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コラム

踏ん張れるか東国原知事 −見直し迫られる入札改革

鈴木康之2008/09/08
公共事業入札制度改革の見直しなどを求める宮崎県内の建設関連20団体で構成する「危機突破総決起大会」が開かれ、来賓の東国原英夫知事を突き上げるなど強烈なアピールが行われた。宮崎県内では、最大手の「志多組」が倒産するなど、建設業界は危機的な様相だ。
宮崎 自治体 NA_テーマ2
 残暑厳しき炎天下の河川敷で、来賓挨拶に立った東国原英夫知事にヤジが飛び交った。9月2日、入札制度改革の見直しなどを求める宮崎県内の建設関連20団体で構成する「危機突破総決起大会」(実行委会長・永野征四郎)でのことである。大会には県内各地からバスを連ねて約3,500人が集結、県庁前までアピール行進した。

踏ん張れるか東国原知事 −見直し迫られる入札改革 | <center>総決起大会で挨拶する東国原知事</center>
総決起大会で挨拶する東国原知事
 入札制度改革は、安藤忠恕前知事の贈収賄・官製談合事件(公判中)の反省を踏まえて、東国原知事が打ち出した、行財政改革、企業誘致、観光振興などとともに、マニフェストの目玉政策である。

 知事は昨年1月就任後早々、それまで予定価格1億円未満は指名入札であったものを、全国に先駆けて250万円未満まで段階的に落とし、事実上ほとんどすべての工事を一般入札化するとともに、最低制限価格を予定価格の70−80%にセットして落札率の低下を誘い、一般県民の称讃を浴びた。その結果、95%を超えた、かつての日本一高い落札率は10%以上低下し、全国7番目に低くなった。

踏ん張れるか東国原知事 −見直し迫られる入札改革 | <center>ガンバロー三唱</center>
ガンバロー三唱
 建設業界は近年、国、県の公共事業費が毎年削減され、全国的に需要減の供給過剰で倒産が頻発している。宮崎県の場合、07年は前年に比し20件増の52件発生、失業者は06年が約5,700人、07年が約7,500人を記録した。

 本年8月には、本県最大手の「志多組」(資本金・4.5億円、社長・志多宏彦、従業員数・約400人)が倒産し、民事再生法が適用された(負債総額・278億円、債権者・1,100社)。また、原油や原材料の高騰がとくに中小企業の収益を圧迫していて、業界は危機的状況にある。

 加えて、本県のこの度の入札制度改革が急激で、この傾向に拍車をかけたことは否めない。決起大会の決議文には「もはや我慢の限界に達した」とあるのもそれなりに理解できる。

踏ん張れるか東国原知事 −見直し迫られる入札改革 | <center>ブルを先頭にアピール行進(県庁前)</center>
ブルを先頭にアピール行進(県庁前)
 決議文の要望事項は次の通りである。

 1、景気対策として、平成20年度補正予算を国へ強力に要望すること。
(知事は同決起大会後、急きょ県の公共事業費22億円を補正予算に追加、9月県議会に提案することを決めた)

 2、道路特定財源の一般財源化に伴い、従来以上の道路事業費を「地方枠」として確保すること。
(本件については、知事は道路問題発生以来先頭に立って奮闘してきている)

 3、最低制限価格を90%以上に引き上げること。
(利益が望めないので、応札なしが頻発している。知事は昨年途中で譲歩、すでに全国並みの80−85%に同価格を引き上げており、これ以上の引き上げは今のところ拒否している)

 4、総合評価落札方式(技術力、地元貢献度を加点)を(地元有利に)見直すとともに、予定価格を事後公表とすること。
(とくに測量部門では、事前公表の予定価格から最低制限価格の積算割り出しが容易なため、同最低価格での入札が多数競合、くじ引きで受注者が決まることが頻発した。知事は事後公表にすると職員の情報漏えいで談合など不祥事を招きかねないとして、今のところ難色を示している)

 5、予定価格2,000万円未満の一般土木等工事は指名入札とすること。
(本県同様の不祥事のあった福島県では、試験的に1,000万円未満まで復活させている。知事は今のところ難色を示している)
 
 知事は昨年の出直し知事選挙で、本県の建設業者が過剰であるとの認識を示し、適正規模まで淘汰されるべきものとし、就任後、退場会社の新分野・異業種への転換支援措置を打ち出しているが不十分。業種転換は今日、口で言うほど容易ではない。なお、本県5月の有効求人倍率は0.57であった。

 ちなみに、宮崎県の人口1,000人当たりの建設業者数は、4.8社(全国平均・4.1社)で、全国第9位、九州ではトップである。県土の広さや地勢もあって一概には言えないが、全国平均に比し実数で800社ほど多い計算になる(現在約5,500社)。

 業界で中核団体の県建設業協会(会長・永野征四郎)に取材したが、07年は過去最高の109社が退会(倒産を含む)。ピーク時900社を超えた会員数は、現在約600社に減ったと自嘲気味だった。

 東国原知事は「改革を決して後退させることはない」と繰り返しているが、来る12日開会の県議会での対応が注目される。

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