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テレビ業界の経営はいつまで安泰か

宇野文夫2005/06/24
米国ではメディアの視聴・購読時間の15%がインターネットの閲覧に費やされており、急速にネットの広告市場が拡大している。日本はどうなのか。
日本 テレビ NA
 先日、ある民放キー局から株主総会(6月29日)の招集通知書が届いた。株式を購入したのは、営業報告書や貸借対照表を通してテレビ業界をウオッチするためである。今回届いたキー局の営業概況を説明しよう。平成16年度の連結売上高は2,420億円で前年度比11%増である。アテネオリンピックの効果だ。営業利益は136億円(前年度比108%増)。経常利益は135億円(同130%増)となり、利益率5.5%である。テレビ局をコンテンツ流通業と見なせば、ヤマト運輸の利益率3.9%と比べると、利益率は悪くない。1株当たりの純利益は7,198円、前の年度の4.6倍にも膨らんだ。ちなみに1株当たりの年間配当金は1,300円である。

 この内容を見る限り、テレビ業界はいいことずくめのようだが、これから起こるテレビ業界のことをちょっと考えてみる。アメリカでは既にメディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネット)の視聴・購読時間の15%がインターネットの閲覧に費やされており、急速にインターネットの広告市場が拡大している。日本の広告市場はどうなっているのか。日本のメディアに投下された2004年の広告費はテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネットで合計3兆8,574億円である(電通調べ)。そのうちネットは1,814億円、ラジオの1,795億円で、シェアはともに4.7%だが、金額ではネットがラジオを抜いたのである。近い将来、アメリカ並みにネットが日本の広告市場で伸びるとすると、単純に考えてシェア15%、金額にして5,800億円ほどに膨らむと推測できる。

 しかし、全体の広告市場はすでに頭打ちである。金額ベースで1985年を100とした場合、2000年の174をピークに減少しているのだ。つまり、ネット収入が膨らんでいる分、どこかがへこんでいる計算になる。そのへこみはメディアではこれまで新聞とラジオだったが、すでに底打ち傾向である。今後、ネット市場が伸びた場合、どのメディアが割りを食うのかというとテレビ、中でも可能性がもっとも高いのがローカル局なのだ。大手スポンサーは手持ちの広告費を配分する際、東京、大阪、名古屋のテレビ局は外さない。大都市圏での販売シェアを確保したいからだ。ネットに広告費を回す場合、削ることになるのはローカル局への配分だ。事実、99年にネットバブルがはじけてネット関連の広告(PCなど)需要が落ち込んだ時、やはり削られたのはローカルのCM出稿だったのである。

 今後、2006年のローカル地上波のデジタル化が一気に進む。どんな小さなローカル局でも45億円ぐらいの投資が必要となってくる。その投資の波と、ネット広告の拡大の波と重なるのが来年だ。内部留保を吐き出し、デジタル化の投資がひと段落したころに「15%」のネット市場が迫ってくる。系列のローカル局の面倒を見るのは最終的にキー局だ。さらに、アメリカでも起きている現象だが、ヤフーとグーグルの売上高は今年、ABC、NBC、CBSのアメリカ3大ネットワークのプライムタイム広告収入に並ぶ可能性も指摘されている。3大ネットワークと言えども安泰ではないのだ。

 この広告市場に襲いかかるネットの大波は、日本にも必ずやってくる。テレビメディアのマネジメントが、変化のスピードについていけるかどうか。放送と通信の融合に果敢に挑む姿勢が示せるのかどうか。イノベーションを起こせなければ凋落する。これは自明の理である。自宅に届いた一通の株主総会召集通知書からいろいろなことを考えてしまった。
◇ ◇ ◇

ご意見板

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[9840] 言いたいのは記事の書きぶりが間違いだということ
名前:ほりうちたみ
日時:2005/08/21 00:02
>前田様
>では、なぜ「ローカル局の予算は実際削られているかもしれません。」で一致するのでしょうか?

記事では「ローカル局の予算は削られる」と言っています。
私はローカル局の予算が実際どう変動しているかは知りませんから、削られてるとも、削られて無いとも言うことは出来ません。
ですから、実際もしかしたら予算は削られているかもしれませんから「ローカル局の予算は実際削られているかもしれません。」
と書きました。

私のコメントは、
実際にローカル局の予算が削られているとしても、そこに至るまでのこの記事の書きぶり(広告費に対する分析)は間違いだ。
それだけです。
[9838] なるほど〜
名前:前田輝正
日時:2005/08/20 23:12
 ほりうちたみ様へ

 なるほど〜
 では、なぜ「ローカル局の予算は実際削られているかもしれません。」で一致するのでしょうか?

 ネット広告もテレビ広告も負け組と勝ち組って事ですか?
 でも、テレビはネットと異なり地域独占営業ですね?


