ゴール会場の日影沢キャンプ場、ライブ風景。
登山客で込む場所を歩いてPR
首都圏の主要都市を環状に結ぶという圏央道のトンネル工事によって、東京近郊の高尾山の豊かな生態系が危機に瀕している。この工事に反対して、4月27日に行われた「高尾山1000人ハイク」で「高尾山にトンネルをほらないで」のメッセージ入りTシャツを着た700人もの人々がメッセンジャーとして高尾山を歩いた。
午前9時前。あいにくの空模様の中、受付のある京王線・高尾山口駅は登山客で朝から賑わっていた。雨天の場合は順延になるため、参加者が減るのではと心配したが、受付開始前から参加者が集まってきて一安心だ。
この催しを知らずに来た登山客が、飛び込みでTシャツを買ったり、今日はこれから用事があるという人もTシャツを買いに、立ち寄ったりしていた。私はスタッフなので、ゴール地点の日影沢キャンプ場に先回りする。
参加者にはTシャツと食券付きの地図が手渡され、この食券で食べられるパスタ、そして高尾の湧き水で仕込んだ豆腐とおからドーナツ、奥多摩・桧原(ひのはら)村の名物料理、こんにゃく煮をつくる作業に取り掛かる。新緑のこの季節、木々の若葉が瑞々しい。そして、水分をたくさん含んで、しっとりとした空気が気持ちいい。
この笑顔!!
ところで、このイベントは通常の登山イベントとは少し違う。「高尾山にトンネルをほらないで」のメッセージ入りTシャツで、工事反対を登山客にアピールするのが目的だからだ。そのためには、登山客がいるところを選んで歩く必要がある。普通は、都会の喧騒を離れて自然に触れ合うのが登山の目的の一つだと思うが、今回に限っては、わざわざ人ごみを狙って歩く。Tシャツ姿で、できるだけ長く山に留まって、PRして欲しい……。
みんなの思いが高尾山を包んだ
と、思っていたら、12時前に早々とTシャツを着た人が降りてきた。気持ちがいいから、と普通に山歩きをしてしまったようだ。ニコニコしながら「ご飯、まだですか?」と聞かれたので、「降りてくるのが早すぎる!」とツッコミを入れてやった。日影沢の会場では、ソフトドリンクとアルコール類も出ている。寒いからどうかな、と思ったビールも勢いよく参加者の胃に納まっていった。
午後3時から、このゴール会場のトーク&ライブで、「カムナ葦舟プロジェクト」の石川仁さんと、この1000人ハイクを主催している「ケンジュウの会」代表の坂田さんのお話が始まる。食事券を持った参加者も、列に並びながら話を聞いていた。「ケンジュウの会」のブースでは、このトンネル工事の事業者、国交省の冬柴大臣宛に送るFAX、そして裁判所宛の署名を集め、グッズの販売もしていたため、話の内容は残念ながら、聞き取れない。
Tシャツデザインをバックに歌う、かぜよしさん。歌は「やまずめぐる」です。
ちなみに、石川仁さんの「カムナ葦舟プロジェクト」は、葦舟を作る学校などを主宰したり、実際に作った葦舟に乗って操縦することまで伝授しているのだそうだ。トークの後はライブが始まる。だが、FAXと物販で、てんてこ舞い…。この日に集まったFAXは70枚以上になった。10人に1人はメッセージを書いてくれたことになる。集計のために途中でカウントしたが、どのメッセージも本当にいいことが書かれている。一つとして同じ文章がない。正直、こんなにメッセージが集まるとは思ってもみなかった。その後、トイレにようやく行けたのだが、次のトークの出演者で「100万人のキャンドルナイト」の呼びかけ人、マエキタミヤコさんが息を切らせ、「遅刻ゥ−ッ」と叫びながら階段を駆け上がっていくのとすれ違った。
それにしても、例のTシャツを着た参加者が続々と降りてくるのを見ると、本当に勇気が湧いてくる。こんなに沢山の人が、ニコニコと山を歩きながらメッセンジャーになってくれたんだ…と。ライブには当初、予定していたアーティスト以外の人も駆け込みで音楽を届けに駆けつけてくれた。いつも地元で応援してくれている人たちも、遅くまで後片付けに残ってくれたりしていた。
みんなの気持ちをウキウキさせる、「山を守るんだ」というこの気持ち。この新しいムーブメントをもっと、も―っと広げたい。皆の思いで出来た輪が、この山を包んでいることを感じる、そんな1日だった。
絵本の朗読をしてくれた女の子。本の題名は「高尾山たかおさん」作者は近くに住む、雪子・F・グレイセングさんです。
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黒人のラッパーさん……お名前は……すいません……。でも、すごく盛り上がった!リズムでどんどん体が動き出す。
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この時期、高尾山の新緑は瑞瑞しい。山はこのあと深い緑にかわります。この息遣いを永遠のものにしていきたいです。
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食券で配るパスタを茹でる、茹でる、茹でる。
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スタッフも楽しい。Tシャツも勿論着ています。
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キャンプ場脇の川。この水音がキャンプ場にいるとずっと聞こえてきます……。
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