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「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール

村上かずこ2008/05/02
首都圏を囲む圏央道工事で、豊かな生態系を持つ、東京近郊の高尾山が危機に瀕している。工事の反対運動を知ってもらおうと4月27日、高尾山への登山イベントが行われ、スタッフの一人として参加した。約700人もの登山者が、工事反対のメッセージ入りTシャツを着て、運動をPRした。その姿を見ていると、「山を守るんだ」という多くの人の思いが、輪になって山を包んでいる、と感じて勇気が湧いてきた。
東京 環境 NA_テーマ2
「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | <center>ゴール会場の日影沢キャンプ場、ライブ風景。</center>
ゴール会場の日影沢キャンプ場、ライブ風景。
登山客で込む場所を歩いてPR

 首都圏の主要都市を環状に結ぶという圏央道のトンネル工事によって、東京近郊の高尾山の豊かな生態系が危機に瀕している。この工事に反対して、4月27日に行われた「高尾山1000人ハイク」で「高尾山にトンネルをほらないで」のメッセージ入りTシャツを着た700人もの人々がメッセンジャーとして高尾山を歩いた。

 午前9時前。あいにくの空模様の中、受付のある京王線・高尾山口駅は登山客で朝から賑わっていた。雨天の場合は順延になるため、参加者が減るのではと心配したが、受付開始前から参加者が集まってきて一安心だ。

 この催しを知らずに来た登山客が、飛び込みでTシャツを買ったり、今日はこれから用事があるという人もTシャツを買いに、立ち寄ったりしていた。私はスタッフなので、ゴール地点の日影沢キャンプ場に先回りする。

 参加者にはTシャツと食券付きの地図が手渡され、この食券で食べられるパスタ、そして高尾の湧き水で仕込んだ豆腐とおからドーナツ、奥多摩・桧原(ひのはら)村の名物料理、こんにゃく煮をつくる作業に取り掛かる。新緑のこの季節、木々の若葉が瑞々しい。そして、水分をたくさん含んで、しっとりとした空気が気持ちいい。

「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | <center>この笑顔!!</center>
この笑顔!!
 ところで、このイベントは通常の登山イベントとは少し違う。「高尾山にトンネルをほらないで」のメッセージ入りTシャツで、工事反対を登山客にアピールするのが目的だからだ。そのためには、登山客がいるところを選んで歩く必要がある。普通は、都会の喧騒を離れて自然に触れ合うのが登山の目的の一つだと思うが、今回に限っては、わざわざ人ごみを狙って歩く。Tシャツ姿で、できるだけ長く山に留まって、PRして欲しい……。

みんなの思いが高尾山を包んだ
 と、思っていたら、12時前に早々とTシャツを着た人が降りてきた。気持ちがいいから、と普通に山歩きをしてしまったようだ。ニコニコしながら「ご飯、まだですか?」と聞かれたので、「降りてくるのが早すぎる!」とツッコミを入れてやった。日影沢の会場では、ソフトドリンクとアルコール類も出ている。寒いからどうかな、と思ったビールも勢いよく参加者の胃に納まっていった。

 午後3時から、このゴール会場のトーク&ライブで、「カムナ葦舟プロジェクト」の石川仁さんと、この1000人ハイクを主催している「ケンジュウの会」代表の坂田さんのお話が始まる。食事券を持った参加者も、列に並びながら話を聞いていた。「ケンジュウの会」のブースでは、このトンネル工事の事業者、国交省の冬柴大臣宛に送るFAX、そして裁判所宛の署名を集め、グッズの販売もしていたため、話の内容は残念ながら、聞き取れない。

「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | <center>Tシャツデザインをバックに歌う、かぜよしさん。歌は「やまずめぐる」です。</center>
Tシャツデザインをバックに歌う、かぜよしさん。歌は「やまずめぐる」です。
 ちなみに、石川仁さんの「カムナ葦舟プロジェクト」は、葦舟を作る学校などを主宰したり、実際に作った葦舟に乗って操縦することまで伝授しているのだそうだ。トークの後はライブが始まる。だが、FAXと物販で、てんてこ舞い…。この日に集まったFAXは70枚以上になった。10人に1人はメッセージを書いてくれたことになる。集計のために途中でカウントしたが、どのメッセージも本当にいいことが書かれている。一つとして同じ文章がない。正直、こんなにメッセージが集まるとは思ってもみなかった。その後、トイレにようやく行けたのだが、次のトークの出演者で「100万人のキャンドルナイト」の呼びかけ人、マエキタミヤコさんが息を切らせ、「遅刻ゥ−ッ」と叫びながら階段を駆け上がっていくのとすれ違った。

