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文化

一人一人が行動を〜映画「不都合な真実」アル・ゴア氏

木戸満知子2007/01/17
元米副大統領のアル・ゴア氏の地球温暖化問題への取り組みを追ったドキュメンタリー映画「不都合な真実」の日本公開(20日)を前に、ゴア氏が15日、東京・有楽町朝日ホールで行われた上映会で舞台挨拶した。ゴア氏は「映画を心で受け止め、温暖化問題を解決する一員となってほしい」と呼びかけた。
米国 映画 NA
 元米副大統領のアル・ゴア氏の地球温暖化問題への取り組みを追ったドキュメンタリー映画「不都合な真実」の日本公開(20日)を前に、ゴア氏が15日、東京・有楽町朝日ホールで行われたジャパン・プレミア上映会で舞台挨拶した。ゴア氏は「映画を心で受け止め、温暖化問題を解決する一員となってほしい」と呼びかけた。

一人一人が行動を〜映画「不都合な真実」アル・ゴア氏 | <center>大勢の取材陣に囲まれるゴア氏<br>以下撮影:編集部</center>
大勢の取材陣に囲まれるゴア氏
以下撮影:編集部
一人一人が行動を〜映画「不都合な真実」アル・ゴア氏 | カメラマンの呼びかけに笑顔で応じる
カメラマンの呼びかけに笑顔で応じる
一人一人が行動を〜映画「不都合な真実」アル・ゴア氏 | 司会者としっかり目を合わせ話す
司会者としっかり目を合わせ話す
一人一人が行動を〜映画「不都合な真実」アル・ゴア氏 | <center>「ありがとう」と日本語で挨拶</center>
「ありがとう」と日本語で挨拶
一人一人が行動を〜映画「不都合な真実」アル・ゴア氏 | 温暖化の危険性を真剣な表情で語る
温暖化の危険性を真剣な表情で語る
一人一人が行動を〜映画「不都合な真実」アル・ゴア氏 | <center>「映画を心で受け止めてほしい」</center>
「映画を心で受け止めてほしい」
 「不都合な真実」は、世界各国を飛び回るゴア氏の講演活動を追いながら、具体的なデータとともに地球温暖化対策の必要性を訴える。ゴア氏は学生の頃から環境問題に興味を持ち続け、議会活動・国際会議の場で温暖化対策の必要性を訴えてきた。1992年には著書「地球の掟・文明と環境のバランスを求めて」を発表。2000年の米大統領選でブッシュ大統領に敗北したことを機に、環境問題への取り組みを本格化。世界中で計1000回以上の講演を行っている。

 会場となった同ホールのロビーにはレッド・カーペットが敷かれ、カメラマンや記者など大勢の報道陣が詰め掛けた。そしてゴア氏が登場。「サンキュー・ベリー・マッチ」「あがとう」と、笑顔で手を振りながらカーペットの上を歩いた。「ミスター・ゴア」とカメラマンが呼びかけると、こちらを向いて手を振りポーズをとる。貫禄と威厳が漂い、落ち着きと深みのある声も印象に残った。

 ホールは若者からお年寄りまで、約800人の観客で満席だった。やがて壇上に姿を見せたゴア氏。48年生まれ、もうすぐ還暦とは思えぬほど若々しくしっかりした体躯と笑顔。語り口はユーモアに満ち、やさしく分かりやすく真摯である。舞台挨拶は、通訳の時間を含めて15分位だったが非常に分かりやすく明晰だった。

 司会者が「地球温暖化に関する仕事が、今こんなに大きなものとなっていますが、ご自身の中で使命と思われますか?」と質問したのに対して「私は使命感に燃えています。小さい時に1年の半分を大自然の中で過ごし、残りの半分は都市で過ごすメリハリのある生活をしていました。子供の頃から自然は本当に大切に思っていました。今、自然は危機に直面し、健康状態が悪くなっているわけです」と答えた。

 映画化に同意した理由について「今の政治システムを変えるためには、すべての個人、家族、そして国民にじかに話しかけていくしかない。米国の政府を変えるには、世論を動かすしかないと思ったわけです」と話した。

 さらにゴア氏は、日本語の「危機」という言葉について「英語で“クライシス”という言葉は危機と訳しますが、危険な部分だけを強調していて、“希望”と言う意味が言葉にはありません。日本の“危機”の危は“危険”の危ですが、機は“機会”という意味があります。(環境問題は)人類が直面する大変危険なことですが、大きな機会、チャンスも含まれています」と語った。「現状を悲観するだけではなく、一人ひとりが力を合わせるチャンスととらえ、希望を持ちましょう」と語りかけた。

 また、ゴア氏は「(人類は)多くの技術を持っているが、足りないのは行動する意志です」とも話した。「行動できる意志」は「再生できる資源」であり、「映画を観る時には目と耳だけではなく心で受け止め、問題を解決する一員となってほしい」と、ホールを埋め尽くした観客に語りかけた。「特に日本は、京都議定書のホスト国として、世界に先駆けて環境問題に取り組む姿勢を示したことで、歴史に残ると思います。(京都議定書は)この問題に人類が取り組む転換になったできごとだと思います」とも話した。

 最後に、ゴア氏は「もし子供が熱を出したら、医者に連れて行くでしょう。医者の指示に従うでしょう。今、地球は熱がある状態です。4〜5度高いだけでは感じにくいかもしれませんが、もし体温が36.5度から41.5度になったら、かなり重い変化だと思います。熱を出している地球に対して、科学者が出しているアドバイスを実行していなかければならなりません」と話し、舞台挨拶を締めくくった。

 ゴア氏が「地球温暖化阻止のためには一人一人の意志を持った取り組みが必要であり、その取り組みは再生できる資源だ」と言い切ったことに、私も非常に強い勇気をもらった。「不都合な真実」を観た人たちが、自分の意識を変化させ、行動に移し、波及させていくことが、病んでいる地球を救うための大きな原動力となるよう願いたい。

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「不都合な真実」

監督:デイビス・グッゲンハイム
出演:アル・ゴア

1月20日、TOHOシネマズ六本木ヒルズ・日劇PLEXほかで公開。作品の詳細は公式サイトまで。
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