5月5日のこどもの日、長野県須坂市で、地元のケーブルテレビ局が撮りためた地域の映像素材を子供たちが編集・制作して発信するワークショップが行われ、24名の子供たちが参加した。素材は地元動物園の動物たちのユニークな映像だ。小学校低学年から中学生までの子供たちが、思い思いの映像に声や音楽をつけた作品を発表した。
地元小学生ら24名が参加
「ICTデジタルワークショップ」と題したこのワークショップは、長野県須坂市・小布施市・高山村をエリアとする
須高ケーブルテレビ(長野県須坂市:代表取締役社長 丸山 康照)が主催、須坂市(市長:三木 正夫)と、ICTを活用した情操教育を推進しているNPO法人
CANVAS(東京都台東区:理事長 川原 正人)が共催して、平成20年度情報通信月間参加行事「須高情報通信フェア2008」の一環として行われた。ケーブルテレビ局が映像素材を提供し、CANVASがワークショップのノウハウを提供、双方のスタッフが指導して行われた。出来上がった作品は、市とケーブルテレビのホームページや携帯サイトを通じて全国に発信された。
須高ケーブルテレビは、これまでも地域のライブカメラ映像の配信や、首都圏の美大と連携したアートによるまちづくり事業など、地域の映像や景観資源を活かした地域振興に積極的に取り組んできた。中でも話題を呼んだのは、
市営動物園に、ケーブルテレビがライブカメラを設置し、インターネット事業者と連携して全国に配信したバーチャル動物園「デジタル・アニマルパーク」だ。これにより“地元の小さな動物園”だった須坂市動物園の来場者は以前の3倍にもなり収益もアップ、アカカンガルーの「ハッチくん」は全国ネットのTV番組でも取り上げられるなど、一躍人気者となった。今回、用いられた素材は、こうした経緯のもとでケーブルテレビが長年に渡って撮りためてきた映像を同局のスタッフが厳選したものだ。
映像素材を真剣に選ぶ
フンボルトペンギン、アカカンガルー、ベンガルトラなど、動物たちの個性的な行動や愛らしいしぐさを収めたおよそ50のカット映像を、PCで視ながら自由に組み合わせてストーリーを作り、自ら考えたセリフをアフレコで吹き込み、選曲した音楽(あらかじめケーブル局側が用意した著作権フリー楽曲十数曲の中から)を重ねていく子供たち。はじめは、はにかんだり、緊張したりしていたが、やがて、楽しみながら真剣に取り組む様子が表情にも表れてきた。
普段テレビは見ていても、つくるのは初めてという子どもたち。様々な映像素材を自在に組み合わせて一つの新しいストーリーに仕上げるのは、なかなか難しかったようだが、ケーブルテレビ局やNPOのスタッフに励まされながら、自ら選んだ幾つかのカットに触発されて生みだされた様々なユニークな台詞には、子供たちの家庭や学校での日常の体験や記憶が浮かび出ていたようでもあり、なかなか興味深い作品となった。
映像編集や音声ミックスといった技術の習得よりも、技術の向こうにあるアートや表現の楽しさ・醍醐味に眼差しを向けた今回のワークショップは、地域メディアがNPO等と連携して子供たちの自由な感性を引き出し育んでいく実践例として、また地域の映像資産を子供たちが自ら作品化して全国に発信する、という意味でも興味深い試みといえるだろう。
セリフをアフレコで吹き込む