 それにしても、例のTシャツを着た参加者が続々と降りてくるのを見ると、本当に勇気が湧いてくる。こんなに沢山の人が、ニコニコと山を歩きながらメッセンジャーになってくれたんだ…と。ライブには当初、予定していたアーティスト以外の人も駆け込みで音楽を届けに駆けつけてくれた。いつも地元で応援してくれている人たちも、遅くまで後片付けに残ってくれたりしていた。

 みんなの気持ちをウキウキさせる、「山を守るんだ」というこの気持ち。この新しいムーブメントをもっと、も―っと広げたい。皆の思いで出来た輪が、この山を包んでいることを感じる、そんな1日だった。

「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | <center>絵本の朗読をしてくれた女の子。本の題名は「高尾山たかおさん」作者は近くに住む、雪子・F・グレイセングさんです。</center>
絵本の朗読をしてくれた女の子。本の題名は「高尾山たかおさん」作者は近くに住む、雪子・F・グレイセングさんです。
「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | 黒人のラッパーさん……お名前は……すいません……。でも、すごく盛り上がった!リズムでどんどん体が動き出す。
黒人のラッパーさん……お名前は……すいません……。でも、すごく盛り上がった!リズムでどんどん体が動き出す。
「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | この時期、高尾山の新緑は瑞瑞しい。山はこのあと深い緑にかわります。この息遣いを永遠のものにしていきたいです。
この時期、高尾山の新緑は瑞瑞しい。山はこのあと深い緑にかわります。この息遣いを永遠のものにしていきたいです。
「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | 食券で配るパスタを茹でる、茹でる、茹でる。
食券で配るパスタを茹でる、茹でる、茹でる。
「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | スタッフも楽しい。Tシャツも勿論着ています。
スタッフも楽しい。Tシャツも勿論着ています。
「高尾山にトンネルをほらないで」のTシャツで登山客にアピール | キャンプ場脇の川。この水音がキャンプ場にいるとずっと聞こえてきます……。
キャンプ場脇の川。この水音がキャンプ場にいるとずっと聞こえてきます……。
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[34027] 「原生」の保全ではなさそうです
名前:奧田夏樹
日時:2008/05/03 07:48
(村上 様)
>この種の活動は、要するに「自然(原生)の保全」ということでしょうか。「世界が保全すべきは原生である」が私の心情です。




 こんにちは。私はこの活動に参加したことはありませんが、JanJanの記事を見る限りは、高尾山自体が特に原生度が高い生態系というわけではないようなので、携わっている方々には、「原生の保全」という意識はそれほどないのではないように感じます。


 また、原生度が高かろうと低かろうと、こうした「お祭り騒ぎ」のようなかたちでの運動には、違和感を感じます。本当にその地域の自然を愛しているのであれば、そうっとしておくのが一番いいのではないかと思うのですが。


 もちろんトンネル計画には私も賛成できませんが、その運動を自然の中でやる必然性が、ちょっと理解できないのです。しかもマイクを使って音楽会をするというのは自然は彼らにとって、自分たちに都合の良い「公園」でしかなく、ありのままを愛することはできないのかなあなどとも感じます。


 トンネルを掘るのも、現代日本の自然保護運動の多くも、実は自然の都合にはほとんど目が向いていないという点では同じで、両者の自然に対する哲学には、意味のある差はないのではないかと思います。残念なことです。
[34013] 高尾山を守る
名前:村上久三郎
日時:2008/05/02 14:11
 「生態系を守る運動」の記事を拝見し、大変嬉しく思います。この種の活動は、要するに「自然(原生)の保全」ということでしょうか。「世界が保全すべきは原生である」が私の心情です。
 明治維新以降、むしろ行政・為政者が「原生」を壊してきたようにも思います。彼らは「原生」の価値を知らなかったのだろうか。

 個人的なことですが、私は、若くして夭逝された米国人女性から、初めて「原生の素晴らしさ」を教えられました。他の記事の意見欄にも書きましたが、彼女の石碑が米国のある大学キャンパスに今でもあります。それに下記の一節が刻まれています。

 “In Wildness is the Preservation of the World.”
                 −H. D. Thoreau
 “世界が保全(Preservation)すべきは原生(Wildness)である
                    ソーロー”

 とでも訳すのでしょうか。米国の思想家ソーロー(1817-62)の詩 の一節ですが、訳が難しく、私の訳は適切でないかも分かりません。正しい訳をご存知でしたら教えて下さい。
よかったら、ソーローのこの文を今後の活動などで、引用されたら如何でしょう。
 今後とも、「美しい自然と原生の保全」活動でご活躍されるこ とを祈っています。
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