写真は編集部撮影のイメージ
◆外した予測
4月2日付の本コラム
「ガソリン値下げの既成事実で政治の流れが変わる」で大胆にうち出した予測が見事に外れてしまった。
そのコラムでも、<もの書きのはしくれだから、下手な予言は慎まなければならない。予知能力はもちろんないのだから、推測ということになる。その推測が外れたら、書くもの全体の信ぴょう性が疑われてしまう。>という自戒の言葉は入れておいた。
「すぐ調子に乗って、やっちゃいけないことをやってしまうのだから」と反省しなければならないという気持ちはある。
◆なぜ欠席戦術だったのか?
しかし、どうして民主、社民、国民新の野党3党は、再議決のために開かれた衆院本会議を欠席したのだろうか? と問題提起したいという気もする。
30日の本会議についてのデータを新聞報道でまとめてみると……。野党からの本会議出席者は共産党の9人と、民主党会派所属の田中真紀子、無所属の横路孝弘(副議長)、江田憲司の3人。自公両与党の出席者は335人。ほかに与党的な無所属の玉沢徳一郎と中村喜四郎がいた。
採決は地方税3法と国税2法に分けて記名投票で行われたが、地方税は賛成336、反対12▽国税は賛成337、反対12だった。それぞれ投票総数の3分の2にあたる233票は軽くクリアして、衆院の再議決は成立した。(国税と地方税で賛成票数が異なるのは、玉沢が双方に賛成、中村は国税に賛成しながら、地方税は棄権したからである)。
◆24票は余裕の差だったのか
民主党など野党が出席していたらどうなるか。今年1月のテロ特措法採決が参考になる。投票総数473、賛成340、反対133。3分の2は316だから、24票の余裕でクリアした。
欠席者の数など、多少の変化はあるにしても、この数字が原点となるはずだ。造反票が24に達したかどうか疑問だが、ゼロではなかったはずだ。
◆自民党執行部は恐れていた?
4月19、20の両日実施した朝日新聞世論調査で、ガソリン税の暫定税率を復活させることについては、賛成24%、反対63%という結果だった。それに加えて山口2区補選で民主党が圧勝したのだ。「復活賛成では、次回総選挙で当選できない」と考える議員が多数出てもおかしくない。
こういう状態のときこそ、「衆院での採決」にのぞみ、自民党から造反議員が何人出るのか、見極めるべきだったのではないか?。 それをやっていたら、少なくとも自民党執行部の心胆を寒からしめる(表現が古いナア)程度のことはできたはずだ。
◆異常な「一致団結」の念押し
状況証拠にしかならないが、その前週から自民党各派の会合では、トップが「再議決のさいは党の方針の下に、一致団結した行動を!」と訴えていた。もちろん山口2区補選の翌日・28日には、ほとんど全派閥が会合を開き、再度「一致団結の呼びかけ」を繰り返したのである。「議員一人ひとりの良識」を基盤に置いているはずの自民党では、異常ともいえる「締め付け」である。
造反の動きがないのなら、こんなことをやっても無意味であろう。造反の動きがあった、それもかなりの規模になる可能性が大きかったから、こうした締め付けが行われたのではないか?
◆テレビに映っただけが戦果
欠席戦術をとった民主党は、若手国会議員約100人を動員、「民意を問え」などと書いたプラカードを掲げて衆院議長応接室前に押しかけさせた。
「地方の声は(ガソリン)値下げだ!」などと叫んで気勢を上げ、河野洋平議長を缶詰めにして、午後1時開会予定の本会議を開かせない作戦。自民党の若手議員らが議長の通り道を確保しようと割り込み、激しいもみ合いとなって、テレビには格好の映像を提供した。
◆むなしいポーズ
議長は午後2時前、衛視に抱きかかえられるようにして封鎖を突破、議場に入った。本会議開会を遅らせただけの行動に何ほどの意味があったのか? おそらく民主党は「再議決に強く反対している」というポーズを示すだけだったのではないか?
ほんとうに強く反対しており、再議決阻止の可能性に賭けるのなら、本会議に出席して、今年1月のテロ特措法のときと同じ採決をやるべきだったのではないか?
以下は推論でしかないが、民主党など野党3党が出席していれば、自民党から24人以上の造反者が出て、3分の2再議決が成立しない可能性は十分あったのではないか?