紅葉が見ごろの高尾山/この豊かな自然を失いたくない
東京都八王子市の高尾山では圏央道のトンネルをつくる工事が進んでいます。
地元でトンネル工事の反対運動を行っている「
エコアクション虔十の会」が中心となって、工事現場すぐ横の強制収用が予定されている市民トラスト地に、「TAKAO和居和居(ワイワイ)デッキ」を作ったのは今年の2月でした。そのデッキが今ピンチを迎えています。
国道20号沿いの工事現場近くから、遊歩道を通ってほんの5分ほどで到着できた和居和居デッキまでの道のりに、突然フェンスが張られ、立ち入り禁止になったのが10月27日。そして、トンネル工事を進めたい国土交通省は、トラスト地の地権者たちと土地の所有権について係争中にも関わらず、一方的に「道路予定地」だと決めつけ、道路法違反だとして、11月18日〜12月17日の期間を限定して和居和居デッキの強制撤去を行うと令書を送ってきました。
虔十の会をはじめ高尾の自然保護団体は、すぐに行政代執行取り消しの裁判を提訴し、仮処分申請を行ったそうですが、果たして裁判官がどう判断するかはわかりません。
そんな緊迫した状態の「TAKAO和居和居(ワイワイ)デッキ」に、11月13日の朝、虔十の会のスタッフ永友靖浩さんにお願いして連れて行ってもらいました。工事などで遊歩道を閉鎖してしまう場合には、当然そこを行き来する人のために、迂回路を作らなければならないのですが、国交省が設置した迂回路は半端なくきつかったです。そんな道程を少しご紹介します。
こんな急勾配を何度も登ったり降りたりしました
通常の遊歩道へ向かう入口には、警備員が立っていました。その横を「おはようございます」とさわやかに挨拶をして、迂回路のほうに向かいました。国交省が設置した迂回路は、あえて遠回りさせるためにとしか思えないほど、激しく山を登らせます。金属の手すりと階段で作ったその路の両側はやはりフェンスが張られていて、立ち入り禁止となっています。
金属の手すりに手をかけながら、しばらく登ると、トンネル工事の入口が見えるところに出ました。大きな緑の建物が見えます。この中で工事が行われているとのことです。登ったあとは下りです。ちょうどその大きな建物のわきを抜ける感じで階段は下に伸びています。ずんずん迂回路を下ると沢が見えてきます。その沢の先に目指す和居和居デッキが見えてきました。沢沿いに、10メートルも離れていないところにいるのにも関わらず、その沢の脇にある遊歩道も閉鎖され、デッキを左目にまた山に向かって急な階段を登らなければなりませんでした。(※下の写真を参照)
カンカンカンと冷たい金属の音を響かせながら、両手で手すりをつかみ登ること10分。ようやく平らな山の稜線に着きました。すると左右に迂回路が分かれていました。左手がデッキ方面なのですが、ここはもとからの遊歩道らしく、土の道をずんずん進んで行きました。そして登ったぶんだけ今度は下ります。
下っている途中に、目の前にちょうどトンネル工事の現場が見えてきました。道路からは見えなかった山にあいた穴と、むき出しになって乾ききった土、コンクリートの高架がよく見えました。
そんな風景を右に見つつ、工事現場のフェンスに挟まれた遊歩道を下りようやく和居和居デッキに到着しました。途中何度か立ち止まって話を聞いたり写真を撮っていたのもありますが、気がつけば30分くらいかかってしまいました。
こんなにものすごく遠回りをさせるなんて、国交省側は工事現場のすぐ近くに作ったデッキがよほど目障りだったのでしょう。単なる嫌がらせなのではないかしらとさえ感じました。
こんな風に遠回りをさせられても、デッキには人の出入りが絶えません。ちょうど私が帰り道を行く時にも、大きなリュックを背負い、応援に来ている人達と行き交いました。
今回、和居和居デッキに行ってみて、山に空けられた大きな穴、道路をつくるために打ち込まれた何十メートルもの鉄の杭、見るも無残な乾いた山肌など・・・心が痛む光景をたくさん目にしましたが、実はそれ以上に紅葉して赤や黄色に彩られた木々から、高尾山の持つ豊かな自然の力を感じました。
和居和居デッキで上で聞いた、虔十の会の永友さんの力強い言葉をフト思い出しました。
「たとえ今度の強制撤去でデッキがなくなっても、トンネル工事に負けたということでないです。まだ工事は半分も進んでいないから、次の手を考えていますよ」
※以下の写真はクリックすると大きくなります。
左側のフェンスの先に遊歩道があるが、ここには入れない
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突き当りに迂回路の標識
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この建物の中で工事が進められています
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トンネルがしっかりと見えました
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道路工事の橋げたの先、中央に見えるのがデッキです。そこに見えるのにフェンスがあって進めません。
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デッキの下には沢があります。沢沿いの遊歩道をフェンスが挟んでいます。
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