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9月2日、埼玉県知事選挙で当選した上田清司知事は自宅のある志木市内からバスに乗り、さいたま市の県庁まで初登庁した。 選挙前の8月12日、上田清司氏は県庁で記者会見し27項目からなるマニフェストを発表した。マニフェストの主な内容は「財政再建」、「知事給与(賞与)退職金の2割カット」、「知事は県と取引のある企業の献金は受け取らない」などとなっていた。 当選翌日の9月1日、県庁での記者会見の席上で、上田氏は「政治の主導を官から民へ」と主張し、利害を超えて応援してくれた人に感謝を述べた。しかし、新聞等の報道によれば、その日から上田清司事務所に当選祝いを持って他候補支持の土建業者や首長などが多数押し掛けたという。 マニフェストを掲げても利権政治の根は深く、従来の利権を求める層には何の意味も持たなかったのかもしれない。 同じくマニフェストを掲げ神奈川県知事選で初当選した松沢成文知事の場合、マニフェストでは「住民基本台帳ネットワークの制度廃止を含む見直し」を掲げたにも関わらず、「就任後の離脱は困難と解釈した」という理由で6月県議会で「容認」に転じた。 このような現実を考えるとマニフェストをチェックしていく市民の役割は非常に重要である、と言えよう。 なお、今回の選挙では、掲げられたマニフェストを吟味するだけでなく、市民やNPOが候補者に積極的に問いかけをしていた。 任意団体「埼玉・こどもねっと」は埼玉県知事選候補者6名に「子ども関係の施策」を中心とする質問をして、全候補者より回答を貰っている。また、さいたまNPOセンターも「NPO施策の立案」として基本的なNPOについての考え方を問うような15項目の質問をして回答を貰った。 市民によるマニフェストのチェックに加え、普通の市民やNPOの幅広い問いかけが、今後の新しい政治の行方を左右するのではないか。 さて、上田清司知事のマニフェストで特徴的であったのは、「すぐに実行する政策」、「1年以内に実行する政策」、「任期中に実行する政策」と政策実行期間を設けたことだ。 そこではマニフェストにある「住基ネットの廃止を含めた見直し」「保育所の待機児童をゼロにする」「知事は県と取引のある企業の献金は受け取らない」などの項目を、今後起こりうる多くの困難を乗り越えて「期間内に」実施することを明言している。 こうした知事のマニフェストに加え、選挙の際に受け取った「回答」から、より多くの市民やNPOが知事の政治をチェックすることになるだろう。市民団体やNPOが個別に得た「回答」を一つにまとめようとする動きも出始めている。 政治家がマニフェストを「ただの公約」として反古にするのか、新しい政治を市民やNPOと作り上げていくのか、見定めるのはこれからである。 |