宜野湾市の伊波洋一市長が「辺野古は普天間の代替施設でない」とアメリカ総領事に伝えたという情報を確かめるため市長を訪ねた。在沖米総領事館のメイヤー総領事は「辺野古の新基地建設は普天間飛行場の代替施設」と盛んに強調しているが、伊波市長は「それはまったく間違った情報である」と指摘した。政府や県、マスコミなども辺野古の新基地を普天間飛行場の代替施設としているだけに伊波市長の指摘は新たな波紋を巻き起こしそうだ。
金網に囲まれた普天間飛行場
Q:辺野古への新基地建設は普天間飛行場の代替施設なのか。
伊波市長
それはまったく違う。2006年5月には沖縄の海兵隊8000人とその家族・軍属など9000人がグアムに移転することが決まっている。メイヤー総領事は、辺野古の新基地建設は普天間代替施設と言っているが、それは間違ったメッセージである。私はメイヤー総領事に「あなたがいう普天間と辺野古がリンクしているというのはまったく違う」と言いました。
辺野古に普天間飛行場と同じ2000mの滑走路の建設が予定されているといっても、それは必ずしも普天間の代替施設ではない。私も2003年から辺野古新基地の建設には反対しています。辺野古は日米両政府の取引き材料に使われているにすぎない。
Q:グアムでは受け入れ工事がすすんでいるのだろうか。
伊波市長
2007年に中部の市町村長がグアムを現地調査した。そのとき、米軍の世界的な再編・統合計画でグアムへの移転作業が着々と進められていた。そのことはマスコミも知っているが、報道していないだけだ。
マリアナ諸島への訓練場の整備、テニアンはすでに半分を米軍がすでに借りている。そうした米軍の再編・統合への動きは否定できないものであるが、メイヤー総領事はどういう訳か否定し、辺野古新基地を普天間飛行場の代替施設と言い続けている。それはまったく間違っている。
Q:過去2回にわたる訪米では、普天間飛行場についてどう説明したか。
伊波市長
普天間飛行場はアメリカの安全基準もクリアしていない。まわりには学校、病院、公民館など人が集まる施設が多く、住宅も密集している。その上空を昼夜の別なく飛行している。ヘリコプターの場合には低空飛行を繰り返している。
市民からの苦情も年々増えている。しかも内容が深刻である。これは日米両国、沖縄に駐留している米国と県民の友好・信頼関係にもマイナスになる。世界一危険な飛行場なので、早期に閉鎖・返還してもらいたい。
Q:今後の取り組みについて教えてもらいたい。
伊波市長
普天間飛行場が危険なことは、今回の騒音訴訟の判決でも明らかにされている。宜野湾市の中心部に危険な飛行場をそのまま放置して置く訳にはいかない。また、いつ沖縄国際大学へのヘリコプター墜落事故のような事故が起こるか分からない。
とても危険な状況に普天間飛行場があるので、機会を見つけて常にその危険性を訴え、早期閉鎖と返還を求めていく。辺野古とは関係なく、早期に返還すべきものである。
伊波洋一市長
インタビューを終えて感じたのは、米軍の世界的な再編計画の一環として普天間飛行場がグワムへの統合が行われるにも関わらず、県民・国民はもちろんだが、マスコミまでも辺野古に新基地が完成しなければ、普天間飛行場の閉鎖・返還は行われない、と思い込まされていることである。伊波市長がいう「日米の取引き材料」にされているならば、県民がコケにされていることになる。それは許されるべき問題ではなかろう。