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文化

文芸社と闘った人(1)

松田まゆみ2005/11/22
文芸社の協力出版はいくつもの疑惑があり、法廷で闘いその記録を公表した二人について、2回にわけて紹介します。
日本 本 NA_テーマ2
 私はこれまで書いてきたように、文芸社の協力出版はいくつもの疑惑があり詐欺商法と考えていますが、そのような商法を多くの人に推奨しているのですから、当然トラブルとなり裁判になった例もあります。文芸社と法廷で闘いその記録を公表した二人について、2回にわけて紹介します。

 高村明子さんは1997年6月に文芸社と協力出版の契約を交わし製作費の一部として116万円を支払いましたが、本ができあがってから用紙が契約と異なる粗悪なものであったことから販売を中止し、抗議しました。その後、支払った116万円の返還と60万円の慰謝料の支払いを求めて本人訴訟で文芸社を提訴し、最高裁まで争いました。高村さんは文芸社の詐欺商法の事実を公表し、今後の被害を食い止めることを目的に、裁判の記録を『泣き寝入りしたくない人のための本人裁判のススメ』(高村明子著、創栄出版発行、星雲社発売)として出版しました。

 高村さんが契約した当時の「協力出版」は、私が契約した2001年とは契約内容がやや異なります。たとえば、私の時は製作費の全額が著者の負担でしたが、高村さんの時は製作費を文芸社と著者の双方で分担するとなっていました。しかし、基本的なスタンスは変わらないようです。

 裁判での高村さんのおもな主張は以下のようなことです。
 
 1、用紙の質が企画市販書籍より劣っていたが、これは書籍仕様に関する見積書の説明とは異なることから契約違反である。

 2、文芸社からの勧誘文書では「著者に製作費の一部を負担してもらう」と説明された。しかし文芸社が裁判で提出した「製作・販売費用内訳」には虚偽請求や不当請求が含まれているため製作費は全額著者負担であり、契約違反である。

 第一審判決では、契約上は争いの事実がないとされて訴えを却下されてしまいました。なぜこのようなことになったのかというと、高村さんは勧誘文書や見積書も契約として理解していたのに対し、裁判官は契約書のみを契約と判断していたためのようです。

 契約書では、「乙は、本著作物の定価、造本、発行部数、増刷の時期、および宣伝・販売の方法を決定する」となっており、見積書に書かれた「仕様は当社企画市販書籍とまったく同じタイプ」という説明がありませんでした。また製作費についは「本著作物の初版発行にあたり、その製作・販売・宣伝に要する費用は甲乙双方の負担とする」となっており、勧誘文書の「著者に製作費の一部を負担してもらう」という説明がありませんでした。

 ですから契約書のみを契約と解釈するのなら、裁判官のいうように契約に反していないということになってしまいます。高村さんは勧誘文書と見積書も契約であることを主張すべきだったのですが、その主張がうまくできず、「争いの事実がない」とされてしまいました。口約束でも契約ですから、裁判官の判断は疑問です。

 その後、控訴審では勧誘文書と見積書の内容も契約として認められました。しかし、紙質については「特段の限定がない」「社会的に著しく不相当と認められない」として、製作費の不当請求については「…厳密な意味での造本費用に限られるものではなく、製作一般に必要な費用をも含むものであって、営業費用の一部を著者が負担することも当然ありうべく…」として却下されました。さらに最高裁への上告も、却下されてしまいました。

 それでは、この契約はほんとうに問題がなかったのでしょうか? 私は決してそのようには考えていません。営業費(人件費や維持・管理費のことか?)が正当であるとしても、高村さんは営業費のほかにも虚偽請求や不当請求があることを主張していました。また高村さんに示した製作費は、実費ではない可能性のあるものです。しかし、高村さんは実費であることを前提と考えていましたから、利益の加算などは疑っていませんでした。このために、裁判では文芸社が提示した製作費が実費であるか否か、実費でなくても正当かといったことについては争われていません。

 さらに文芸社は「原稿整理」をほとんどせず手抜きの編集をしていることが明らかになっています。私の場合も「原稿整理」をほとんどしていませんでした。文芸社は私と契約するだいぶ前から手抜きの編集をして、実際に負担する編集費を少なくしていた疑いがまぬがれません。

 敗訴してしまったことはとても残念ですが、勧誘文書や見積書の説明も契約であることを認めさせたことは大きな意味があります。なぜなら、文芸社は私の契約においても、勧誘文書と契約書の説明を一致させていないからです。契約書を盾に正当性を主張するために、意図的にそうしているとしか思えません。

 また、裁判で「製作費・販売費用内訳」を提示させ、不当な請求が発覚したことも大きな意味がありました。

 高村さんの告発は、敗訴したからといって文芸社が正当だとはいえないことを如実に示しています。
◇ ◇ ◇

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[29836] 憤りをかんじます。
名前:浅野浩二
日時:2007/08/29 21:28
不誠実な人間、ウソで人をだます人には憤りを感じます。良心がないのでしょうね。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~asanokouji
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