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男女参画施設「すてっぷ」は強化されたか?
2007/03/23

 大阪府豊中市の男女共同参画推進施設「すてっぷ」の公募非常勤館長だった三井マリ子さんが、北川悟司市議らの攻撃に遭い、「組織体制強化」を名目に2003年度末で雇い止めになったとして、豊中市と(財)とよなか男女共同参画推進財団を訴えていた「館長雇い止め・バックラッシュ裁判」。

 その問題の「すてっぷ」で2006年12月1日から3日まで、「第3回・女たちの映像祭・大阪」が開催されると聞き、スタッフの一員として手伝いをしました。もう、だいぶん、旧聞に属しますが、そのときの体験を報告します。



散乱する教科書と受験生




受付には制服姿の警備員




印刷機移転のお知らせ




 「すてっぷ」は大変立派な施設であり、また、組織体制の強化案を実行して、働く職員に大きな変更があったと聞いていたので、胸をときめかせながら、12月1日の夕方、広島から「すてっぷ」へ向かいました。この映像祭の期間中、館内をいろいろと見ました。先進的な行政の地を参考にすることは、広島県庁に籍を置く行政人としての私自身の将来の仕事のプラスにもなるとも考えたからです。

 まず、受付のある5階に上がってみると、広いロビーに10人ほどいましたが、受験シーズン直前の時期だったせいか、受験生とその親らしき人たちばかりでした。

 2日と3日の朝、桂容子館長が、映像祭の控え室となっていた視聴覚室に入ってきて、こちらのスタッフに昨日の映像祭には何人参加したかなどということを聞いていました。こういう事務的なことは、若手職員がするものと思っていた私は、この3日間は、何らかの理由で、館長以外に職員はいないため、例外的に館長がしているのだと思いました。

 しかし事務室を見ると、ベテラン風の女性職員と若手の男性職員とが、それぞれ1人ずつ、いました。特に男性職員は2日目、何もする様子もなく机でじっとしていました。映像祭のイベント終了後、桂館長に挨拶をしたとき、「ああいう仕事(細かい事務)は私らのところ(広島県庁)ではまず、若い者が進んでするのですよ」といったのですが、館長は「うちはそういうところではありませんので」と否定していました。それにしても、映像祭は市民団体が主催ですが、「すてっぷ」との共催。そのオープニングにさえ、「すてっぷ」からは桂館長ただ1人しか出てこなかった、と他の映像祭スタッフから聞いて、不思議に思ったものでした。

 5階のライブラリーが自慢の施設、と聞いていたので見に行きました。しかし、有効に活用されているかどうか疑問でした。というのも、ほとんどの席は受験生が占めていたからです。ほかには映像コーナーで中年男性がひとり、普通の外国ドラマを視聴していました。もうひとり居た、若い女性は少女マンガを読んでいました。一方、ライブラリー・カウンターには職員が一人いましたが、手持ち無沙汰の様子でした。私が観察した範囲では、ジェンダー関係の本を読んでいたのは1人だけ。私の記憶に間違いがなければ、その人は「映像祭」参加者でした。

 6階の隅にあるミーティングルームも受験生だらけでした。おそらくは市民たちの会議や打ち合わせ用に設置されたであろうテーブルは、受験生が占拠しており、座っていないテーブルには受験用の参考書やノートが散乱していました。そしてそこには、以前そこにあった印刷関係の機器類が、6月から5階に移転されたという張り紙がありました。

 私は、広々としたここの会議室に印刷機や紙折り機などがあれば、市民活動をする際、話し合いながら編集・印刷作業したりすることにとても便利で、市民の活動を活性化させるだろうに、変だなと思いました。ボランティアの合間に5階のその印刷機器類が置かれている場所を見る機会がありました。そこは、三角形の非常に狭いコーナーで、印刷するだけで精一杯のスペースでした。

 私は、平和関連の活動で利用する広島市中区の「まちづくり市民交流プラザ」とつい比べてしまいました。広島の「市民交流プラザ」は、印刷機器類のほか、印刷物をおいたり、話合ったりするスペースがあります。なぜ、印刷機器類を6階のミーティングルームから、このような狭いコーナーに移したのか、釈然としませんでした。

 夕方5時を過ぎると、受付には制服姿の男性の警備員が座っていました。一般職員はまだ勤務しているのですから、その人が対応すればよいのに、と思いました。受付は、市民がちょっと立ち寄って、トイレの場所や、イベントの開催場所などを聞く窓口です。ここに、制服姿の警備員がドーンと座っていたのでは、地域の市民は近寄りがたい雰囲気のため「すてっぷ」を敬遠してしまうのではないか、と思いました。

 さらに驚いたのは、市民活動のために、貸室の受付時間が、9時から17時までになっていることです。昼間、働いている人には不都合な時間帯です。電話での受け付けも2回目からは可能だそうですが、17時までに利用料を払わないといけないそうで、びっくりしました。広島の「市民交流プラザ」では、9時半から22時までの開館時間帯なら、いつでも申し込めるからです。

 私は、以前、全国的に有名だったときの「すてっぷ」を全く知りません。しかし、今の「すてっぷ」を見て、女性の人権の確立と男女平等の推進を目的とする男女共同参画推進センターとしては、運営面で改善の余地が大いにあると感じました。また、事務局の職員体制が強化されたといいますが、これで本当に強化されたのだろうか、とたいへん疑問に思いました。

 職員体制を変更して組織体制強化をしたとされる「すてっぷ」の現状を見て、釈然としないものを感じた3日間でした。

(さとうしゅういち)

     ◇

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