早稲田大学マニフェスト研究所では、2005年9月11日に執行された衆議院議員総選挙の開票事務に関する調査を実施し、
開票事務スピードランキングを作成した。
東京都府中市の開票風景
市区のスピード1位は愛媛県東温市の1時間20分
市区のスピードランキングでは、1位の愛媛県東温市が1時間20分(小選挙区、比例代表合算投票総数36,109票)、2位には福島県喜多方市(同42,295票)と高知県土佐清水市(同22,382票)が1時間33分で並んだ。
町村では、北海道神恵内村(同1,682票)と豊頃町(同5,152票)がともに1時間を切り55分で1位、3位の鹿部町(同5,513票)が1時間1分と、ベスト3を北海道が占めた。
都道府県内の自治体の開票所要時間の単純平均で算出した都道府県平均ランキングでは、長野県が1位で2時間9分(対象自治体数79)、2位は秋田県の2時間10分(同22)、3位は福島県が2時間14分(同59)であった。
今回の調査の対象は、全国1907の市区町村で、前回総選挙以降に合併があった場合には、合併後の人口の5割以上を占める自治体を対象とした。そのため、合併後の5割以上の人口を占める合併前の自治体が存在しない68の自治体は対象外にしている。開票所要時間は小選挙区、比例代表いずれか遅い方の終了時間をもとに算出しているが、ほとんどの自治体が比例代表の開票に時間を要している。調査方法としては、各都道府県の選挙管理委員会に資料提供を依頼するかたちをとった。
東京都足立区の開票風景
全国の開票所要時間の平均は2時間53分
全国平均で見ると、全市区町村の平均開票所要時間は2時間53分、市区平均では3時間25分、町村平均は2時間25分。この結果から、全国のほぼ半分の市区町村において、開票作業が投開票日の翌日にまでかかっていることが分かった。
同様の調査を早稲田大学マニフェスト研究所では、2004年7月、2007年7月に実施された参議院議員選挙を対象にも実施しているが、全市区町村の開票所要時間はそれぞれ4時間4分、3時間56分。参議院選挙の開票事務にかかわる所要時間の方が、衆議院議員総選挙に比べ、1時間程度長いという結果がでた。
府中市の視察に全国24の自治体
今年の1月27日、開票事務改革のトップランナーである東京都府中市で市長選挙が実施された。開票事務改善運動が全国に拡がるきっかけとなったのは、この府中市の市長選挙において35分で開票が終了したという記事が2006年4月18日の産経新聞に「コンマ1秒の節約実る」の見出しで掲載されたことによる。今回の開票会場には、東北は福島県いわき市から九州は佐賀県佐賀市まで、全国24の自治体から選挙管理員会の職員などが遠路はるばる視察に訪れたという。
また、1月28日には、北海道の渡島支庁、桧山支庁の選挙管理委員会連合会が合同で、マニフェスト研究所のスタッフを招き、開票事務改善の研修会を開催し、選挙管理委員と選挙管理委員会の職員など80名を超える参加者を集めた。研修会に参加した北海道南西端の離島奥尻町の選挙管理委員会からは、後日熱心な問い合わせのメールもあった。もう既に次期衆議院総選挙へ向けた熱い戦いがスタートしている。
広島県三次市の開票風景
開票時間の数値目標をマニフェスト
開票事務改善のポイントの一つは、明確な開票時間の数値目標を掲げ、それをマニフェストすることである。今回の調査の結果、トップランナーである府中市の開票所要時間1時間54分。開票作業を2時間以内に終えた市区が全国で18自治体あることからも、意欲的な自治体の目標数値は、2時間以内となるのではないか。
次回の総選挙に向けて、今回のこの調査結果を参考に、積極的な数値目標を掲げ、そのマニフェストを実現するための実行体制を開票リハーサルなどを通して構築する多くの自治体がでてくることを期待したい。
早稲田大学マニフェスト研究所 佐藤淳
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