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コラム

17里の「焼き栗」を頬張る幸せ

鷲崎晏也2006/11/24
11月11日は「聖マルティーニョの日」です。地方では秋の味覚の代表ともいえる栗を尊ぶ行事が根強く残っています。
ポルトガル 街 NA
 11月11日は「聖マルティーニョの日」です。別名「栗の日」とも呼ばれています。大都市周辺では目立たなくなりつつありますが、地方ではいまだに秋の味覚の代表ともいえる栗を尊ぶ行事が根強く残っています。

 地域の人たちが広場に集まって、栗を腹いっぱい食い漁るのです。一気に焼き栗を食べると喉につまります。そこで今年仕込んだばかりのワインをたっぷり口にして無理やり食道から胃袋へ流し込むのです。何百人もの人たちが一斉に頬張っている姿は、滑稽を通り越してじつに豪快です。いかにもポルトガルらしい秋の収穫を祝う祭風景です。

 ポルトガルの栗はじつに美味です。日本では焼き芋を「栗よりうまい十三里」ともてはやす言葉がありますが、ポルトガルの栗は「十三里よりうまい十七里」です(ここの意味がわからない読者は、文末の<編集部注>をみてください)。

 とくに東北の“トラズ・オス・モンテス地方”で獲れる栗は絶品です。秋から冬にかけてポルトガルを訪れる機会のある方には、ぜひ「焼き栗」をお勧めしたい。天然のクリスタル塩で味付けされた「焼き栗」のおいしさに思わず感動すること間違いありません。歴史や文化を目や耳、頭で楽しむのは当たり前ですが、やはり心と腹で感じ取らなくちゃダメですね。この「焼き栗」こそは、古代ローマ時代から延々と引き継がれた由緒正しき食文化なのですゾ〜。

 焼き栗屋を探すのは至極簡単です。町角に立って辺りを見回せば、どこからともなく紫煙が漂ってきます。それを目と鼻を頼りに辿ればよいのです。「食欲の秋」は堪えられませんね。


<編集部注>江戸時代のしゃれ言葉。焼き芋は「栗(9里)より(4里)うまい」から9里+4里=「13里」と言った。
17里の「焼き栗」を頬張る幸せ
街角の焼栗屋

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