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文化

「ガラス越しに見せる芸術じゃない」 岡本太郎「明日の神話」が渋谷で公開

黒井孝明2008/11/18
 画家の岡本太郎(1911年〜1996年)が1968年から翌年にかけて制作した壁画「明日の神話」が17日、東京・渋谷駅に直結する「渋谷マークシティ」で一般公開された。
東京 芸術 NA_テーマ2
「ガラス越しに見せる芸術じゃない」 岡本太郎「明日の神話」が渋谷で公開 | 17日公開された岡本太郎作「明日の神話」。都内の小学生らがお披露目の幕を下ろした(東京・渋谷区の渋谷マークシティで17日午後、いずれも山本宏樹撮影)
17日公開された岡本太郎作「明日の神話」。都内の小学生らがお披露目の幕を下ろした(東京・渋谷区の渋谷マークシティで17日午後、いずれも山本宏樹撮影)
 画家の岡本太郎(1911年〜1996年)が1968年から翌年にかけて制作した壁画「明日の神話」が17日、東京・渋谷駅に直結する「渋谷マークシティ」で一般公開された。「ガラス越しに見せるような芸術じゃない」。行方不明から約40年後にようやく発見され、修復や公開のために動いた人々の思いが叶った。

 幅30m、高さ5.5mにも及ぶ巨大壁画が設置されるのは、渋谷マークシティ内の渋谷駅京王井の頭線連絡通路で、1日約30万人の通行者の目に触れる。岡本太郎記念館(東京・青山)の平野暁臣館長は「ふつうの美術館の壁にかかっている油絵を見るのとはまったくちがう。この前に立ってくれさえすれば、誰もが必ずなにかを受けとってくれるはず」と熱っぽく語る。

「ガラス越しに見せる芸術じゃない」 岡本太郎「明日の神話」が渋谷で公開 | 「この前に立ってくれさえすれば、誰もが必ずなにかを受けとってくれるはず」を語る岡本太郎記念館の平野暁臣館長
「この前に立ってくれさえすれば、誰もが必ずなにかを受けとってくれるはず」を語る岡本太郎記念館の平野暁臣館長
 原爆が炸裂する瞬間を描いた「明日の神話」はメキシコ人実業家から依頼を受けて制作されたが、完成後すぐに行方不明に。2003年9月、岡本太郎の養女・敏子さんがメキシコシティ郊外で発見。修復作業を終えた後、2006年7月に東京・汐留で初めて一般公開された。

 恒久設置の候補地としては、ほかに大阪府吹田市、広島県広島市が名乗りをあげていた。渋谷区への招致を運動していたNPO「『明日の神話』招致プロジェクト実行委員会」(現・明日の神話保全継承機構)の小林幹育理事長は公開された壁画を見て「こんなにぴったりな場所はほかにない」と喜びを語った。

「ガラス越しに見せる芸術じゃない」 岡本太郎「明日の神話」が渋谷で公開 | 除幕式で与謝野馨大臣と握手を交わす「明日の神話保全継承機構」の小林幹育理事長。渋谷区への招致運動に尽力した
除幕式で与謝野馨大臣と握手を交わす「明日の神話保全継承機構」の小林幹育理事長。渋谷区への招致運動に尽力した
 17日夕に開かれた除幕式には、小林理事長のほか岡本太郎記念現代芸術振興財団の前理事長だった与謝野馨経済財政担当相も出席し、都内の小学生58名が公開のため幕を下ろすのを見届けた。通行人の77歳の男性は「やっぱり、あっと驚くような感じだね。渋谷は観光客もくるし、みなさんにとっていいことですよ」と壁画を見た感想を述べた。

「ガラス越しに見せる芸術じゃない」 岡本太郎「明日の神話」が渋谷で公開 | 恒久設置場所に決まった渋谷駅井の頭線連絡通路は1日約30万人が通行する
恒久設置場所に決まった渋谷駅井の頭線連絡通路は1日約30万人が通行する
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