黒木健二日向市長(右)に大会を説明する実行委員長の那須久司さん(中)(12月2日 日向市役所市長室にて筆者撮影)
宮崎県日向市の日向市役所で12月2日、「お笑い発祥の地・宮崎〜ひむかの国こども落語全国大会」の開催に伴う、黒木健二日向市長への表敬訪問と記者発表が行われた。
NHKの朝の連続ドラマ「ちりとてちん」の影響で、落語がちょっとしたブームになり、iPodに落語を入れて聞く女性が増えたばかりでなく、実際に落語に挑戦する女性も。今年の9月には福井県福井市で「ちりとてちん杯ふくい女性落語大会」が行われ、宮崎県延岡市の柱茶緑(はしら・ちゃろく)こと牧野タツエさん(80)が奨励賞を受賞した。
しかし、こどもの落語全国大会は、まだ行われていない。日向市での全国大会開催までの経過を、手短にお話しよう。
3年前、桂歌春師匠のもとで修行を積んだことがある、日向出身の柱大黒(はしら・だいこく)こと甲斐伸也さん(33)が、日向市文化交流センターで「こども噺家入門」講座を開くことになった。「生まれ育った日向市のために何かをしたいと思っていた矢先、文化交流センターさんから噺家入門講座をお願いしたいのですがというお話があり、お受けしました」と、甲斐さん。そのころから、「いつかはこども落語の全国大会を開催したい」と…。
今年1月12日、これまでの講座の成果を披露する「噺家入門お披露目会」が行われ、9人の小学生が高座に上がった。子どもたちは「寿限無」、「平林」、「たらちね」、「子ほめ」などのおなじみの落語で、会場を笑いに包んだ。詳細は、1月15日付けオーマイニュース「
毎度ばかばかしいお笑いを一席を参照していただきたい
閉講式を兼ねたお披露目会であったが、このままで終わるのはもったいないという関係者や保護者などの声で、6月28日に「ひむかこども落語会」を旗揚げした。落語の芸を磨いていくことで、地域の文化に少しでも貢献していきたいということで、スポーツ少年団のような形で、全国でも珍しい子どもたちによる落語一門を立ち上げての活動が始まった。毎月2回ほどの稽古をこなし、8月30日には、講釈師・日向ひまわり師匠の公演の前座として、高座デビューを果たした。
その後、「子どもたちの交流の場として、全国大会を開催したい」という関係者の思いが、具体的に動き始め、11月17日、第1回の実行委員会が開催された。なぜか私も実行委員に選ばれた。
「落語を愛好する子どもたちが日向に集い、人前で元気に話すことのできる人材を育て、日本の伝統芸能である落語の文化振興のみならず、子どもたち相互の文化的・社会的交流を深め、豊かな人間性を育むこと」が、このこども落語全国大会の目的である。初のこども落語日本一が誕生する。
黒木健二・日向市長への表敬訪問では、実行委員長の那須久司さんや「ひむかこども落語会」の会長で大会本部長の黒木繁人さんらが、全国大会の趣旨を説明した。また、指導者であり大会副本部長の甲斐伸也さんが、子どもたちの稽古の様子を説明。さらに、なぜ宮崎がお笑い発祥の地なのかを話したが、落語調のなめらかなしゃべりに、「それは落語のネタですか」という声が上がり、市長室は笑いに包まれた。落語の大会だけに、明るい表敬訪問となった。
多くの報道陣が集まった(12月2日 日向市役所市長室にて筆者撮影)
さて、「お笑い発祥の地・宮崎〜ひむかの国こども落語全国大会」は、以下の要領で開催される。
○開催日時 2009(平成21)年8月1日(土):予選
8月2日(日):決勝
○会 場 日向市文化交流センター
〒883-0046 宮崎県日向市中町1番31号
○主 催 こども落語全国大会実行委員会
○参加資格 2009年度在学中の小中学生で大会に参加できる方
○応募方法 出場申込書及び事前審査用のテープ類を大会事務局に郵送する。
○審 査 員 桂 歌春(大会会長、真打落語家、社団法人落語芸術協会幹事)
