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日本 福祉 私はこう思う
また飛び出した「弱いものいじめ」生活保護大幅削減案が浮上
2006/06/26

 厚生労働省が、憲法25条で保障されている国民の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を守る生活保護制度について、年間500億円を削減する方針を固めたという(朝日新聞6月25日付)。不正に大もうけしている大企業、消費者金融、銀行への締め付けには及び腰のくせに、抵抗する術を持たない弱者を徹底していじめ抜く政府の姿勢がまた浮き彫りになった。

 生活保護費を含む社会保障費の削減は小泉内閣の「目玉」の一つだが、何をやるかと言えばこうした弱いものいじめというわけだ。生活保護受給は、この10年間で約1.6倍になり、昨年度は100万世帯を超える勢い。生活保護は「水際作戦」といって役所がなるべく申請させないように窓口で申請書すら渡さない“不正”を行っているにも関わらず、これだけの世帯に受給の必要があるほど、国民の生活は追い詰められているのだ。

 今回の削減は、1・一人親世帯の母子加算の支給要件見直し 2・持ち家に住みつつ受給している高齢世帯に土地建物を担保にさせる(リバースモゲージ) 3・支給の目安となる基準額の引き下げ−に重点的に取り組むとしている。

 だが、母子家庭の場合はドメスティック・バイオレンス(DV)被害からの救済のためや、就労面での社会差別で受給しているケースが多いし、高齢者世帯に土地建物を担保に差し出させるなどというのは悪質なヤミ金なみの暴挙だ。基準額も大都市の単身世帯で8万円程度で、物価の高い日本ではむしろ低すぎる。こんな状況で削減などという論理は成り立たないはずである。

 生活保護制度が今のままでいいと言っているわけではない。削減できる部分は数多くある。先ず収入があるにも関わらず申告をしない場合や、ホームレスの人に受給させてピンハネする「不正受給」に目を光らせるべきだ。また、就労能力のある暴力団員が不正に受給しているのに行政が及び腰で不公平感を助長していることもある。生活保護を受けているのに連日、パチンコ店に入り浸ってギャンブル三昧、高級車を乗り回すようなことを許しているようでは社会のコンセンサスを得られまい。暴力団員でも生活に瀕しているなら警察の協力を得て、絶縁・破門の状態になってから受給の可能性を探ってはどうか。不正受給に対して厳しい態度で臨めば、百億円程度は削減できるはずだ。また、全国の自治体職員が生活保護費を着服して摘発されているような状態では国民の怒りを買うだけだ。

 北九州市では生活が困窮して生活保護申請をしたにも関わらず、窓口で突っぱねられ、挙句に男性が孤独死したことが問題になっている。社会福祉事務所や支援の窓口ではなるべく生活保護の申請をさせないという、とんでもない人権侵害が常態化している。その結果、絶望して犯罪に走ったり、自殺したケースも見られた。職員は相談者の話に真摯に耳を傾け保護の是非を判断しなければならない。

 大企業が派遣労働者を酷使して巨額の利益を上げ、消費者金融は数パーセントで資金を調達し数十パーセントで貸し付け暴利をむさぼり続けている。銀行は預金金利を「超低金利」にして時間外の引き出しや預け入れにまで手数料を取って、こちらも暴利をむさぼる。この春には住民税をめぐって、「公的年金等控除の縮小」「老年者控除の廃止」「高齢者の住民税の非課税限度額の廃止」の“三点セット”が重なり、高齢者世帯が大幅な増税を強いられ、死活問題となっている。

 こんなむちゃくちゃなことを野放しにしておきながら、わずかな金額で生計を営んでいる生活保護世帯をいじめるようなことは許されない。

(山本ケイ)

ホームレスの常態化は格差社会の象徴だ(写真と本文は直接、関連はありません)。 撮影=山本ケイ
















ご意見板

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[20390] 総合的な判断が必要では
名前:山本ケイ
日時:2006/07/26 22:44
確かに根拠はあったかも知れませんが、それは絶対的な却下の要件にはなりません。秋田の件では稼働能力が問われたようですが、医師は社会の雇用情勢に通じているわけではないので、診察室での診察に基づき判断した可能性があります。


しかし稼働能力がそんな世間知らずの医師の診断書に左右されるようでは制度を適正に運用いているとは言えません。生活保護を適用する他の3要件である資産の活用、扶養の可能性、他法の活用の可否も含めて総合的に判断すべきです。秋田の件は能力を活用していない、との判断で却下されたようですが、こんなことをしているから悲劇が起こるのです。
[20384] 医師の診断があったようです
名前:森田鉄平
日時:2006/07/26 16:32
秋田・男性練炭自殺:生活保護費申請2度も却下 「男性は抗議自殺」
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/akita/news/20060726ddlk05040320000c.html
(毎日新聞 2006/07/26)


