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昨今、「早期教育」が大ブームである。概ねそれは、「胎教」、「英語教育」、「高IQ獲得」、「音楽教育」に大別される。「胎教」は他の3つを包括していると言っていい。そして、その主な教育方法は幼少時からのビデオやDVD、CDによる視聴覚教育である。 しかし、それに対して、最近、米国・ワシントン大学教授がその有害性を指摘した。それが、下記のニュースである。 赤ちゃん教育ビデオに効果なし=言語習得遅れる恐れも−米大調査 だが、同様の危険性は既に国内でも2年前に指摘されていた。それが、月刊「プレジデント」(05年7月18日号)の「脳力」革命という、脳科学の特集の中にある、衝撃的な記事である。 本の半ページを使って、大々的に書かれているタイトルは、「わが子の考える力を壊す『テレビと早期教育』」、である。しゃべらない、笑わない、遊べない、恐ろしい子供達が、急増しているという事実に、川崎医科大学小児科医の片岡直樹教授が警鐘を鳴らし、2歳まで我が子にTVを見せるな、と断言している。 片岡氏が、具体例としてあげている部分を引用する。 【この男児は教育熱心な母親の考えで生後2ヶ月の頃から幼児向け英語教材のCDとビデオを毎日繰り返し見せられ、聞かされていた。居間のテレビはつけっぱなしで、テーブルにはアルファベットの文字を切り抜いた知育玩具がいつも置かれていた。】 この結果、この赤ちゃんは「コミュニケーション障害」という、言語の発達の遅れを伴う「精神障害者」になってしまったと言うのだ。そして、そういう赤ちゃんが毎日のように氏の下に連れて来られている、と言う。 国内で、このような危険な「早期教育」を推進している代表的な組織が、「七田チャイルドアカデミー」である。その「早期教育」方法は、同様に、ビデオやDVD、CDを用いて、赤ちゃんや幼児達に意味も無く、その視聴覚刺激をただひたすら見せたり、聞かせたりするものである。 この団体の主催者は七田眞氏であるが、極めて素性の不確かな方である。ニューポート大学教育学博士という肩書きがあるが、同大学は米国の非認定大学(ディプロマ・ミル)である。ディプロマ・ミルに関しては、メアリー加藤記者の一連の「米国大学(院)学位商法の危険性」という連載記事を読まれることを勧める。つまり、その偽の肩書きを利用して、「早期教育」という商売をしているのである。 そのためのアイテムは偽学位だけに留まらない。写真の賞などがそうだが、それらを自身のHPに堂々と掲げ、その教育の正当性を誇示している。しかし、これらの賞は全て、公的に無価値な、疑問のある賞である。そして、肝心の提唱する、「右脳」教育は、脳科学の見地から完全に誤りであるとされている。 参考:脳機能局在論(Wikipedia) しかし、それでもこの団体に入会し、オカルトの似非科学教育を受けようとする親子は後を絶たない。一刻も早く、マスメディアはこういう似非科学教育を生業とする詐欺師達の真の姿に気付いて欲しい。それが、この国の子供達の未来を守ることである。 |