11日の本番終了(写真はすべて、許可を得て筆者撮影)
オーケストラだって野球だって「練習の厳しさ」、「ポジションを巡る競争」があり、それも時には見苦しいほど壮絶な場面があることは明らかだ。
でも、いったい「マスゲーム」とどこが違うのだろう? そんなことを考えながら、AYOを楽しんだ。
AYOは名バイオリニスト(故)ユーディ・メニューイン(メニューヒン)を音楽監督として1990年に香港で活動を開始した。
今回は、アジア10カ国17都市でおこなわれる15才から25才までの応募者約2,000人からの厳しいオーディションに合格した100人の「アジアを代表する若い才能ある音楽家たち」で結成されたオーケストラだ。
初日・10日(日)の会場は、新日本フィルハーモニー交響楽団の本拠地、すみだトリフォニーホール。
客演指揮者: ジェイムス・ジャッド
バイオリンソリスト: エルマー・オリヴェイラ
曲目:
チェン・イー:モメンタム
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
いつもながら、若さあふれる全力奏には圧倒される。他方、ソロ・バイオリンのエルマー・オリヴェイラのピアニシモには息をのむしかない。同氏はポルトガル移民として渡米し、9歳からバイオリンを始める。彼はチャイコフスキー国際コンクールでの金賞を得た初めてで唯一の米国人。舞台を降りて、指揮者とともに写真撮影に応じる氏は気さくで陽気なアメリカ人。
右:客演指揮者: ジェイムス・ジャッド氏、左:バイオリンソリスト:エルマー・オリヴェイラ氏
翌11日(月)は、池袋の東京芸術劇場・大ホールにて。
芸術監督/指揮者: リチャード・パンチャス
チェロソリスト: アリサ・ワイラースタイン
曲目:
バーバー:管弦楽のためのエッセイ第2番
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調
プロコフィエフ:「ロミオとジュリエット」組曲第1番2番より抜粋。
たまたま席が最前列のソリストの目の前で、そこで見、聴くチェロの迫力には圧倒される。まだ25歳というのに、ある時は妖艶さすらにじみ出る風格。彼女は1昨年は、NYP(ニューヨーク・フィルハーモニック)とともに東京公演を行った。
最後に出身国別紹介が行われ、そこでは中国人と台湾人がこだわりなく、チームとして「一つになること=Orchestration・Phil−Harmony」へ努力の姿に、惜しみない拍手が続いた。
例年なら東京公演で、年度の演奏旅行が終了するのだが、今年はこれから中国、台湾でのコンサートが続く。また、来年熱い夏の再来を――。