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インターネット上で異性との出会いの場を提供する「出会い系サイト」。その出会い系サイトがらみの事件が急増している。 警察庁によると、昨年1年間の出会い系サイトに関する事件の検挙数は1731件で、2001年の1・9倍、2000年と比べると実に17倍に激増している。昨年は検挙数の97%が、パソコンではなく、携帯電話の出会い系サイト関係だった。 携帯の出会い系サイトの実態は、どうなっているのか。インターネット上の「出会い系携帯サイトの人気ランキング」トップ10に名を連ねる、有名サイトの運営会社でアルバイトをするAさん(男性・28歳)に話を聞いた。 Aさんは知人を介して、アルバイト雑誌に載っていた求人を知った。募集の名目は「パソコンのユーザーサポート」。しかし、実際は携帯の出会い系サイトの応答要員、いわゆる「サクラ」だった。採用にあたっては、「この業務について他言してはいけない。人に聞かれたら『ユーザーサポートをしています』と言うこと」と、会社から念を押された。 Aさんが受け持つサイトのシステムは、掲示板に掲載された登録会員のプロフィールを見た人が携帯電話からメールを出し、その後は与えられた認証番号をもとに相手とやり取りするというもの。女性会員のメールの送受信は無料だが、男性会員は1回につき400〜500円かかる。 会員の9割は男性だ。「男ばっかりだと『出会い』が成立しないから、僕たちのようなサクラが必要なのでしょう」とAさん。 サクラのバイトの約7割を男性が占める。しかし、送られてくるメールのほとんど全てが男性会員からのため、Aさんも他の男性バイト仲間と同様、「女性」になりきって返事を出す。 仕事は、会員からのメールを会社のパソコンで読み、返事を出す。課金対象とならない女性からのメールは利益につながらないため、ほとんどのアルバイトが黙殺するという。 男性側から送られてくるメールの約6割は、遊び友達や恋人を募集するものだが、あとはセックスの相手を求めるなど、性的な内容だ。「男からくる『エッチな内容』のメールに、男が返信しているのですからねぇ」と、Aさんは苦笑いだ。 会社から規定された返信マニュアルはないが、男性から来たメールには、まず「会いましょう」と返信する。相手の気を引き、課金対象のメールの送受信を活発にさせるためだ。 相手が乗ってくると、1週間後ぐらいに会う約束をする。当然、その間に頻繁にメールのやり取りをする。そして当日、「ゴメン、いけなくなっちゃった」とメールを出せば、サクラであることも男であることも、バレなくて済む。「ドタキャンしても、同じ相手から再び『会おう』とメールが来ることは、まずないですね」。出会いも別れも文字の上だけでのやり取りなので、お手軽だからか。 「それにしても」とAさん、「会員の男性は見ず知らずの相手に、平気で自分の個人情報を教えますからね」。本名、乗っている車のナンバー、携帯番号、勤務先とその電話番号、はては会社での役職。「相手に信用させたいのでしょうけど、それにしてもね。会ったこともないのに、『お前しか本音を話せる人はいない』なんて文章を書いてくる人もいますよ」。 Aさんは大学卒業後、メディア関係の仕事に就こうと、ずっとフリーターを続けている。融通が効き、最初は面白かったサクラのバイトだが、最近は「早く利用者に(サクラが応対しているということを)気付いて欲しい。こんなことでお金儲けをする会社は不健全」と思うようになった。 そして、「利用者は、『出会い系を使えば簡単に相手をゲットできる』と考えているようだ。実際の男女の関係は、そんな簡単なものではないのに」と話す。 今の仕事をずっと続けようとは思っていない、と話すAさん。ちなみに、年金は払っていない。 |