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「秋葉圧勝」にみる、野党への教訓 |
2007/04/16 |
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8日投票の広島市長選挙で圧勝した前職で私が密着させていただいた、秋葉忠利さん。保守地盤の分厚いとされた広島で、平和主義者で名高い秋葉さんの最大の勝因は、なんだったか?その秋葉さんの勝利をどう野党は教訓として活かすべきか。検証してみたいと思います。
秋葉さんの勝因
まず、なんといっても最大の勝因は、人々の要求に応える経済政策です。生活が苦しい低所得層にも、広島経済活性化を願うインテリ層にも支持されました。
自民党支持層のうちの4割からも得票。右派の方々からも一定程度、「経済政策ならネオコンで鳴らす前参議院議員・柏村さんや、財政赤字を作った元市長らがつく大原さんよりも、そうは言っても、秋葉さんかなあ」ということで、支持されたことを示しています。
秋葉さんは、一方的な緊縮財政でもない、メリハリのある事業の選別で財政を再建しました。一方で、市民病院の24時間開放など、きめ細かい部分での医療・福祉の充実で庶民の要求に応えました。
一方でトップセールスによる経済活性化を行い、実際に部品の注文も取ってきました。そして未来へのビジョンとして、地元経営者とIT活用。IT活用で広島を売り込む人材を育てることを表明しました。具体的実績とビジョンが、思想の左右問わず、支持されました。決して平和都市だから平和主義者の秋葉さんが支持されたという単純な話ではありません。それが証拠に、広島では社民党も共産党も国会に議席はありません。
私が東京で密着した浅野史郎さんも、前回民主党系候補の樋口恵子さんよりは経済政策は良かったと思います(時間もなく、私も含めた支持者が浸透させられなかったことは残念でしたが)。
だから、はっきりと、数字は出ている。浅野さんは樋口さんよりは票を倍増させています。
「人を大事にする経済政策」こそ参院選勝利の鍵
秋葉さんの圧勝は、参院選、そして次期衆院選へ向けた、野党への教訓でもあります。「護憲」などの「イデオロギー」だけでは選挙は戦えない。福祉も単なるばらまきでは支持をえられない。そういうことです。
私は以下のように、考えています。
まず、キーワードは、人を育てる経済への転換です。ご承知のとおり、小泉純一郎さん、石原慎太郎さんらネオコンはいわば、人を非正規雇用や、長時間労働、あるいは管理統制などで使い捨てにする政治をしてきたといえます。そして、人々をバラバラにしました。
その逆をやるのです。今は、企業がグローバリズム(外資による企業買収の恐れ)を口実に、責任を放棄しているのです。その中で、とりあえず、社会全体で人材を育てることをしないといけない。
もちろん、それとともに、アメリカの要求によるグローバリズムに歯止めをかけることを政権をとったら行うことをはっきり示さねばならない。例えば経済財政諮問会議の廃止、三角合併の再禁止、ペイオフ解禁の撤回、時価会計・減損会計の撤回は急務だと思います。「護憲」よりも実は、緊急性を要すると思います。
そして、何より、政府が内需を低迷させるいっぽう、日銀がマネーサプライを増やして、結局、行き場を失ったお金が海外に流出する、と言う今の最悪の経済政策を是正しなければなりません。
この政策による円安で輸出企業は儲かる。が、しかし、円を手に入れた外資による企業買収の恐怖がある。そして企業は儲かっていても、それを口実に高株価維持と称して、労働者を低条件に据え置く。それが、また内需の低迷を招く。
一方余ったお金で私が東京で目撃したように、不動産バブルが起きる。庶民の暮らしは不動産価格高等や円安による輸入品価格高騰で苦しくなると言う最悪の状況を是正することです。
参考:
・日本経済への緊急提言
これらのことについて左翼の方々の見解を寡聞にして伺ったことはない。まさか、経済がむちゃくちゃになれば労働者が立ち上がり、革命がおきる、なんていう「危機待望論」ではないと思いますが。
個人単位のセーフティネットと言う発想の転換
それからセーフティーネットを雇用、医療、教育、介護で張り直すことです。低所得者層になった人への保障も必要だが、そもそも、貧困に陥らないような安全網も必要です。
今までは、男性世帯主に企業が所得を保証することで、家族にもセーフティネットを張ると言うシステムに自民=業界も左翼=組合も乗っかってきた。
しかし、それは、小泉さんのせいで崩壊した。小泉さんは構造改革をした後はセーフティネットを張るといったが、構造改革で経済が低迷し、そして今度は財政危機になったとしてセーフティネットをむしろ悪化させた。そして安倍現総理や稲田朋美衆議院議員、高市早苗国務大臣らネオコン若手女性議員らは、目先を誤魔化すために、観念的なイデオロギーを振り回しているのです。彼ら、彼女らの土俵にのることはない。