昨日書き込みしました秋田の事件ですが、「睡眠障害はあるが、働けないわけではない」とする医師の診断があったようです。


人が一人自殺に追い込まれているのは事実なので、やはり役所の対応には疑問が残ります。


ただ「役所の判断に根拠が無かったのでは」とする、一方的な決め付けのような自分の書き込みは反省したいと思います。


申し訳ありませんでした。
[20377] コメントは記事とは異なると考えます。
名前:山本ケイ
日時:2006/07/26 09:35
杜様
はじめまして。
ご指摘ありがとうございます。


著作物の引用に関しては著作権法により概略、以下のような規定があります。
@自分の著作物の中に他人の著作物を利用する時は、引用される部分が「従」で自ら作成する著作物が「主」でなければならないA引用は、カギカッコを付けるなどして引用文であることが明確に区分されること。


 それで私のメッセージが論文とか記事ではないと判断しています。また、もしこれが私の記事と判断される場合は、ここでの掲載記事が本編であってコメントは「従」であるので引用の範囲を超えていないと考えます。さらに、カギカッコで引用部分を区別し、出所も明示しているので著作権法上の問題はクリアしていると判断しました。


 もう一つ言わせていただくと、朝日の記事は記者クラブを基盤にしたいわゆる何月何日誰それが何をした、というストレートニュースの類で、この場合は自由に引用してもいいはずです。著作権法上で保護されるべきは連載や評論や解説の類なのではないでしょうか(この点については新聞社は異論はあるのでしょうが)。そのニュースソースの入手法はわれわれ市民の代わりに新聞社が国民の知る権利を元に役所に部屋を提供させて、情報を仕入れているわけですから、市民はそれを利用して自らの情報発信に使う権利はあると思うのです。


 リンクにしなかったのは緊急かつ速やかにみなさんにこの件をお伝えしたかったからです。


 まわりくどくなりましたが、以上のような点を総合的に判断して、記事を引用しました。
[20375] 山本様、自重ください
名前:杜慶史
日時:2006/07/26 09:04
山本様

はじめまして。
山本様のコメントでは、引用の範囲を明らかに越えています(グレーですらありません)。
目的(情報発信)のためならば手段を選ばない(違法活動)と取られなくもありません。
そう言う場合は、リンクのみに止めることが良いと思います。
自重ください。
[20374] また職員が生活保護費着服
名前:山本ケイ
日時:2006/07/26 08:48
(編集部としては、引用の仕方に問題があったと考えますので、記述の一部を修正しました)
(編集部は、ご意見板に書かれたコメントの一つ一つを市民記者の著作と考えています)



朝日新聞サイトでの報道です。


生活保護世帯の492万円着服 元京都市職員
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200607250183.html
[20363] 腐敗する窓口
名前:山本ケイ
日時:2006/07/25 23:43
相談に来て申請の希望があれば申請書は渡さなくてはいけないはずです。しかし、現実は相談室に通され、まるで尋問のようにあれこれ問い詰められ、それで申請の意志すらなくなってしまうのです。それもこれも社会保障費の削減のもと、現内閣・政府が弱い部分を狙って削減しているからです。


ようやくマスコミもこうした矛盾に目を向けるようになりました。生活保護は誰もが陥る可能性のある経済苦、生活苦を救うセーフティネットです。成熟した民主主義社会の証としても制度の公正な運用を強く求めます。
[20349] 保護申請の却下に根拠はあるのでしょうか
名前:森田鉄平
日時:2006/07/25 13:28
これが全てとはいいませんが、生活保護費の削減に“懸命に”取り組んでいる役所は多いのでは?


「秋田市役所駐車場で男性が練炭自殺/生活保護却下され?」
http://www.sakigake.jp/servlet/SKNEWS.News.kiji?InputKIJICODE=20060725b
(秋田魁新報社 2006/07/25)


「生活保護受けられず自殺か 友人に「福祉良くしたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060725-00000059-kyodo-soci
(YAHOO! 社会ニュース 2006/07/25)


睡眠障害で仕事に就けない男性の生活保護申請を「就業可能」として却下していたようです。
秋田市役所保護課は、何を根拠として「就業可能」と判断したのでしょうか。


明確な根拠が無かったとすれば、こうした犠牲者は後を絶たないと思います。
[19686] 水際作戦の非人道さ
名前:山本ケイ
日時:2006/06/28 03:00
ネット上の百科辞典「ウィキペディア(Wikipedia)」に「水際作戦」について私が見聞したことと、ほぼ同様の解説がされているので以下に紹介します。

