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文化

文芸社だけではない,制作費の水増し疑惑

松田まゆみ2005/10/27
文芸社の「協力出版」は、全国の書店で販売すると宣伝して著者に本の制作費を負担してもらい、文芸社の本をつくり、文芸社が儲けるという出版形態です。
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 文芸社の「協力出版」は、全国の書店で販売すると宣伝して著者に本の制作費を負担してもらい、文芸社の本をつくり、文芸社が儲けるという出版形態です。著者は1000部の制作費を払いながら、100部がもらえるにすぎません。さらに制作費には利益が加算されているために、文芸社が負担すべき宣伝・販売費用の一部あるいは全部を、実質的には著者が負担しているというものです。そうした制作費の請求方法は水増し請求に当たるのではないかという疑惑が生じます(「文芸社『協力出版』で著者に請求する制作費は正当か?」「それでもあなたは契約しますか?」参照)。

 こうした制作費の疑問は、類似した商法を行なっている他の出版社にも同じようにあてはまります。原稿募集の大きな新聞広告を出している出版社の場合、共同出版などといった名称(まったく異なった名称を使っている会社もあります)で、文芸社の協力出版と同じ方式をとっているところが複数あります(ただし、共同出版という名称を使っている出版形態がすべて同じシステムというわけではありません)。

 このような出版形態でも制作費が実費であり、出版社がきちんと宣伝・販売の費用を全額負担し、販売することによって利益をあげているのであれば、契約上問題があるとは思いません。しかし、多くの場合そうは思えないのです。

 たとえば「自費出版Q&A」(渡辺勝利監修、東京経済)では、共同出版や協力出版といった出版形態では「もともと著者の負担する出版費用だけで出版社は十分利益が上がるシステムになっているということです」と説明しています。

 「よくわかる自費出版の本」(楽田みのり著、イカロス出版)では、共同出版の説明の中で「出版のために著者が支払う費用は製作原価ではなく、自費出版と同額ないしもっと高くつくこともある。つまり、共同出版で出した本が売れなくても、出版社のリスクが小さい(あるいはほとんどない)仕組みになっていることがあるのだ」としています。

 また、この本の中でアンケートに回答している株式会社ウインかもがわは、「出版した本を一定部数販売しなければ(出版者の)経費や利益が出ないというかたちなら文字通りの協力、共同出版だと理解できるが、自分の本を出したいと考える一般の人の本について、どのケースでも利益を出せる出版社が存在するとは考えられない。

 よく言われている協力出版、共同出版の場合、出版社の利益を含む費用を著者が負担していると考えられることが多く、それは自費出版以外の出版形態ではないと判断している」と記述しています。つまり自費出版業者などは、共同・協力出版で著者に請求する制作費は多くの場合、実費ではないと推測しています。

 著者に制作費の実費を請求するなら、出版社は宣伝・販売の費用を全額負担することになります。ですから本を売って宣伝・販売の費用を回収できなければ赤字になってしまいます。しかし応募してくる人の大半は無名の素人です。自費出版の本はほとんど売れないといわれていますから、書店に並べ連合広告を出すだけではほとんど売れないでしょう。
 無名の素人が書いた本を売るためにはかなりの宣伝費用をかける必要があるでしょうし、純益を得るにはかなりの数を売らなければならないでしょう。したがってある程度売れる見込みのあるレベルの高い作品にのみ「共同出版」を推奨し、それ以外の作品には確実に利益の得られる「自費出版(制作請負契約)」を勧めるのが理にかなっています。

 ところが不思議なことに、新聞に大きな広告を出して原稿募集している出版社では、大半の応募者に自費出版ではなく共同出版を推奨しているようです。ホームページを見ると共同出版のメリットなどの説明が前面に出され、企画出版に推奨されなかった場合は通常共同出版を勧めていると思われる出版社が複数あります。

 また自社の共同出版を推奨する内容の本を出している出版社もあり、多くの人に共同出版を勧めていると推測できます。そもそも審査を経て共同出版に選ばれるシステムなのに、推奨本があること自体おかしなことです。

 このような出版社は、全国紙や大手地方紙に大きな広告を頻繁に出せるほど利益を上げています。私には出版社が無名の素人の本の宣伝・販売費用を全額負担し、大きな新聞広告を出せるほどの販売利益が得られるとは考えられません。こうしたことからも、共同出版をしきりに勧める出版社の多くは、出版社の利益を加算した制作費を著者に請求しているのではないかと思われます。

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[12165] 松田様 僕も体験「未遂」者です
名前:三好英明
日時:2005/10/28 06:25
松田様。はじめまして。
僕も文芸社から「共同出版」を提案されたことがあるので、思わず目がとまってしまいました。

具体的な金額は伏せますが、「共同出版」でも高級車が軽く買える金額でした。よって僕は出版を断念しました。

「結局出版社も食べていかなければならないのだから、この金額も仕方ないのかな」と思っていたら…確かにそれでも宣伝するお金があるのはおかしな話ですよね。
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