麻生首相に苦言を呈した宮崎駿監督(東京・有楽町の日本外国特派員協会で20日、山本宏樹撮影)
スタジオジブリの宮崎駿監督(67)は20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、日本の麻生太郎首相が漫画好きを公言していることの感想を聞かれて、「恥ずかしいことだと思う。それはこっそりやればいいことだ」と話した。漫画好きを公言して一部で熱狂的な支持者を獲得してきた麻生首相だが、アニメ界の巨匠から苦言を呈されてしまった形だ。
講演の様子
宮崎監督はまた、この日の講演で日本社会における子どもの生育環境について持論を展開した。
現在の日本を「潜在的な不安に満ちている社会」と危惧する宮崎監督。「この国が一番やらなければならないことは、内部需要の拡大のときに、橋を造ったり道路を造ったりすることではなく、子どもたちのための環境を整えることだ」と述べた。
スタジオジブリでは、映画製作にあわせて小金井市に企業内保育園を今年4月に設立した。保育園は「部屋の中に階段があったり梯子があったり穴が空いていたり、伝統的な日本の畳や床の間や障子が入っているような不思議な建物」。宮崎監督は保育園で遊ぶ子どもたちの様子を説明した上で、「私たちは子どもの未来を不安に思うよりも、子どもたちの持っている能力に感嘆する毎日になった」と話した。
外国人記者らとの質疑では、自身の作品について考えを明かした。「もののけ姫」(1997年)以降、それ以前と比べて作風が変わったことの理由を「自分の変化もあるが、世界がますます複雑になり、現実の世界を追いかけていくうちに映画も複雑になってしまった」と説明。「ゲド戦記」(2006年)を監督した長男の吾朗氏については「次が試される」。
サインをもとめる取材陣
講演後、宮崎監督に取材陣が殺到した。恒例の名刺交換かと思いきや、「サイン」を求めたり、携帯電話のカメラ機能で監督を撮影し始める取材陣。質問の際に「私の娘がポニョの歌をよくうたっていて……」といった枕がつくなど、外国人記者らも巨匠を相手に興奮気味の様子だった。
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