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埼玉で「地域社会を元気にする市民事業」の研究会

      市民事業成功のポイントは、学び合いと流動的なチームの事業形態にあり

長岡素彦2009/06/20
 地域社会を元気にする方法としての市民事業、コミュニティビジネス、ソーシャルビジネスの試みは増えてきた。また、市民事業としてコミュニティカフェに取り組む例も多い。その運営主体もNPOから会社、NPC・非営利型株式会社(Nonprofit Company)など多様である。また、最近はLLP(有限責任事業組合)、LLC(合同会社)も増えている。

 6月12日、埼玉地域ファンド研究会が主催する「地域社会を元気にする市民事業の展開」が、さいたま市の浦和コミュニティセンターで開かれた。

埼玉で「地域社会を元気にする市民事業」の研究会 | 埼玉地域ファンド研究会(撮影すべて筆者)
埼玉地域ファンド研究会(撮影すべて筆者)
 同研究会は、まちづくりや地域福祉などにファンドを生かすことを考える人々で構成されている。「都市づくりNPOさいたま」「さいたま地域通貨フォーラム」「市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉」のメンバーを中心に、NPO・企業・社協・行政など多様な立場のメンバーと共に多様な切り口でファンドや助成制度やCSR(Corporate Social Responsibility 「企業の社会的責任」)に関する検討を進めている。

 今回は、LLC合同会社「家守公室」代表の小松俊昭氏から富山県氷見市でのLLPのコミュニティカフェの取り組みを中心に、多くの事例から地域社会を元気にする市民事業について聞き、参加者で考えるものだった。
 
 小松氏は埼玉県川口市で育ち、日本政策投資銀行入行後は全国の事業支援を行い、アメリカ駐在中は多くの市民事業に触れて帰国、現在は金沢工業大学産学連携室のコーディネーターの傍ら、LLC合同会社の家守公室で地域再生マネージャーとして自ら全国のまちづくりや市民事業の支援をしている。

埼玉で「地域社会を元気にする市民事業」の研究会 | LLC合同会社家守公室代表の小松俊昭氏
LLC合同会社家守公室代表の小松俊昭氏
 小松氏は日本政策投資銀行時代にアメリカのシリコンバレーで起業家たちがコミュニティカフェに集まり、論議し、学び合い、仲間を作ることで起業していく姿をみて、現在はコミュニティカフェの場のつながりによる市民事業創造を行っている。

 氏が支援する市民事業のひとつの氷見市では、シャッター通りにつくられたLLPの「ヤモリカフェ」から始まって、その参加者の学びあいから「まちづくり塾=家守塾」や地域ブランド化による「はと麦」産業が生まれている。

 小松氏は市民事業のポイントは「めだかの学校」のような学び合いと固定的な組織ではない流動的なチームの事業形態にあるという。

 「めだかの学校」のような学び合いとは、「すずめの学校」は先生がムチを振り振り指導するが、「めだかの学校」はみんなが先生であり、生徒であり、みんなで学び考えて、つながりあって戦略を練り、事業を創造していく。また、そういう場としてのコミュニティカフェを運営するということだ。

埼玉で「地域社会を元気にする市民事業」の研究会 | 熱心な質問が行われた
熱心な質問が行われた
 固定的な組織ではない流動的なチームの事業形態とは、市民活動ではなく市民事業として事業を行っていくと既成の会社などの固定的な組織形態の模倣になり、市民事業のもつ本来のあり方を失いがちであるが、流動的なチームだと市民事業の特質を生かせるという。LLPの「ヤモリカフェ」も創業期を終えて安定経営期に入り、運営主体がLLP(有限責任事業組合)からLLC(合同会社)の家守公室に移るという。
 
 地域社会を元気にする方法としての市民事業、コミュティビジネス、ソーシャルビジネスの試みの多くは創業期で終わることが多い。
 それは資金の問題や「創業の電池切れ」(創業の情熱や意気込みを失って仕事がルーティンワーク化すること:筆者の造語)の問題であるが、法人の固定的な組織形態に固執するあまり、市民事業本来の市民の力を生かせなくなることも大きい。
 
 そもそも、LLP、LLCはアメリカでシリコンバレーやなどでの情報産業の起業から生まれた事業形態であり、その創造的で流動的なチーム型の事業形態はLLP、LLCのあり方そのものだと筆者も事業の経験から知っている。

 市民事業も「ヤモリカフェ」やそこから発展した事業のように創造的で流動的なチーム型の事業形態とそれにあったあり方を考えなければ、市民事業は「起業は起業で終わるという起業のカベ」(筆者の造語)を超えることは出来ない。


参考リンク
合同会社 家守公室
http://www.llc-yamori.jp

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[47173] いつも興味深く読んでいます。
名前:広岡守穂
日時:2009/06/20 22:34
いつも興味深く読んでいます。
 有益な記事をありがとうございます。
ところで埼玉県はNPOやコミュニティビジネスなど社会起業を支援している自治体だと思いますが、実際の起業の事例は多いのでしょうか?つまり県の支援は大きな効果があるのでしょうか?
 わたしの漠然とした印象では、自治体と社会起業をめざす人たちの関係は良いのか悪いのかよくわからないのですが。
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