「国政選挙」にも電子投票が行えるように法案を改正することで、自民党、民主党、公明党が合意しました。12月7日、衆議院の委員会で賛成多数で可決され、今国会での成立が確実視されています。施行日は、2008年1月。これにより、来年以降の国政選挙について、電子投票の実施が可能となりました。次期衆院選では、一部の自治体で実施される可能性があります。
電子投票機器。2003年12月からは、期日前投票も電子投票で行えるようになった
電子投票とは、投票用紙による投票に代わって、電子投票機器を用いて、投票することをいいます。選挙のIT化を目指し、2001年、電子投票制度は、公職選挙法の特例法として、「地方選挙」に限定して創設されました。2002年6月、岡山県新見市で電子投票による投票が初めて実施されましたが、現在までに10自冶体、延べ16回しか実施されておらず、広がりをみせていません。その主な理由として、国政選挙では電子投票を行えず、非効率になるためだとされていました。そこで、今回、国政選挙にも拡充したわけです。
銀行のATMと同じような要領で、手で触れるだけで投票完了
総務省によると、今までに実施されたすべての電子投票は、画面上で選出したい候補者名に触って選択する「タッチパネル方式」で行っています。メリットとして、2007年8月大玉村では、電子投票によらず、開票作業した場合は、2時間30分程度かかっていましたが、電子投票では3分で開票が終了し、開票時間が大幅に短縮可能となりました。その他として、疑問票の減少、自書が困難な障害者でも投票しやすい、人件費の節約などが挙げられています。
しかし、国政選挙に拡充したからといって、電子投票が広がらないとの見方があります。電子投票機器が高額であるため、経費がかさむ。また、岐阜県可児市議会選挙において投票システムのトラブルから、選挙無効となり、再選挙が行われるなど、安全面での問題があるためです。
今後も、電子投票をめぐる動きについて注目していきたいと思います。
初めて電子投票が実施された岡山県新見市での投票風景
■ 電子投票の実施状況| 実施年月 | 選挙名 | 電子投票の開票時間 |
| 2002年 6月 | 岡山県新見市(市長・市議選) | 25分 |
| 2003年 2月 | 広島県広島市安芸区(市長選) | 20分 |
| 2003年 4月 | 宮城県白石市(市議選) | 55分 |
| 2003年 7月 | 福井県鯖江市(市議選) | 14分 |
| 2003年 7月 | 岐阜県可児市(市議選) | 13分 |
| 2003年 8月 | 福島県大玉村(村議選) | 16分 |
| 2003年11月 | 神奈川県海老名市(市長・市議選) | (注1) |
| 2004年 1月 | 青森県六戸町(町長選) | 10分 |
| 2004年 2月 | 京都府京都市東山区(市長選) | 13分 |
| 2004年10月 | 岡山県新見市(知事選) | 15分 |
| 2004年10月 | 宮城県白石市(市長選) | 30分 |
| 2004年11月 | 三重県四日市市(市長・市議補選) | 30分 |
| 2005年 6月 | 青森県六戸町(町長選) | 7分 |
| 2007年 4月 | 青森県六戸町(町議選) | 2分 |
| 2007年 4月 | 宮城県白石市(市議選) | 25分 |
| 2007年 8月 | 福島県大玉村(村議選) | 3分 |
(注1)神奈川県海老名市については、衆院選と同日に執行されたため、開票時間の特定ができず
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