私の住んでいる長野県の佐久市近辺には、少し自転車で走ると旅をした気分になれるところがたくさんある。田んぼの中の一本道や田舎の何気ない家並みや公園、古い商店、川沿いの遊歩道……。都市化が進んでいるとはいえ、自転車で走るとそんな懐かしい風景に出会うことができる。地元の人たちが私のようなことをしないのは、きっと「生活に追われて」(?)いるか、世間体を気にしているなどの理由があるからだろう。
自転車で出かけるとこんな道に出会える。
5月23日から24日にかけて、自宅から7kmほどのところにある鳴瀬というところを訪れた。当初は30kmほど離れた高原のキャンプ場に行くつもりだったのだが、翌日の午後から郵便局のアルバイトがあるので“ハードスケジュール”にならないようにぶらりと出かけることにした。
鳴瀬には「
ねば塾」という障害者の福祉施設がある。塾長の笠原さんは立派な人だ。鳴瀬を訪れたからには笠原さんにまず挨拶をしなければならない。手土産も持たずいきなり訪問した私に、彼はコーヒーを振舞ってくださり、近くでキャンプできる場所を地図まで書いて教えてくれた。
左:この日の野営地。右:アスパラガスの炭火焼。
午後2時頃から焼酎を飲みながら野営の準備を始める。テントの設営をしてから、食事を始めたのは午後4時過ぎ。今日のメニューは鶏肉とじゃがいもと玉ねぎとにんにくと卵を茹でて塩で味付けしたもの。それにアスパラガスと厚揚げの炭火焼。食べていたら近所の人が訪ねてきた。
「こりゃ、いいわ。」
「今度はカノジョ連れてくればいいよ。」
「そんなに大きなテントは積めないんですよ。」
第一、私は生来女性とは縁がない。食べている間に4人ほど来ただろうか。酔っていたので憶えていない。
暗くなってからテントに入り寝ようと思ったのだが寝付けない。携帯電話でJanJanを見ると中国で起こった四川大地震の現地レポート。
午前4時半頃。睡眠不足のまま朝を迎える。
神や仏がいるならば、何故こんなひどい目に遭う人がいるのだろう。午前1時を回った頃、私は神仏を信じないことに決めて寝ようとしたのだが、どうしても眠れない。結局うとうとしながら夜明けを向かえ、荷物をたたんで帰宅した。
いつか必ず自転車で日本中を回ってやる。そう心に決めながらこの文章を書いている25日(日)の午後である。
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