中村区役所2階に張られた張り紙。実際には雇用促進住宅はそんなに空いてない模様。
2月23日。
泊り込み事件が発生し依然として
生活相談の列が続く名古屋市・中村区役所に行ってきました。この日の相談者は107人。以前と、ほとんど変わっていません。100人を超す相談者のうち、新規で来た人は約20人ほど、とのことでした。1月5日から、延々と続いている相談者の列。延べ人数では1,000人を超えていると思われます。
中村区役所では、1月だけで400人の生活保護の人が増えているそうです。これは、職員の数にして丸々5人分の仕事が増えているのだそうです(名古屋市職員向けの新聞より)。そういえば、この日の相談窓口にも「臨時職員」という腕章をつけた若い女の人が座っていました。
相談者たちの支援者によると、連日増えた生活保護相談の人の中には100人ほど、居宅での生活保護の人たちも含まれているようだ、とのことでした。厳しくなっているのは、ホームレス状態になった人ばかりではない、ということのようです。
支援活動を行っている人が、最近紹介が始まった、高齢者用というか生活保護用というか、そのような感じに特化した新しいマンションのパンフレットを見せてくれました。
その写真によると、6畳ほどの部屋にベットがあり、液晶テレビがあります。トイレ、風呂は共同です。1階に食堂があり、1日に2食、出るそうです。1日2食で月の食費が36,000円。昼食はナシ。家賃などを合わせて、月に95,000円ほど掛かるとのことでした。
生活保護は8万円ほど。家賃として別に35,000円まで出ます。手元に残るのは、2万円前後になり、その中で生活をすることになるそうです。これは、いままで紹介されていた別の業者のものと、昼が出ないというだけで、ほぼ同じような条件だそうです。
「貧困ビジネス」のようなものが、確実に増えているようです。対応は施設にもよりますが、いろいろと難癖をつけられたり、追い出されたりする例もあるとのことでした。
この日、タライ回しをされて、やっとで生活保護の申請が通った人の話を聞くことができました。
この方が申請を行ったのは名東区。名東区は中村区の反対側、名古屋市の東の端、長久手などに隣接して、高速のインターチェンジなどのある、東の玄関口の区です。
そこの区役所に12月25日、生活保護の申請に行ったそうです。仕事を失い、友人宅に駆け込ん、そこからハローワークに通っても、全く仕事がなく、ハローワークの職員の勧めで生活保護の申請行った、とのことでした。
しかし、窓口では、色々と文句をつけて追い返されてしまいます。ハローワークで、生活保護の申請をと勧められて出向いた彼は、あまりの対応にショックを受けて帰ってしまいます。ここで、とても重要なのは、名東区は、この日に彼の資産状態や個人情報などについて聞き取りをしており、すでに生活保護の申請の要件が整っている、という点です(申請は口頭でも可能です)。にもかかわらず、区は嘘をいって追い返してしまっているのです。
配布する衣類の箱になっている、名古屋市の災害用乾パンの箱。期限の近づいたカンパンが「食べ物がない」という相談者に配られている模様。非常にパサパサしているが、味はよいと評判。
彼は、ハローワークに再び相談に行きます。ハローワークの職員は、名東区の対応に驚きつつも、彼には仕事が全くないので、法律からいっても、生活保護をとれるはずだから、と彼を励まします。このハローワークの職員は、大変親切な対応をしてくれたそうです。
ほかの相談者の事例でもそうですが、ハローワークの職員は実際に仕事がないことを痛感しているのでしょう、親切心があったり、生活保護の申請を勧めるという例を、よく聞きます。
1月14日、彼は再び申請に行きますが、いま泊めてもらっている友人宅を出ないとダメだ、施設に入らないと生活保護は申請できない(両方とも法的根拠なし、つまり嘘)、といって追い返されます。支援をしてくれる司法書士の人とともに行き、食い下がると、医療扶助の申請は行うことができましたが、生活扶助と住宅扶助はダメだ、といわれました(これも、法的な根拠なし)。「医療扶助のみを支給してください」と書かないと、申請は下りないと言われます(これは脅迫か)。
名東区の対応で非常にセコイのは、支援の司法書士の人が一緒にいる間は、生活保護申請を受け付けるような態度をしているのに、司法書士の人が帰ってしまうと、途端に手のひらを返して、申請させないという話になってしまった、ということでした。
彼はこのときの経験を、「名東区の役人は、人を見て対応を変えている。非常に酷い。ハローワークの人も驚いていました。生活保護は法律で保障されている権利です。法律家が見ていないと、さっき約束したことも平気で反故にするという対応は、法律にも違反しているし、人間としても酷いと思います」と、怒りとともに語っていました。
このような、生活保護申請を受け付けない、
あからさまな「水際作戦」で名東区役所は
過去に何人殺したのかなと私は思いました。もっとも、このような対応は、名東区だけでなく、中村区役所以外のすべての区で、あまり変わらないようですが。
1月30日、彼はハローワークの人に勧められて、中村区役所にたどり着き、なんとか緊急宿泊所に泊まることができました。このとき、それまで酷い目にあったので、何をどう申請したらよいかは考えられなくて、とにかく宿ができたということで、安心した、とのことでした。そして2月6日、やっとのことで、生活保護の申請をすることができたそうです。
彼は、仕事をどれだけ探しても見つからず、ハローワークの職員に勧められて生活保護の申請を行ってから、実に2ヵ月間も、放置されていたことになります。法律では、生活保護の申請は、口頭でも可能であり、それを受けた役所は、2週間以内に申請の内容に誤りがないかを調査して、申請の可否を出さないといけない、ということになっています。
名東区役所は、彼に資産状況や個人情報を聞き取りしています。これは生活保護の申請に必要な手続きのひとつですから、それを聞くということは、彼が口頭で出した申請を受理しているから、ではないのでしょうか。
そうでないとしたら、「面倒くさいことになるぞ」と脅迫しようという意図でもあるのでしょうか。名東区役所は、明らかに法律違反をしていますし、申請に来た人に嘘を教えています。
「名東区役所には、法律で保障されているのだから、申請をさせろといいたい。申請の書類を隠さずに置いておいてほしい。司法書士の人がやってきたときは、ヘイコラしているのに司法書士が帰った途端に態度を変えるのは酷い。相手が制度について詳しく知らないからといって、そこに付け込むようなやり方は、公務員のすることじゃないですよ」
彼は、思い出しただけでも腹が立つ、という様子で、話をしていました。この件に関して、名東区役所に抗議をするそうです。
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