トップ > 文化 > 平和教育 3つの顔を大切に〜アリシア・カベスード氏の提言
文化

平和教育 3つの顔を大切に〜アリシア・カベスード氏の提言

長岡素彦2007/05/08
「世界1億人署名運動」などを行っている団体が主催する国際セミナーで国連平和大学客員教授のアリシア・カベスード氏が「平和的な教育方法」の重要性について講演をした。
東京 平和 NA_テーマ2
 5月3日・4日、東京代々木のオリンピック記念青少年総合センターで平和の文化をきずく会主催の平和と非暴力の文化に関する国際セミナー「平和の文化とデモクラシー」が開かれた。

 この国際セミナーは平和の文化とデモクラシーをテーマに国連「世界の子どもたちのための平和と非暴力の文化国際10年」の後半にあたり、展望を構想するものとして平和の文化をきずく会によって企画された。

 メインスピーカーのアリシア・カベスード氏は、中南米の歴史から説き起こし、1960年代からの独裁政権下の市民による平和の文化と民主化の教育活動について述べ、1980年代からの民主化時代に平和の文化と民主化の教育活動の進展について語り、現在、中南米の自治体が進めている平和の文化の教育を実例を交えて紹介した。

 アリシア氏は平和の教育を「平和に関する教育」と「平和の文化の教育」、「平和的な教育方法」の3つに分けて、平和の教育は、単に平和に関する教育だけでなく、人権、ジェンダー、環境、民主教育などの平和の文化を築く教育であり、その教育過程での「平和的な教育方法」が重要であると述べた。

 この「平和的な教育方法」とは、平和や暴力、戦争などについて一方的な教え込むような方法の教育ではなく、教えるものと教えられるものがともに学びあう方法を指しており、このセミナーでも、「平和の文化の実現のための教育」や「あたらしい平和学習へのシナリオ」づくりなどのワークショップによる「平和的な教育方法」で進められた。
 
 多様な平和教育があり、また、平和を築くためには教育以外にも多様な方法も存在する。しかし、その方法が強制とか教え込むというような非平和的方法ではおかしなことになる。

 昨今の日本の教育論議では強制するとか教え込むような論調が強まっているが、だからこそ、植民地独立と戦争、民主化の長い経験をもつ中南米の歴史から、今回のように「平和の文化を築く教育」を学ぶ意義は大きい。

 今回の主催の平和の文化をきずく会は、国連がUNESCOを中心に「平和の文化国際年」(2000年)および「世界の子どもたちにのための平和と非暴力の文化国際10年」(2001〜2010年)に取り組むことに共鳴した日本の教育・平和・人権・環境等に関わる個人や団体・組織が、「平和の文化」を研究・創造・普及するために結成したNGOです。(同公式サイトより)

 同会では、今回のようなフォーラムやブックレットの発行(最新刊「きずきあう平和と非暴力の文化」)や「私の平和宣言−世界1億人署名運動」などを行っている。

 この「私の平和宣言−世界1億人署名運動」は、平和の文化国際年の2000年にノーベル平和賞受賞者などが起草した平和を育む文化の内容を6つの柱で表現した「私の平和宣言」を世界の人々ひとりひとりが署名することで平和の文化を世界中の人々に知ってもらい、平和の文化をきずく。

 「私の平和宣言−世界1億人署名運動」はユネスコを中心に取り組まれており、この宣言に世界で7000万人、日本で100万人以上の方々が賛同署名しているが、現在、日本では平和の文化をきずく会が中心となって「世界1億人署名運動」を継続している。

参考
■アリシア・カベスード(Alicia Cabezudo)
 アルゼンチン国立ロザリオ大学、トランセンド大学、国連平和大学客員教授、エルサルバドル大学・ロータリー財団プログラム教授

 平和教育ならびに人権教育を専門とし研究・教育にたずさわり、コンサルタントもつとめる。中南米都市教育研究所長(アルゼンチン・ロザリオ市国際協会)。Human Dignity and Humiliation Studies (HumanDHS)理事。

 国際的に都市における教育活動をすすめる都市教育のプログラムを展開する都市教育協会長をつとめ、民主化と参加型財政など、中南米の自治体での実践にもとりくんでいる。ハーグ平和アピールにもかかわり、ベティ・リアドン氏とともに『戦争をなくすための平和教育』(明石書店)を編纂した。また、2006年に国連総会へ報告された世界の青年による平和活動調査にも尽力された。

平和の文化をきずく会
■私の平和宣言・世界1億人署名運動−インターネット署名
 ユネスコの英文署名サイトから直接署名することも可能となっており、日本の署名は紙ベースで行われているが、下記の日本語署名サイトからも日本語で署名できるようになる予定である。  
ユネスコの英文署名サイト MANIFESTO 2000
日本語署名サイト(準備中)

関連記事:
「平和を築く学び」 マスメディアと開発教育
私たちは大切なことを関東圏「ESD」10年
埼玉で「持続可能な開発のための教育」推進セミナー
戦場のホタルから平和へ 慰霊と鎮魂
9.11BE-IN+WORLD PEACE NOW−選挙も平和も
9月11日 こころよ ここに こないかBe−in2003
ヒロシマ「とうろう流し」から平和のメッセージ
「歴史という神話」を超えて
平和教育 3つの顔を大切に〜アリシア・カベスード氏の提言
アリシア・カベスード氏
平和教育 3つの顔を大切に〜アリシア・カベスード氏の提言
ワークショップの様子
平和教育 3つの顔を大切に〜アリシア・カベスード氏の提言
「あたらしい平和学習へのシナリオ」づくり

ご意見板

この記事についてのご意見をお送りください。
(書込みには会員IDとパスワードが必要です。)

[27811] もう戦争は嫌だという心
名前:宮内秀忠
日時:2007/05/08 23:05
 詩人原民喜は、日本国憲法を見たとき、これでもう人を殺さず、殺されずに済むと思ったそうですが、原爆では殺されませんでしたが、朝鮮戦争が始まったとき、また戦争が始まってしまったとこの国の将来と、自分の将来に絶望し、自らの命を絶ちました。
 武器を持ち、全く縁もゆかりもない他人を殺しに行く戦争。実地訓練になると、国の命令だからと、復興支援だと嘯く名目で、イラク戦争派兵に勇んで参加していく自衛隊隊員たち。
 米軍兵士でさえ、納得していない戦争に、イラク復興支援の名の下に、支援活動をしてきたと胸を張れるのか、彼らは。サマワではきちんと後始末をしてこなかったのか、地権者と新イラク軍との軋轢を生み、真の復興支援になっていなかったからこそ、いまだに日本企業はいつ進出してくるのかという問いかけがなされている。
 自衛隊はいったいイラクで何をしてきたのか。帰還兵の自殺者が、後を絶たないのはなぜ?航空自衛隊の米軍後方支援は、明らかに参戦行為であり、憲法違反だ。
下のリストは、この記事をもとにJanJanのすべての記事の中から「連想検索」した結果10本を表示しています。
もっと見たい場合や、他のサイトでの検索結果もごらんになるには右のボタンをクリックしてください。