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アジア各国と日本の女性マンガ作家、編集者が21、22日両日、東京に集まり、「アジアINコミック2004−アジア女流マンガの世界」を開いた。 80年代以降、東アジアでは漫画が大衆文化を席巻した。そうした中、日本マンガはいまだに「教祖的な」存在感を放っている。「読者の構成はどうですか」という質問に、「漫画誌の読者の80%は女性です。男性は皆プレーステーションに夢中しているから」―インドネシアとフィリピン代表の二人揃った答えに、会場から笑いが起きた。いずれにしても、和製ポップカルチャーの影響力は恐ろしい…… 一方、日本マンガの影響を強く受けながらも、各国のマンガ界は創作と編集の両面で独自のスタイルを確立すべく努力を重ねているそうだ。インドネシアでは数多くの民族が共に暮らし、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教など様々な宗教が混在しているため、マンガの内容とスタイルはそれぞれの信仰に配慮しなければならない。出版社は厳しい自己検閲を行っているそうだ。シンガポールでは日本のスタイル、英語のセンス、中国の文化伝統を取り込みつつ、自国の文脈でマンガを作っている。 インドネシア、フィリピン、シンガポールの参加者たちは、成長しつつある国内コミック市場を抱え、希望に満ち溢れている。対照的に、日韓のマンガ関係者は危機感をうかがわせる発言が多い。 小学館の女性コミック誌『Judy』の山内靖子副編集長によると、日本は漫画誌の売り上げが7年連続で前年割れとなっている。低迷する韓国マンガ界も激変するメディア環境に対応しようと、懸命だ。金英中編集長(ソウル文化社)は韓国インターネットマンガ事情を紹介した。 金氏の話によると、韓国マンガ市場を支えているのは個人の読者ではなく、コミック専門の貸本屋である。現在、年間コミック販売部数の80%は貸本屋が購入するそうだ。しかし、インターネットが日本以上に普及している韓国では、ここ数年、「インターネットコミックサービス」が急速に増加しているそうだ。読者を無料の「オンラインマンガ」に奪われてしまい、貸本屋は経営に苦しむようになった。ピーク時の1998年の2万店から8千店前後(2003年)までに減った。最大顧客だった貸本屋の不振で、出版社も販売の伸び悩みが深刻だ。いかに読者をキープするか、作家の著作権をいかに守るか……従来の「出版マンガ」と「オンラインマンガ」の戦いが始まっている。 一方、最近では、インターネットでの作品公開は宣伝効果が高いため、出版社は積極的にオンラインマンガの独特の長所を生かし、読者の心をつかもうとしている。「インターネットの挑戦を逆手にとって、21世紀のコミックを作りたいです」金氏は意気込みを語った。「お話を聞いて、韓国に負けているかも…と思った時もありましたが、負けないように頑張りたいと思います」と、日本の漫画関係者は答える。大きな刺激を受けていたようだ。 また、漫画交流という面で、「日本から海外へ一方通行」の現状が指摘された。1998年まで韓国は日本大衆文化の流入を厳しく制限してきたが、1978年に翻訳された『キャンディ・キャンディ』をはじめとし、日本マンガの人気は衰えることを知らない。現在、韓国では日本マンガが年間5千種近く(!)輸入されているという。 「日本は漫画先進国ですが、反面、外国の漫画に触れるチャンスが少ないかもしれない」。福岡女子学院大学の佐島顕子助教授は語る。彼女は韓国マンガを使い、学生に韓国語と異文化交流を教えている。市販の韓国マンガが非常に少ないので、いつも東京の書店に韓国から本を取り寄せてもらう。そして自分で翻訳して学生に渡すようにしているそうだ。 日本漫画学院学院長の木村忠夫氏はもっと率直に指摘する。「日本のコミック市場は閉鎖的ではないか。アジア各国には、『日本にマンガ留学したい、プロ先生のもとで研修したい、画材を買いたい』というような漫画ファンが沢山いる。しかし、現在日本では『マンガ留学』が認められていない。マンガ大国だけに、非常に残念なことです」。 22日のセミナーには、一世を風靡した『ふしぎ遊戯』の作者・渡瀬悠宇先生も出席した。筆者は高校時代に中国の奥深い内陸部にある町・成都で、『ふしぎ遊戯』(中国名『幽遊白書』)を手にした。その独特の世界観に誘い込まれ、一気に読み切った。同級生の間には、マンガの原作を読みたくて大学進学の際、日本語学部を選んだ人もいた。 十年後、実際に目にした渡瀬悠宇先生はどこか宝塚を思わせるような雰囲気を漂わせ、若くきれいな女性だった。創作について語っている先生を眺めながら、日本漫画と共に過ごした十代の思い出が一気に蘇り、不思議な感覚を覚えた。 筆者のような「卒業生」も、熱狂中の「現役ファン」も、日本マンガに虹色の夢を見せてもらった外国人読者は多い。これからも、日本の貴重な文化財産であるマンガが常に新しいものを取りいれてリフレッシュし、そして、より広く人々の心に感動を伝えることを願う。 |
「アジアINコミック2004−アジア女流マンガの世界」主催:国際交流基金アジアセンター
セミナーに参加したマンガ家達
左から:Tina Franciscoさん(フィリピン)、渡瀬悠宇さん(日本)、アンズ・ヒザワさん(インドネシア)、朴素熙さん(韓国) |