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「森と海から考えるESDプログラムづくり」−「北海道的」を構想する

長岡素彦2009/01/24
1月17、18日、北海道環境サポートセンターで「北海道的ESDを構想する−森と海から考えるESDプログラムづくり」が行われた。ワークショップでは、環境や農業などの道内のさまざまな活動の交流だけでなく、集まった市民、教員、学生がそれぞれの立場からESDや持続可能な社会づくりを進めるにはどのような具体的なプログラムがあるかをグループで検討し発表した。
北海道 NPO・NGO NA_テーマ2
「森と海から考えるESDプログラムづくり」−「北海道的」を構想する | 生活クラブ生活協同組合の理事山崎栄子氏
生活クラブ生活協同組合の理事山崎栄子氏
 昨年、北海道ではG8洞爺湖サミットが開かれ、市民による世界の環境、平和、人権、貧困、開発などの問題の解決と提言のために道内の団体や個人による「G8サミット市民フォーラム北海道」が設けられた。一方、北海道の経済状況や自然環境の悪化や一次産業の衰退もすすみ、「北海道」の持続可能性が問われている。

 1月17、18日、北海道環境サポートセンターで「北海道的ESDを構想する−森と海から考えるESDプログラムづくり」が行われた。このフォーラムは第2回「ESD担い手ミーティングin北海道」として、第1部は環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道)、第2部はNPO法人さっぽろ自由学校「遊」による主催、北海道環境サポートセンターの協力、地球環境基金の助成によって、下記の趣旨で行なわれた。

 「ESDの学びを地域づくりへと結びつけていくためには、北海道の地域性に根ざした学びのプログラムが必要です。今回の担い手ミーティングでは、北海道の自然環境と密接に関わる林業(森)と漁業(海)に焦点を当て、その現状と課題を検討しながら、それらをテーマとしたESDのプログラムを皆で考えたいと思います」(同趣旨)

 ESDとは、ヨハネスブルグサミットにおいて日本が提唱し実現した「国連持続可能な開発のための教育の10年」(ESDの10年)のことである。第1部「第1次産業からESDへのヒントを!!」として道内で森と海での様々な活動と学びを行なっている人たちの報告を聞いた。

「森と海から考えるESDプログラムづくり」−「北海道的」を構想する | <center>北海道ウタリ協会紋別支部長畠山敏氏</center>
北海道ウタリ協会紋別支部長畠山敏氏
 「森林体験学習のすすめ方」として、北海道立林業試験場・保健機能課の佐藤孝弘氏は森林や林業の理解促進にとどまらない、人と森との関係を再建する児童向けの学習プログラムの作成実施や障がいを抱えた人との森林活用プログラムを述べた。

 「古平の海を育む森づくり」として生活クラブ生活協同組合の理事山崎栄子氏はリサイクルの牛乳紙パック売却金を原資とした「みどりの保全・復元・親しむ場づくりの取り組み」と同生協の魚などの供給元である古平の人たちとの海を育む森づくりの活動報告を行なった。

 紋別在住漁業者で北海道ウタリ協会紋別支部長畠山敏氏は、漁業者からみた資源破壊型漁業のあり方やアイヌ民族としての日本や北海道における先住民族の問題などを述べた。その後、質疑や簡単な参加者の相互の自己紹介・相互活動報告などを行なった。

 第2部「ESDのプログラム・デザイン」では、参加者全員参加のワークショップが持続可能な開発のための教育の10年さいたま代表の長岡素彦のファシリテートにより行なわれた。

 まず、報告者の事例をもとにそれぞれのプログラムを検討して、次に「森と海から考えるESDプログラムづくり」を行なった。

「森と海から考えるESDプログラムづくり」−「北海道的」を構想する | ワークショップ「ESDのプログラム・デザイン」
ワークショップ「ESDのプログラム・デザイン」
 このワークショップでは、環境や農業などの道内のさまざまな活動の交流だけでなく、集まった市民、教員、学生がそれぞれの立場からESDや持続可能な社会づくりを進めるにはどのような具体的なプログラムがあるかをグループで検討し発表した。

 この中から道内のネットワークづくりのための「現場体験ツアー」、「学校教育におけるESD」、ESDプログラム「うまいものを食べる」、「森林のESDプログラム」などがつくられた。いずれも、単に持続可能な社会づくりのための学習・教育プログラムでなく、アイヌ民族、森林、食などの北海道の固有の問題に基づいてつくられた。

 今回の試みで持続可能な「北海道」づくり、持続可能な社会づくりのプランを作ることができたわけではないが、集まった市民、教員、学生などの様々な人々による「森と海から考える北海道的ESD」が構想された。また、今回つくられた「現場体験ツアー」などを今後実施する話も進められている。

 今、「北海道」の持続可能性が問われている。また、経済問題に限らず、北海道の固有の問題も数多くある。これらは、どこか遠いところで決められた解決策や一律的な教育で解決することはできない。そのためには、今回のように、世界的視野を持って「北海道」の固有の問題を北海道的方法や教育ESDを考え、プログラムとしてつくって行くことが重要ではないか。

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