わった、という既成事実ができてしまう。行政はそのつもりのはずだ。動議に耳を貸して欲しい。説明会の中止を求めたい」といったもので、映像がすべて終了するまで騒動は続いた。一方で聴衆のなかには説明会の妨害を批判する声もあった。
喧噪が静まると、ついに抗議者へマイクが渡された。彼は 「Save the下北沢」の代表・金子賢三さん。 「Save the下北沢」など、開発に反対の立場の団体は、賛成派の住民の一部には時に「過激」と映るようだ。そんな中、金子さんは、世田谷区へ提出した代替案を含む意見書をよく吟味することを要望した。
質疑応答では、次々に質問・意見が出されたが、共通していたことは、区の一方的な計画進行への批判であった。マイクを持つたびに住民は姓名、住所を述べる。そして切実な思いをぶつけた。しかし、職員らの回答は歯切れが悪く明確な回答でなかったため、すくなからぬ聴衆は「ちゃんと答えていない」と不満の色を露わにした。説明会はその後、混乱することなく終わった。
北沢タウンホール。各出入り口に職員が立つ。混乱は予期できたのか
しかし、世田谷区の姿勢には疑問が残る。説明会終了後、喫煙スペースである職員が、「説明会ではふつう動議なんて取り上げない。次回の説明会は行わないだろう。主催者側で混乱を抑えられなければ警察が動く可能性もあった」とつぶやいていた。
計画には有無を言わせぬという世田谷区の姿勢が一職員の発言にまで影響しているのだろうか。誰のための再開発なのか、下北沢住民が区に考えて欲しいのはそういったことなのかも知れない。
(黒井孝明)
◇ ◇ ◇
関連サイト:
・北沢総合支所管内 まちづくりのホームページ
・下北沢フォーラム
・Save the 下北沢
関連記事:シモキタらしさを守ろう!下北沢再開発問題
|