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4月8日(日)に千葉県市川市で「日米カキ礁シンポジウム」が開催されました。 このシンポジウムは、千葉県の自然保護7団体が実行委員会を結成して、牡蠣礁にかかわる日米の著名な学者(下記)を招いて行われたもので、わが国で初めての試みとして200名を超す参加者で会場は埋められました。 *マーク・ルーゲンバーグ(ウイリアム&マリー大学教授) *アラン・トリンプル(ワシントン大学助教授) *ジェニファー・ルシェンク(ワシントン大学助教授) *鎮西清隆(京都大学名誉教授) *向井宏(北大名誉教授) 牡蠣礁とはサンゴ礁に対比される用語であり、干潟の中でも砂泥地に形成される牡蠣の群生を指し、東京湾の三番瀬・博多湾・諫早湾・など全国で10数箇所が現時点で確認されている貴重な存在です。 そもそもこのシンポジウムがここ市川市で開催された経緯について触れますと、三番瀬の埋め立て問題に端を発することになります。 戦後の経済成長期に始る東京湾の埋め立てで、1950年代から80年代にかけて、海岸線の干潟はその90%を失いました。 かろうじて奇跡的に残された三番瀬も1993年に埋めたて基本計画が策定され、県環境会議に諮問されました。 ここにいたって、自然保護団体が立ち上がり、埋め立て反対の署名運動を展開し、30万人に及ぶ署名を集め、ついに1999年には、当初の埋め立て面積740haを102haに縮小させることに成功しました。 そして、2001年に堂本知事が102haの計画を白紙撤回するとの公約を掲げて当選を果たし、当初の計画の埋め立ては回避されるに至っております。 その後市民参加による三番瀬再生のための各種会議が重ねられ、現在も継続されていますが、多様な生物層をはぐくむ自然環境を保全するという本来の目的からかけ離れた議論が横行し、安全な海岸にするために人工海浜を造成するなどが主たる議案となっております。 ここにいたって、危機感を抱いた自然保護関係者が集まり、三番瀬の中で最も陸地に近く、干潮時に干潟が露出する区域である猫実川河口域の調査に乗りだしました。 *この区域は、市川市や漁業組合(漁業補償の前渡し金を既に受け取っている)の一部が「ヘドロが堆積して生き物はいない!」と主張してきたところであります。 地道な市民調査が2004年から開始されました結果、前述の牡蠣礁が5000uに及ぶわが国最大級の規模で実在することを発見いたしました。 同時にこの牡蠣礁が豊かな生物層をはぐくむ生命の揺り籠としての役割や、富栄養化の進んだ海水を驚くべきスピードで浄化していることなどが判明したものであります。 しかし、このような現実を行政や各種会議の委員は完全に無視しており、牡蠣礁などは無価値であって邪魔な存在に過ぎないとして、海岸線に石積みと土砂の投入を昨年から着々と進めております。 この牡蠣礁は、一説によると縄文時代の生き残りとも言われ、先述の様に全国でもそれほど多く残されてはおりません。 またアメリカにおいては、招待したパネラーのルーケンバーク氏らがかかわっているように「オイスター・ガーデニング」と称して、市民がそれぞれ牡蠣の小規模養殖を行い、牡蠣礁の復元造成を促進しているといいます。 自然との共生などと言う言葉は、確かに最近聞かれ始めましたが、21世紀を迎えながら、相変わらず開発優先の風潮から抜け出せないでいる現状に暗澹たる心境を禁じ得ません。 ◇ ◇ ◇
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