<水際作戦とは、申請の受付窓口である福祉事務所が申請書を交付しないと言う問題である。生活保護扶助費用の1/4および現業員の給与が自治体予算からの支出となるため、財政状況が厳しい自治体に強く見受けられる。

福祉事務所においては、生活相談に来た人に対し、他法優先の制度の趣旨説明の他に就労の可不可、扶養義務者の扶養義務などを説明し、生活保護申請書をなるべく交付しないと言う物である。いよいよの制度とわかっていて相談に来た相談者を一別してしまうことで申請自体を断念させている状態が多い。申請主義の本制度においては、そもそも申請書すら交付しないという、申請の水際で防ごうとする水際作戦が多くの福祉事務所で実施されている。申請後、受給審査をするべきであるが、審査の際に行なわれるべき扶養義務者への照会や資産調査に対する強制力が法に規定されていないため、実質的に自治体の審査能力がほぼ皆無である状況が作られている点も見逃せない。>

[19680] 運用の実態が不透明
名前:森田鉄平
日時:2006/06/27 18:49
澤崎様
ご回答ありがとうございます。私も調べてみました。

福祉事務所の職員の方々には、法に則った仕事をして頂きたい。
こんな当たり前のことを願わずにはいられません。

>生活保護の額は厚生労働大臣が決めることになっています。国会の審議なく決まってしまうということは、与党の胸先三寸で決めることもできるわけですね。

123号通知だって法律ではないですから、国会の審議など必要ないはず。こうして出された通知が、福祉事務所の現場レベルでは、生活保護法や憲法25条よりも大きな効力をもっているようです。

123号通知の文面を見てみたいと思い、厚生労働省に電話で問い合わせてみたところ、各自治体の福祉事務所に「法令・通知集」なるものが置かれていて閲覧ができるとのこと。
あるいは情報公開の請求をすれば、厚労省も応じるそうです。厚労省HPの法令データベースには載っていませんでした。

支給額の決定といい、申請手続きといい、それらの根拠といい、不透明な制度ですね。
制度というよりも、むしろ運用の実態が不透明です。

ネットでも少し調べてみました。

生活保護争訟の歴史(全国生活保護裁判連絡会)
http://www7.ocn.ne.jp/~seiho/rekisi.htm

このHPによると、91年の福岡市のケース(中島訴訟)では、生活保護を受給していた家庭が、娘を高校に進学させるためにと貯金していたところ、福祉事務所から生活費に充てるべきだとされ、支給額が減額された事例などが載っています。この家庭は訴訟を起こし、04年に最高裁で勝訴したようですが、地裁の審理中にお父様は亡くなられたそうです。

Q&A 生活保護編(自立生活サポートセンター もやい)
http://www.moyai.net/t-seiho.html

ホームレスの支援団体のHPですね。部分的に引用すると、

「申請を受けると職員はあなたの調査をし、期限内(2週間以内)に文書を作って通知しなければならない法的な義務が生じるから…いざ申請に行っても「相談」と称して結局言いくるめられてしまいます。…余計な皮肉を言われたりして、2度と福祉事務所には近づきたくなくなる人もいます。」

本当に福祉事務所の対応は、こんなに酷いものなのでしょうか?
たしかに不正受給を防ぐことは必要でしょう。しかし申請者に申請書を渡さなかったり、皮肉を言ったり、言いくるめたりして追い返してしまう。極力申請させない。そんな対応が常態化しているようです。

切り捨てられる生活保護費申請窓口現場が抱える矛盾(かけはし2006.3.27号)
http://www.jrcl.net/web/frame060327c.html

ここには、暴力団員の不正受給を防ぐために威かく的な窓口対応が行われていることなどが書かれています。
しかし「福祉事務所が不当な対応をしているいう批判の前に、福祉事務所の職員の待遇改善が求められる。」とも述べられています。職員の側に「最低生活すら送れず精神的に追い詰められた相談者を受け入れなければならないという不安感、圧迫感」が高まっているといいます。

福祉事務所の職員の方々は、申請を断りたいのか、断らざるを得ないのか?
ぜひ役所の方の生の声を聞いてみたいものです。もしこの記事(と掲示板)を読んでいる方がいたら、発言して頂きたいです。
[19678] 最低賃金
名前:澤崎一幸
日時:2006/06/27 17:03
ちょうどタイムリーにも、こんな記事を発見しました。

 http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/aomori/news/20060627ddlk02020045000c.html

 実は日本の最低賃金というのは、いい加減なことに生活保護との整合性がなく(厚生省と労働省との合併前から変わっていない)、生活保護の額より最低賃金のほうが低いことも起きたりします。その最低賃金がこのザマです。
 それでいて、生活保護の額は厚生労働大臣が決めることになっています。国会の審議なく決まってしまうということは、与党の胸先三寸で決めることもできるわけですね。