主要政党が独自候補を立てず、自主投票する形になった岡山県知事選が26日、投開票され、現職の石井正弘氏(62)が当選し4選を果たした。新人で桃太郎のからくり博物館館長の住宅正人氏(44)が挑んだが及ばなかった。県選挙管理委員会の発表によると投票率は43.78%で前回を約6%上回った。財政改革や「倉敷チボリ公園」をめぐって議会と知事が対立する時期も見られたが、石井氏は自民党支持層や県内の諸団体の支持を手堅くまとめた模様だ。
インタビューに答える石井氏(NHKテレビから)
NHKニュースによると、石井氏は「将来にツケを回さない、借金に頼らない財政運営をする。財政の構造改革をしっかり成し遂げていくのが私の政策の柱だ。これを成し遂げた上で、岡山県の明るい未来、安全安心の岡山を作っていく、医療、福祉の先進県、教育に力を入れていきたい」と次期への抱負を語った。マニフェストでも「財政構造の抜本的な改革に向けて全力で取り組んでいるところ。県財政を立て直し、行財政改革の総仕上げを行うことが、今の私に課せられた使命であると考えている」と表明していた。
今回選挙では、3期を務めた石井氏の多選について政党の一部から問題視する声があがっていた。石井氏が任期中に一貫して取り組んできた行財政改革だが、県財政は約400億円の収支不足を抱え、今後も毎年度400億円前後の財源不足が生じ、財政再建団体に転落の危機に見舞われている。今年6月には石井氏が「岡山県財政危機宣言」を出しさらなる財政改革に取り組んでいるが、打ち出した「岡山県財政構造改革プラン(素案)」について、「山陽新聞」9月27日の記事によると、議会の主要政党が共同で、市町村や関係団体の意見を尊重し、職員給与削減などについて配慮する共同宣言を知事に提出していたという。財政改革をめぐって議会や市町村と石井氏の間にミゾが生じていたことがうかがえる。
財政再建に引き続き取り組むことになる岡山県(県庁)
また、今年いっぱいで閉園されることが決まった倉敷チボリ公園をめぐり、議会や地元の倉敷市との間で方針の相違があった。県の第3セクター方式で運営されている公園だが、県が力を入れてきた観光産業活性化の起爆剤として期待されたものの、採算ベースに乗せることができなかった。日本経済新聞の報道によると、有識者による委員会で「『公園としての公共性と、テーマパークとしての収益性を両立しようとすることに無理があった。アトラクションなど娯楽の部分は独立採算で運営してもよかった』などの意見が出た」(10月1日配信分)としている。
しかし、対抗した住宅氏は政治家としての実績に欠け、石井氏の財政改革案の撤回を求めて追い上げたものの幅広い支持を得られなかったようだ。財界は住宅氏寄りだったが、自主投票して政党の組織票を吸収できなかったのではないだろうか。県民の中にあった変革を求める気運も盛り上がらなかった。総選挙が取りざたされている状況だが、政党色の薄い今回選挙は地域の投票行動を占う材料にはならないだろう。
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岡山県知事選、現職と異色新人の一騎打ちか