フェスティバルゲート(大阪市浪速区)
大阪市のハコもの行政のツケがまた市民に回ってきそうだ。26日、開会中の大阪市議会・交通水道委員会で、同市浪速区のアミューズメント施設だった「フェスティバルゲート」について特別損失約144億円を2007年度3月の補正予算として盛り込むことが承認されたからだ。28日の本会議に提出され、可決される公算が強い。
フェスティバルゲートは総事業費約300億円が投じられ、1997年に開業したが、入場者数が伸び悩み、過剰な警備で無駄な経費を使ったことから破たんし、負債が400億円近くにのぼっていた。信託銀行に開発をゆだねる「土地信託事業」として民間活力に期待したものの頓挫した。04年には信託銀行側と大阪市の間で、市が約200億円を負担する調停が成立している。
その後、市交通局が運営を引き継ぎ、ことし2月には韓国系企業の「FESTIVAL PLAZA APP」に26億円で売却されることが決まっており、建物の簿価約170億円から売却で得る金額を差し引いた分が損失計上されることになる。
委員会では委員の下田敏人市議がアミューズメント事業に市(交通局)が関わったこと自体が間違いだったと指摘、信託銀行に甘い処理をしてきたことを追及した。市側は市民に負担が及ぶことについて「真摯に反省している」としたが、どこか他人事のように聞こえた。巨額の税金を投入してきた無責任な事業体質は、市営交通民営化の議論の呼び水にもなったのではないか。
フェスティバルゲートは元々は交通局の霞町車庫跡地を有効利用するために計画された。周辺活性化も合わせて期待された事業だったが、開業当初は建物内を縫うように走るジェットコースターが話題を呼び、にぎわったものの、新規施設の投入もなく、アミューズメント施設としては遊戯施設が貧弱で、リピータも確保できないなど、甘い経営が指摘されていた。また、周辺環境に過剰に反応し、多額の経費を使った過剰警備も経営の足を引っ張ったとされている。
結局、事業に群がった金融機関を利しただけで、ツケは市民が被ることになる。大阪市営交通は地下鉄事業は黒字だが、市バスは赤字で地下鉄のもうけで市バスの赤字を補填しているような状態で多額の借金も抱えている。こうしたことから外部委員による、市政改革推進会議からは民営化が強く提言されていたが、民営化に反対する平松邦夫氏が市長に当選したため、民営化構想はストップしている。
市民生活や市内の経済活動を支えるための公共交通維持は不可欠で安易な民営化は禁物だ。しかし今後、同じ土地信託事業として建設され、経営難に陥っているオスカードリーム(大阪市住之江区)の処理問題も浮上する見込みで、民間なみの経営姿勢が必要なことは間違いない。
関連リンク:
大阪市07年度3月補正予算案
フェスティバルゲート条件付一般競争入札の結果について(大阪市交通局)
住之江用地土地信託事業(オスカードリーム)にかかる民事調停の申立について(同)