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各地で高まる市民による新しい働き方をつくる法制を求める声―「協同労働の協同組合」法制化

長岡素彦2008/04/26
新しい働き方と事業の仕組みとして「ワーカーズ・コレクティブ」「ワーカーズ・コープ」「協同労働の協同組合」が注目されている。これは地域に必要な機能を事業化し、働く人が資本と経営権を持って民主的経営を行い、自ら働いて報酬を得る事業体のこと。このほど埼玉で法制化を目指す集いが開かれた。
埼玉 法律 NA_テーマ2
 新しい働き方と事業の仕組みとして「ワーカーズ・コレクティブ」「ワーカーズ・コープ」「協同労働の協同組合」が注目されている。

 これは、地域に必要な機能を事業化し、働く人が資本と経営権を持って民主的経営を行い、自ら働いて報酬を得る事業体であり、実際に福祉サービス、介護サービス、児童福祉から物流まで幅広い事業が現在行われている。また、これらは営利追求のみの私企業と異なり、協同組合の原理にもとづき、非営利の公共的な仕事も多く行っている。

 これらの「ワーカーズ・コレクティブ」「ワーカーズ・コープ」「協同労働の協同組合」など、協同でお金を出し合って地域で働く仕組みを法制化しようとするものが「協同出資・協同経営で働く協同組合法」(仮称)である。

 2月20日には、この「協同出資・協同経営で働く協同組合法を考える議員連盟」の発会式が衆議院第1議員会館で行われ、超党派議連が誕生した。また、地方議会でも昨年12月の埼玉県北本市議会から始まり、今年の3月には滋賀県高島市議会、千葉県我孫子市議会、福岡県鞍手町議会、北海道札幌市議会などが「協同労働の協同組合法の早期制定を求める意見書」を採択し、国に意見書を出した。
     
 2月28日には東京都目黒区で協同労働法制化市民会議総会が開かれた。

「協同労働の協同組合」法制化を求める9.15市民集会 映像
提供・協同総合研究所 ホスト・ドキュメンタリー映像Webサイト「Wajju」日本語版 

 以降、法制化を目指す市民集会が名古屋、仙台、高松、大阪、沖縄、福岡、千葉、富山などで開かれ、多くの国会議員・地方議員が参加し、また、各地で法制化をめざす市民会議が結成された。

 4月13日には「協同労働の協同組合」法制化をめざす市民会議・北海道が札幌市男女共同参画センターで開かれ、国会議員からのメッセージや札幌市長の挨拶があり、札幌市などの地方議員も含めて420名が参加した。

札幌テレビ「朝6生ワイド」2008年4月14日(月) 映像

 4月19日、「協同労働の協同組合」法制化をめざす市民会議・埼玉の設立総会の発会式がさいたま市の東大宮コミュニティセンターで行われた。
 
 開会の挨拶の後、衆議院議員牧原秀樹氏、衆議院議員大島敦氏、参議院議員家西悟氏の来賓挨拶が行われ、県会議員、市会議員の紹介があった。その後、「協同労働の協同組合」法制化をめざす市民会議・埼玉の設立手続きが行われ、同会議が結成された。

 記念講演「協働から協同労働へ」では聖学院大学の平修久教授が新しい“公共”の背景や協働について説明し、聖学院大学の教員・学生などと地元との協働の実際について語った。 また、平教授は新しい“公共”では市民が自治体と協働する先には地域で事業や公共の仕事を行う「ワーカーズ・コレクティブ」「ワーカーズ・コープ」「協同労働の協同組合」などの「協同労働」が必要になってくると述べた。

 パネルディスカッションでは、コーデネーターの聖学院大学大学院の富沢賢治教授は、「法制化の意義」をテーマに話を進めた。

 まず、12月に国に対し、早期法制化の意見書を議決した北本市議会議員の工藤日出夫氏は、近年の働く環境の悪化について述べ、法制だけでなく実質的にこの新しい働き方と事業の仕組みを実施することを自治体がどうバックアップできるかを考えたいと語った。
 次に、県内で「ワーカーズ・コープ」として坂戸地域福祉事業所を運営している石橋妙子氏・東郷純子氏は福祉活動や介護保険に関わってNPO法人で事業をすすめているが、この事業の仕組みに出会って地域福祉の事業化ができたので、この法制は必要と述べた。
 北本ワーカーズ・コープ準備会「花実」の島野正紀氏は長年市会議員をつとめ、地域の問題を具体的に解決する方法としてワーカーズ・コープを準備していると述べ、「地域の問題は地元と連携を図りながら行う必要がある」と語った。 富沢教授は、「ワーカーズ・コープ」と地域の協同も地元と連携を図りながら行っていくものであり、行政や市民の協働と同じく事業でも地域と協同して働くことが重要である、と述べた。

 最後に、日本労働者協同組合連合会の理事長の古谷直道氏は、この法律で福祉などの仕事だけでなく地域の食品加工を行っている農家の女性ワーカーや林業保全を行っている人々や若者たちなど、多くの人が働く仕組みをもてると述べた。

 たしかに、この法制化では働き方と事業の仕組みの骨子が規定できるだけで個々の経営や運用までは法律に定められないが、これまで長年培ってきた協同の労働・経営のやり方をもとに今回の論議にあったように多くの人が協同の労働・経営や運用を行うことができるようになると語った。

 さて、このような各地の法制化促進市民集会を受けて、今国会での法制化を目指し、4月26日には「協同労働の協同組合」法制化を求める地域市民集会in 横浜を開催し、多くの市民と国会議員や地方議会で意見書を採択した議員たちも参加して論議するとのこと。

  これまでの記事にも書いたように「協同でお金を出し合って地域で働く仕組みを法制化」しようとする動きは「ワーカーズ・コレクティブ」「ワーカーズ・コープ」や議員ばかりでなく、市民、NPOや福祉関係者など全国で広がっている。

 また、日本でも、古くから農業協同組合(農協)、漁業協同組合(漁協)、市民生活協同組合(生協)、労済生協事業協同組合、住宅生協、医療生協、労働金庫、労働者協同組合などが存在しているが協同組合の原理を同じくしていても歴史や業種によってあり方は異なるが、この法制によってこれらの社会的経済セクターの活性化が図られ、行き過ぎた市場経済への歯止がかけられるのではないか。 


「協同労働の協同組合」法制化を求める地域市民集会 in 横浜
 日 時 2008年4月26日(日)13:00〜17:00(開場12:00)
 会 場 関内ホール (横浜市中区住吉4-42-1)
 チラシ http://associated-work.jp/data/080426yokohama.pdf

(参考)
『協同労働の協同組合』法制化をめざす市民会議
協同労働法市民会議だより

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