びわ湖環境ビジネスメッセ・会場内の様子
世界の異常気象や日本の四季の変化をみるにつけ、地球の温暖化をほぼ真実と受け止めてきた。しかし、純科学の分野では「異常ではなく」、現在の地球は「太陽などの活動の周期で温暖化中」だという科学者もいる。一体、どちらが本当なのだろう。晩秋に開催された「びわ湖環境ビジネスメッセ2008」に、そんな思いで出かけてきた。
会場の長浜ドームは、昨年を上回る出展者で熱気ムンムン。来場者も学校帰りの高校生など一般が目立った。「環境」という身近なテーマがそうさせるのか、どちらにせよ、市民が産業に興味関心をもつことはいい傾向である。一方、主催者は「あまり一般が多いとビジネス交渉の場がもてなくなる」とやや渋り顔だ。
さて、最先端のエコ商品。見渡す限り夏の暑さ対策のものが多い。数社に温暖化に伴う意見を聞いてみた。商品をつくった動機でもあるが答えの大半が「国の方向」という声。反面「どんな状況でも経済というのは前に進まなければならない」と市場原理をいう人もいた。総じて「先は読めないが、環境問題は無視できない」というところだ。
ネーミングに驚いて足を止めたのが「京都大学生存圏研究所」。地球もいよいよかと思わせるその内容は、「生存圏」という新しい理念を基本にしたあらたな地球再生である。同研究所が考える生存圏とは人間生活圏、森林圏、大気圏、宇宙空気圏。なかでも地表における木質資源を大きな生存キーとしている。そして、戦略的な未来図はこうだ。
中央に都市らしきものがある。周辺は緑が囲み、その緑ははるか彼方まで続く。それは、林や森にかわり山に連なる。街は緑の至るところに点在。建物の多くは木造が占める。橋も木だ。大気圏には衛星やレーダーがめぐり、地球周辺の宇宙空間を観測する。大きなパネルが太陽エネルギーを取り込み地表に送る。人間は太陽エネルギーをメーンに生活をする……。
緑の多い景色は遠い昔を見るような静寂を感じさせた。一方、上空の宇宙分析はまさに人類の次のステージへの階段、夢の開拓である。何年後にこの絵が実現化するのかわからないが刺激的な絵だ。研究員から森について興味深い話を聞いた。つまり、森には遺伝子があるということだ。単に木を植えれば森ができると思っていたがそうではないらしい。木質遺伝子というものがあり、それを上手く育てなければ「森」は成立しないという。人間が失った緑の代償は大きいようだ。
ドーム2階会場で行われた滋賀大学のセミナー
他にも、滋賀大学のセミナー(低炭素社会におけるエネルギー・ビジネス)を聞いた。基調講演をした京都大学経済学研究科 諸富徹氏は低炭素社会は必至であり、それはまた「社会が根本から変わることを意味し、新しい産業革命に匹敵する変革」と話した。さらに、その転換は「我々の理解を超えるかもしれない」とも付け加えている。一体、専門家も見えない未来とはどんな世の中なのか。同じ意見をNPO法人環境文明21共同代表・加藤三郎氏も中央公論7「月号に載せている。
「温暖化問題とは経済や環境の一問題ではなく、価値観から制度(税・憲法含む)、教育、働き方、エネルギー、食と農、交通、都市、農村構造など、すべてを大きく変える大改革である」。
今年、国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は第4次評価報告書で、人為起源の温暖化をほぼ断定した。1750年以降の人間活動がその要因で、太陽放射の変動がもたらす効果よりはるかに大きいとし、「疑う余地がない」と伝えている。
会場ですれ違った主婦は「(温暖化を)なんで、こんなコトになってもたん(なってしまったの)」と言っていた。まさにそうだが、今さら言っても仕方がない。「便利」を享受した人類のツケとして背負わなければならない。そう思えば、報道や書籍で日々伝える警告ともいえる「新時代」も覚悟で迎えることができる。
ビジネスは社会の反映である。来年のびわ湖環境ビジネスメメッセでは、更にクリーンな社会を創る仕組みを見られるかもしれない。京都大学生存圏研究所の未来図にも、より具体的な色、形が添えられていることを楽しみにしたい。
彦根発の和風自転車タクシー「リキシャ」。伝統の技を終結している(以上、筆者撮影)
※ 以下の写真は、クリックで拡大します(出展された椅子・写真提供(株)イト−キ)
洞爺湖サミットで使用されたスピーナチェア 2007年度グッドデザイン金賞(経済産業大臣賞)受賞。背もたれ部分は新素材のエラストマー樹脂。リブ形状のデザインは日本の格子や障子を連想させる。どんな姿勢にもチェアが追従し、煩わしい調整なし。長時間でも座り心地満点。ほんと、座り心地が良かった
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女性専用の椅子 女性は男性に比べ若干お尻が大きい。人間工学に基づいた設計で、常に骨盤を安定させた作り。脇もしっかり支えられ安心して座れる
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