閉じ込め事故があった市営住宅エレベーター(今年3月に住吉区内で撮影)
大阪市の市営住宅など市有施設で、過去5年間にエレベーターの閉じ込め事故が255件起こっていることが分かった。市は「利用者の方に安心してエレベーターを使用していただくよう保守点検会社への指導を強化しました」と話しており、点検会社11社の社名と閉じ込め原因を公表した。
今年3月に取材した時点では、市は昨年4月1日から3月17日の期間に、約80件の閉じ込めトラブルがあったとしていた。続発するトラブルを受けて市では点検会社に件数と原因を調査するよう求め、内容を2日に公表した。
閉じ込め原因でもっとも多いのは「制御基板、リレー関係の制御系統の故障によるもの」で約32%を占めていた。次いで「ドアスイッチ、ドア制御機器の不良などの扉開閉装置の電気系統の 故障によるもの」(20%)、「ドア駆動装置関係の不良などの扉開閉装置の機器不良によるもの」(15%)、「押しボタンや電源主回路の接触不良などの電気系統の故障によるもの」(8%)であった。
市は「トラブルが減らないため、保守点検をしている各社に対して指導を強化するため報告を求めていました。エレベーターの場合、定期検査は年1回、維持管理にまつわる点検は月に1回の点検を義務付けていしたが、機器不良によるものは部品交換の頻度を高めるよう求めました。市民に安心して利用していただくために徹底していきたいと考えています」と話している。
調査結果に基づき市は(1) 制御基板やリレー、ドアスイッチやドア制御機器などの機器不良については、取替のスパンの基準を厳しくするなど計画的な部品交換の実施を行う(2)エレベーターに不具合が生じた場合、その情報を保守部門と品質管理部門へフィードバックし、複数の部門によるチェック機能を働かせる(3) 定期検査や定期点検を行う場合に、過去に不具合が生じた機器や不具合が起こりやすい機器については重点的な検査・点検を行う(4)定期検査や定期点検を確実に行うため、保守点検マニュアルのより一層の周知徹底と点検体制の見直しによる複数でのチェック強化を行う−の4点を徹底するよう点検会社に通知した。
市によると過去5年間では死亡や重傷などの重大な事故は市有施設では起こっていないが、「長時間閉じ込められることは苦痛を伴うので1件でもトラブルが減るよう指導したい」(市)としており、予防を徹底する。エレベーター事故では2006年に東京都内で高校生が亡くなる事故が起きているが、エレベーター会社の保守点検が後手に回らないよう、全国の自治体でも調査と予防を強化する必要があるのではないだろうか。
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