地域社会を元気にする方法としての市民事業、コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスの試みは増えてきた。また、市民事業としてコミュニティカフェに取り組む例も多い。その運営主体もNPOから会社、NPC・非営利型株式会社(Nonprofit Company)など多様である。また、最近はLLP(有限責任事業組合)、LLC(合同会社)も増えている。
6月12日、埼玉地域ファンド研究会が主催する「地域社会を元気にする市民事業の展開」が、さいたま市の浦和コミュニティセンターで開かれた。
埼玉地域ファンド研究会(撮影すべて筆者)
同研究会は、まちづくりや地域福祉などにファンドを生かすことを考える人々で構成されている。「都市づくりNPOさいたま」「さいたま地域通貨フォーラム」「市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉」のメンバーを中心に、NPO・企業・社協・行政など多様な立場のメンバーと共に多様な切り口でファンドや助成制度やCSR(Corporate Social Responsibility 「企業の社会的責任」)に関する検討を進めている。
今回は、LLC合同会社
「家守公室」代表の小松俊昭氏から富山県氷見市でのLLPのコミュニティカフェの取り組みを中心に、多くの事例から地域社会を元気にする市民事業について聞き、参加者で考えるものだった。
小松氏は埼玉県川口市で育ち、日本政策投資銀行入行後は全国の事業支援を行い、アメリカ駐在中は多くの市民事業に触れて帰国、現在は金沢工業大学産学連携室のコーディネーターの傍ら、LLC合同会社の家守公室で地域再生マネージャーとして自ら全国のまちづくりや市民事業の支援をしている。
LLC合同会社家守公室代表の小松俊昭氏
小松氏は日本政策投資銀行時代にアメリカのシリコンバレーで起業家たちがコミュニティカフェに集まり、論議し、学び合い、仲間を作ることで起業していく姿をみて、現在はコミュニティカフェの場のつながりによる市民事業創造を行っている。
氏が支援する市民事業のひとつの氷見市では、シャッター通りにつくられたLLPの「ヤモリカフェ」から始まって、その参加者の学びあいから「まちづくり塾=家守塾」や地域ブランド化による「はと麦」産業が生まれている。
小松氏は市民事業のポイントは「めだかの学校」のような学び合いと固定的な組織ではない流動的なチームの事業形態にあるという。
「めだかの学校」のような学び合いとは、「すずめの学校」は先生がムチを振り振り指導するが、「めだかの学校」はみんなが先生であり、生徒であり、みんなで学び考えて、つながりあって戦略を練り、事業を創造していく。また、そういう場としてのコミュニティカフェを運営するということだ。