11月20日午後、
名古屋市民オンブンズマン(倉橋克実代表)は神田真秋・愛知県知事に対し、裏金問題にかかわる「会計文書の破棄」に関する緊急申し入れを行った。同オンブズマンはすでに10月23日に愛知県知事に対して「徹底的な裏金調査」を行わせるよう6項目の調査要求をし、11月5日に回答を受けていたが、まったく不十分な内容だったという。
ばれなければ何をしてもいい?愛知県庁本庁舎。(すべて11月20日、筆者撮影)
愛知県では会計検査院の指摘を受け「3億円を超える裏金の存在」が明らかになった。その中には県の建設事務所や農林水産事務所が裏金を業者に預ける「預け金」という手口もあった。これを受けて県は県内289か所の地方機関に対し保存期間5年分(03〜07年分)の会計文書を調査するように命じた。しかし名古屋市民オンブズマンは「問題は、まだ破棄されていない文書が存在していた02年文書の扱いだ」と指摘している。
申し入れ文書によると、愛知県は10月18日に裏金謝罪会見を開いたが、その後の11月14日、「5年の保存期限が切れたことを理由に、県の一部部局が02年度会計文書を破棄していた」という新聞報道がなされた。しかも、今後も「破棄を予定している部署がある」という。
これに関し、10月31日に開かれた「裏金問題の第3者委員会」で委員が「02年度以前も文書が残されている場合は調査対象に加える」よう指示し、総務部長が「02年度以前の書類は保存状態を調べて検討する」と答弁したにもかかわらず文書破棄が続けられた。
「02年度の会計文書は愛知県の裏金つくりの真相を明らかにする重要な証拠」で「今回の破棄が明るみに出た際、当初は文書を破棄しないよう指示した」と県当局は説明していたが、口頭での指示だったと「発表が虚偽であった」ことを認めた。
更に報道では西村真、稲垣隆司の両副知事が「5月には(裏金についての)会計検査院の指摘事項を把握していた」のに「全部署に書類保管の指示をせず」、事件発覚後、多くの部署で書類の破棄が行われたという――。
そこで、謝罪会見以降「どのような文書がどのような理由で破棄されたのか」を12月2日までに調査し公表を求める、というのが今回の申し入れの内容だ。
秘書課担当者に文書を渡す。左から新海聡弁護士、倉橋克実税理士
県政記者クラブで行われた会見で、新海聡弁護士は次のように述べた。
「捨てちゃいました。すみません」では済まない。公文書破棄罪は3ヶ月以上7年以下の懲役という重い罪です。県にはできるだけことを小さくして隠しておきたいという意識が蔓延している。組織防衛の意識のもとに県庁は証拠隠しをしているとしか思えない。何人かは意図的に証拠隠しをしていると思う。
戦闘的な、とまでは言わないが、常識的な調査をやってほしい。充分な時間をかけて、やれることはやって、徹底的に調査して欲しい。会計文書の破棄について、今日以後の件については刑事告発をすることにしている。
名古屋市民オンブズマンメンバー:中央から倉橋氏、向って右へ・新海氏、内田隆事務局長
名古屋市民オンブズマンは95年以来、愛知県に対し政務調査費や裏金問題など公金の使途に関し、たびたび住民監査請求を行い裁判を繰り返してきている。そのつど歴代の愛知県知事は「そのようなことはいっさいない」と公言してきた。岐阜県、名古屋市などでの度重なる不祥事を知っていてこの有様で、記者会見で頭を下げて当局の謝罪は完了のようである。
おそらく今も各部署で文書の破棄が続けられていることだろう。わが国のお役人の間で「恥を知る」とか「責任をとる」という言葉が死語になって久しい気がするのは筆者だけだろうか。経済破綻がちらつきトヨタですら人員整理をする世相の中、愛知県の今後の対応を注視したい。
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