個人をくいっぱぐれないようにする新しい日本型社民主義が必要である。そのための具体策を打ち出していかねばならない。個人単位でセーフティネットを張り、リスクを低減する。そのことで、前向きに人生に取り組めるようにするのです。
介護や医療で底なしにお金が懸かる状況を是正し、社会全体でリスクをヘッジする。高齢者を全部経済的弱者としてしまう観がある一部左翼でも、その反動で、全部お金持ちと決め付けて負担増を強いて、若者に溜飲を下げてもらう観があるネオコンでもない、「老若関わらず、豊かな人には応分の負担を頂く。そのかわり、万が一のときのリスクは社会全体でヘッジする」です。
ビジネスの世界では、活動活性化のために、リスクヘッジ商品は当たり前なのですが、それを暮らしにも導入すればよいのです。
高齢者の生活改善のために、年金を増やすという手もある。私は自他認める積極財政主義者です。したがって、社会保障財源は増やすべきと考えています。しかし、年金よりは、実は、佐藤家の経験からしても、国家が同じ金額を使ってくれるにしても、リスクを分散する(万が一介護や医療が必要なときの負担が「読める」状態にする、できれば自己負担をただに近づける)ほうが、却って人々の経済活動も活性化すると愚考します。そういう議論をしていただきたい。
あるいは、たまたま、介護や医療を必要とする家族が出たらそれが他の家族にずっしり掛かってしまう。同居していたら働いていても、サービスが制限されるようでは、逆に同居せずに施設に突っ込めばよいということになりかねないでしょう。
そういう根本的な議論をしていただきたい。
「安倍も左翼もふるくせえ」
「全部自己責任にさせないと人々がやる気をなくし経済が低迷する」などと叫ぶ(ネット上も含む)ネオコンの方々はあまりに無責任です。個人個人にリスクがかかりすぎることは、実は人々の萎縮を招き、却って、よくないのです。
すでに、セーフティネットを破壊してきた日本はこの15年で経済(GDP:OECD調べ)はわずかに1.2倍、男女平等先進国のノルウエーは2.3倍になっている、また、アメリカもクリントン時代は積極財政で経済を回復し、経済を1.5倍にするなど、「ネオコン」は事実において敗れ去っています。
しかし、対抗する側が「**反対」だけでは、不毛ではないでしょうか?
私は、複数の20代、30代の方(反自民無党派ですが)から選挙期間中を通じて「安倍(自公)も左翼(野党)も古くせえ」という主旨の言葉をうかがいました。それは私も実際、同感です。古臭いと言うよりは「現実感覚遊離」というべきかもしれませんが。厳しい言い方ですが、どちらもイデオロギーばかりを振り回す嫌いがあり、組織が強い分、自民党・公明党が結局勝つ、そういう按配でしょう。
左翼は「歌」を忘れよ
私の好きな江田三郎さんの言葉があります。
「固定した、狭いイデオロギーにたって、革命だ、反独占だと叫んで、抵抗だけに終始していることこそ、いきいきとした歌を忘れ、誰も耳を傾けようとしない、ひからびた歌手になり下っているのではないのか。」
参考:
・社会党は“歌”を忘れよ(江田三郎さん「新しい政治をめざして」)
今は、
「固定した、狭いイデオロギーにたって、護憲だ、自民も民主も怪しからんと叫んで、抵抗だけに終始していることこそ、いきいきとした歌を忘れ、誰も耳を傾けようとしない、ひからびた歌手になり下っているのではないのか」
と言い換えられます。
9.11総選挙で亀井静香さんらリベラル派を追放し、「ネオコン」に純化した自民党を倒すのは、大きい組織相手でなかなか難しいことは都知事選で私も実感しました。しかし、広島市長選に見られるように、「不可能」ではないなのです。
「ネオコン」の今の経済政策は合理性を著しく欠くのです。喩えていうなれば、三国志の「夷陵の戦い」での劉備軍の陣形の如しです。問題は、劉備を大敗させた陸遜のような能力を持つ野党の不在です。
参考:
・夷陵の戦い(ウィキペディア)
「護憲」にばかり拘らず、国民の要求にこたえることです。そうでないと「護憲」という目標すらも達成できないのではないか。私は、別に、護憲政党に属しているわけでもなんでもないが、そう心配しています。
(さとうしゅういち)
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・特集:風雲!2007統一地方選挙
・ザ・選挙:JANJAN全国政治家データベース
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