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憲法誕生の経緯を追う〜映画「日本の青空」

熊木秀夫2007/03/11
 日本国憲法誕生の真相を明らかにする映画「日本の青空」が、3月12日から全国各地で上映される。
日本 映画 NA
 日本国憲法誕生の真相を明らかにする映画「日本の青空」が、3月12日から全国各地で上映される。

 大沢豊監督は「一昨年6月、日本の知性と良心を代表する9人が『平和を求める世界の市民と手をつなぐために、改めて憲法9条を激動する世界に輝かせたい』と訴えたアピールに脳みそをゆさぶられた。7月に開かれた『9条の会』発足記念講演会に出向き、会場を埋め尽くした聴衆の前で切々と9条の大切さを訴える9人の、老いてなお闘志あふれる姿に大きな衝撃をうけた」と語っている。
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「日本の青空」より
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 しかし、映画は完成したものの、製作費2億円がまだ調達できていない。従来の製作者、配給者という枠を取り払い、文字通り両者一丸となって普及活動に取り組み、2億円のうち、多くの市民の協力で1億3000万円(2月28日現在)が集まってはいる。さらなる資金調達を目指すべく、製作委員会は奮闘中だ(詳細は公式サイトを参照)。

 映画は「日本国憲法の原点」を求めて取材を続ける若い取材記者と母親の会話から、憲法学者・鈴木安蔵さんの家族との出会い、彼の業績を見出し、日本国憲法成立の真相に迫る。戦時下の圧迫された状況の中、たゆまぬ研究にいそしむ学者と家族の涙ぐましい生き様は、人々に深い感動と勇気を与えるだろう。

 1926年、治安維持法違反第1号「学連事件」検挙で自主退学した鈴木さんは、憲法学、政治学の研究に没頭。1945年の敗戦とともに、「憲法研究会」の憲法草案要綱を起草するにいたる。研究会には鈴木さんのほか、高野岩三郎、馬場恒吾、杉森孝次郎、森戸辰男、岩淵辰雄,室伏高信さんらがいた。まさに戦後の知性の代表した人たちの真剣な取り組みだった。彼らによる草案がGHQに提出され、日本国憲法の骨格になったことは、現憲法を見れば一目瞭然だ。映画には若き日の大内兵衛(戦後長く東大総長を勤めた)の姿もある。

 当時の政府によって作られた憲法草案は、大日本帝国憲法と基本的には変わりがなく、GHQによってあっさりと突き返された。憲法研究会による草案は英訳され、GHQ案に多大な影響を与えた。

 今、安倍晋三内閣と自民党は、あくまでも日本国憲法を改正して、アメリカと一緒になって戦争のできる日本を作ろうとしている。一方、全国に6000を超える憲法9条を守る会ができて大きな政治勢力になりつつある。「日本の青空」は、それらの活動に参加している人はもちろん、周りにいる人々に何が真実かを伝え、真に平和を求める世界の人々と手を携えていくため、大きな力になることは疑いない。

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「日本の青空」(2007年、日本)

監督:大澤豊
出演:高橋和也、藤谷美紀、田丸麻紀、水野久美、左時枝、岩本多代、加藤剛
   山下洵一郎、真実一路、鹿島信哉、若尾哲平、坂部文昭、中林正智
   児玉謙次、宍戸開、伊藤博幸、谷部央年
  
3月12日、なかのZEROホールほか全国で順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。
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