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事件の起きた観光地・宮崎県庁 望ましい警備とは

      警備強化すればイメージダウンの恐れも

大谷憲史2009/05/25
 5月22日、宮崎に衝撃が走った。午前11時すぎ、宮崎県庁本館2階にある知事室近くの廊下で、宮崎市在住の無職の男性(55)が、5L容器に入ったガソリンをまいた。男は県職員に取り押さえられ、威力業務妨害の疑いで逮捕された。県庁本館内にはガソリン臭が立ち込めたが、観光客、県職員、東国原英夫知事などにはけがはなかった。

 取り調べで男は、東国原知事を狙ったものではなく、宮崎県の対応をめぐり過去に何度か相談していたといい、そのことが動機になったのではないかと見られている。宮崎日日新聞の報道によると、男はライターを持っていたようで、一歩間違えれば大惨事となった可能性もある。

 前日の21日は、77年もの間、宮崎県庁を見守っていたフェニックスの伐採作業が行われ、名残惜しそうに見守る人も多かった。その中で起きた今回の事件だけに、県職員だけではなく、県庁を訪れた県民や観光客にも大きなショックを与えることとなった。

事件の起きた観光地・宮崎県庁 望ましい警備とは | 連日、多くの観光客で県庁本館はにぎわっている(08年7月10日、筆者撮影)
連日、多くの観光客で県庁本館はにぎわっている(08年7月10日、筆者撮影)
 東国原知事の就任以降、宮崎県庁本館は県内有数の観光スポットになり、昨年度は約42万人が県庁を訪れた。本館入り口の守衛さんは、県庁を訪れる人を笑顔で出迎えてくれる。シャッターを押したり、宮崎観光で分からないことがあれば答えたり。守衛さんの観光客に対する「おもてなしの心」は評価され、南九州観光調査開発委員会主催の「2008年度・第4回ホッとハート南九州キャンペーン」で優秀賞を受賞した。

 仕事で県庁に出かけると、いつも多くの観光客でにぎわっている。県庁見学は観光ツアーのコースに組み込まれ、県職員の案内で県庁舎内を自由に見学することができる。数年前には考えられなかった光景である。

 それだけに、今回の事件が観光地・宮崎県庁へのイメージダウンにならないように、警備体制を見直す必要があるだろう。

 これまで宮崎県は、知事が知事室にいる時間には、知事室前の廊下に常に警備員1人を配置している。県庁本館では、日中、6人態勢で警備を行っている。今回の事件を受けて、さらに人員を増やすことを検討しているという。しかし、自由に見学ができる県庁舎内に、制服を着た警備員が多数配置されていると、逆にイメージダウンにはならないだろうか。

 今回逮捕された無職男性は、5Lが入る縦25cm、横40cmの金属製の容器を持って県庁に入ったのだが、警備員は誰もそのことに気づかなかったのだろうか。本館入り口から入れば必ず守衛さんが声をかけるので、挙動不審であればそこでチェックされる。だが、入り口は他にもあり、県職員や出入り業者が利用する通用口もあるため、すべての入館者をチェックすることは難しい。

 金属探知機の導入やIDカードの着用義務付けなどになってしまうと、これまでの県庁のイメージが壊れてしまうことになりかねない。難しい問題ではあるが、観光地としての宮崎県庁の警備のあり方について、県民の1人として考えてみたい。
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