桂 平冶(真打落語家、社団法人落語芸術協会)
笑福亭里光(社団法人落語芸術協会)
【注】審査員は現時点のものであり、変更の可能性があります。
○表 彰 優勝、準優勝、3位、4位(賞状、賞金、記念品等を授与)
○問合せ先 こども落語全国大会事務局
日向市文化交流センター内
〒883-0046 宮崎県日向市中町1番31号 TEL(0982)54-6111
なお、申込方法及び宿泊等の詳細な要項は、近日開設予定の特設ホームページ等で案内することになっている。
この全国大会の会長兼総合プロデュースは、地元日向市出身の真打落語家の桂歌春氏で、名誉会長は、テレビ「笑点」の司会でもおなじみの桂歌丸氏である。今回の記者発表に合わせて、お二方より以下のコメントがおくられた。
記者室で概要を説明をする大会本部長の黒木繁人さん(左)、中央は柱大黒こと甲斐伸也さん、右は実行委員長の那須久司さん(12月2日 日向市役所記者室にて筆者撮影)
ありがたいことに空前の落語ブームといわれています。寄席も連日大入りです。落語は江戸時代より受け継いでいる庶民の文化です。何気ないおしゃべりの中にも、心豊かな洒落やユーモアがあふれています。落語の世界にひたって頂ければ、昨今の暗い世相を忘れ、きっと明るい気持ちになれることを請け負います。
私は日頃、後輩に「後世に落語を残すのも噺家の仕事だが、お客様を残すのも大事な仕事です」といっております。全国の落語好きな小学生、中学生は正に先の長いご贔屓です。私の門弟である桂 歌春のふるさとで、こども落語全国大会が開かれることに大いに期待しています。
この大会はプロの逸材を発掘する大会ではありません。落語を楽しんでもらう大会です。どうか、笑わせようとは思わずに、自分自身が楽しんで高座に上がってください。
また、お客様も温かな気持ちでの応援をお願い致します。
大会名誉会長
社団法人落語芸術協会会長
桂 歌丸
この度、私のふるさと日向市で、第1回目の「ひむかの国こども落語全国大会」が開催されることになりました。私が大会のプロデュースを兼ねた大会会長を拝命いたしました。身に余る光栄です。
私が噺家を志し、家出同然で日向をあとにしてから、早40年になろうとしています。その当時、落語はまだまだ世間に知られていなく、周囲の反対はとても大きいものでした。昨今の落語ブームなど夢にも思いませんでした。大会実行委員のメンバーは、大会に向けて船出をしました。どうぞ、皆様のお力添えをよろしくお願い致します。
落語は大人ばかりではなく、子どもにも分かってもらえる楽しいものです。大会が行われる8月1日、2日の日向市は真夏の陽射しと共に、子どもたちが演じる落語で明るい笑顔があふれることを期待して、全国からのご応募をお待ちしています。どうか、南国・日向市で、いっぱい笑って、夏休みの楽しい思い出を作ってください。
大会会長
社団法人落語芸術協会幹事
桂 歌春
8月1日の予選会終了後には交流会が、翌2日の決勝ではファミリー寄席などの「お笑い」に関するイベントも計画されている。また、日向市最大の夏祭り「日向ひょっとこ夏祭り」も同時期に行われる予定で、ひょっとこ、おかめ、きつねのユーモラスな踊りとこども落語とのコラボレーションで、日向市は明るい笑い声で埋め尽くされることだろう。
天照大神を天岩戸から出すために行われたエンターテイメント発祥の地・宮崎で、日本の伝統芸能である落語を通じて、さまざまな交流を深めていきたいと実行委員会では意気込んでいる。
大会名誉会長の桂歌丸師匠(写真提供:社団法人落語芸術協会)
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大会会長兼総合プロデューサーの桂歌春師匠(写真提供:社団法人落語芸術協会)
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