[9837] 前田様、私のコメントはこういうことです
名前:ほりうちたみ
日時:2005/08/20 22:28
>前田様
記事は、
@インターネット広告が伸びており、米国並みにまでなれば5800億円だ!
A広告費総額はすでに頭打ちだ。従ってネットが伸びている分どこかがへこんでおり、それが今までは新聞とラジオだったが今この二つは底打ちとなっている。
B従って、今後ネットがますます伸びるなら、テレビ広告が削られる。中でもローカル局が削られるだろう。
となっています。
で、Bに対して私は
・テレビ広告の構成比は大きくなっている(ネットが伸びるからテレビ広告が削られる、と言うのは間違い)。
・宇野様は広告媒体として、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネットしか取り上げませんでしたが、実際にはSP、DM等の他の媒体が存在します。
インターネット広告が伸びた時に、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌意外にも広告費を削る媒体があるのに、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌のみしか対象が無いようにみせかけて、「ラジオ・新聞はもう底打ちだ。よってテレビの広告費が削られる」と記事を書くのは間違っている、ということで
>記事の発想が間違っている
と書きました。

議論がかみ合ってないということは、私のコメントが記事に対して論理的でない、と言うことでしょう。
この説明でいかがでしょうか。論理的、と解釈できますか?

ローカル局の予算は実際削られているかもしれません。
しかし、この記事内容でそれを言うのは間違っています。
事実が合ってれば途中何を書いても良い、というわけではないでしょう。

 利用規定3項により、一部、削除しました(編集部)
[9690] 確かにローカル局は危ないですよね
名前:前田輝正
日時:2005/08/16 01:47
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>今後、ネット市場が伸びた場合、どのメディアが割りを食うのかというとテレビ、中でも可能性がもっとも高いのがローカル局なのだ。

テレビの全体の広告費に占める割合は順調に推移してますが。

そもそも、SP、DM等の他の媒体を無視して、四媒体のみでインターネット広告の伸びを相殺しようという発想が間違っています。
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 議論が噛みあってませんよ。
 確かにローカル局は危ないですよね。
 ネットにより問屋等の”中抜き”がトレンドです。
 総務省がネットのテレビ配信で越県を認めないって変です。
 地方の各県で三つも地元放送局が維持されているのが変ですよ。
 ライブドアがテレビ番組を制作するのもピンと来ません。
 在京キ−局がコンテンツを制作し、淘汰されたローカル局が地域情報を付加し、テレビがアンテナ線ではなくLANケ−ブルに繋がる未来が予想されますね。
[8739] インターネット広告は伸びていますね
名前:ほりうちたみ
日時:2005/06/24 23:12
記事を拝見しましたが、いくつか気になったので指摘をしてみます。

>近い将来、アメリカ並みにネットが日本の広告市場で伸びるとすると、単純に考えてシェア15%、金額にして5,800億円ほどに膨らむと推測できる。

推測できません。上記の5媒体の時間当たり広告費が同じならその推測は成り立ちますが、現実がそうだとはとても思えません。
広告に触れた時間の構成比と、広告費の金額構成比を一緒にしない方が良いと思います。


>しかし、全体の広告市場はすでに頭打ちである。金額ベースで1985年を100とした場合、2000年の174をピークに減少しているのだ。

そして2003年、2004年は前年比で上昇しています。
広告費の推移が企業の利益と相関があることを考えれば、2005年は2000年と同程度の水準に届く可能性もあるのではないでしょうか?


>つまり、ネット収入が膨らんでいる分、どこかがへこんでいる計算になる。そのへこみはメディアではこれまで新聞とラジオだったが、すでに底打ち傾向である。

何をもって底打ちと判断したのでしょうか。広告費全体に占める新聞とラジオの構成比は、両媒体ともに減少中です。


>今後、ネット市場が伸びた場合、どのメディアが割りを食うのかというとテレビ、中でも可能性がもっとも高いのがローカル局なのだ。

テレビの全体の広告費に占める割合は順調に推移してますが。

そもそも、SP、DM等の他の媒体を無視して、四媒体のみでインターネット広告の伸びを相殺しようという発想が間違っています。

>事実、99年にネットバブルがはじけてネット関連の広告(PCなど)需要が落ち込んだ時、やはり削られたのはローカルのCM出稿だったのである。

ITバブルが弾けて広告費が前年比マイナスになったのは2001年です。記事でも「広告費は2000年がピーク〜」とご自身で言っていますが…?


「インターネット広告は伸びてきているし、デジタル放送の負担もあるから、テレビ局はこれから大変だよ。変わらなきゃダメだよ」と訴えたいのはわかりますが、誤った引用、推論では記事の信頼性に疑問が生まれ、せっかくの記事が台無しになると思います。記事でデータを用いる場合には、もっときちんとデータを見た方が良い記事が出来るかと思いますが、いかがでしょうか。
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