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今年5月、新たな会社法が施行されました。来年5月から、これまで国内企業にだけ認められていた「三角合併」が、外国企業による日本企業の買収に対しても解禁されます。株式の時価総額の高い外国企業に圧倒的に有利で、いわゆる「敵対的買収」の標的となる日本の企業にとっては大変な脅威です。 この制度は、さすがに政府・与党もいきなり導入するわけにはいかず、防衛策を講じるための準備期間を設けざるを得なかったのです。しかし、資金力のある企業であれば、ある程度の防衛策は準備できるかもしれませんが、他の多くの企業にとっては「品定め」をされる期間に過ぎません。政府による条件整備のため、来年5月以降、外資による日本企業の買収が活発化することが予想されます。 税制面でも企業買収をバックアップ 政府による、買収促進の条件整備はこれだけではありません。税制調査会は12月9日、買収の際の株式のやり取りへの課税の見直しや、移転価格税制についての納税猶予期間の導入などを行う方針を固めました。政府は税制面でも、企業買収の条件を整え、全面的にバックアップする構えです。 外資による日本企業の買収をこれほどまで推進することで、政府・与党は何を目ざしているのでしょうか。それは今回の政治資金規正法の改定内容を見れば分かります。 外資の献金目あての「日本企業の叩き売り」 政党やその資金管理団体は、企業や団体からの政治献金を受け取ることができます。しかしこれまで、外資の持ち株比率が50%以上の企業からの献金は受け取ることはできませんでした。企業であれ個人であれ、外国から金を受け取ることは政治への干渉を招く恐れがありますので、妥当な規制だと言えます。 ところが今回、自民党の加藤勝信議員らが議員立法として提出した改定案は、日本で株式上場していれば、外資の持ち株比率が50%を超える企業、すなわち外資の支配下にある企業からの献金も受け取れるようにする緩和策です。 こうした会社法制定以後の一連の動きは、外資からの政治献金を見込んだ「日本企業の叩き売り」にほかなりません。外資が日本企業を買収しやすくする、税制面でもその条件整備を行う、そして見返りとして外資から献金を受け取るというカラクリです。しかも今回の場合の「外資」は米国に限ったことではありません。中国やイスラエルなどを含めたあらゆる国の企業も同じ条件です。 「売国奴」的な法案 05年の郵政民営化についても、いわゆる「ハゲタカファンド」が後押しする米国政府からの「郵貯・簡保を市場に開放せよ」「貯蓄を投資にまわせ」という要求に応えるもの、と指摘されてきました。そうした本質は、当時の「連合」会長だった笹森清氏の次の言葉に凝縮されています。 「貯金は外国に渡さない。『売国奴』的な法案に誰が賛成するか。」 今回の法改定を見て、笹森前会長はこう言うかもしれません。 「日本の企業は外資に渡さない。『売国奴』的な法案に誰が賛成するか。」 しかし、郵政民営化以上に「売国奴」的と言える今回の法改定案は、民主党も賛成にまわったために成立が確実視されています。 「拝金主義」を批判し「愛国」を語る資格があるのか 自民党のホームページには「教育基本法改正Q&A」がありますが、設問の第一は 「今、教育基本法を改正するのは、何故ですか」。答えの中に次の理由が挙げられていました。 「ライブドアの決算粉飾事件や耐震偽装建築問題に代表される拝金主義やルール無視の自己中心主義が、日本社会や日本人の意識の中に根深くはびこり、日本の将来を危うくする事態に陥っています」 では、ライブドア社の社長だった人物を、昨年の総選挙で幹事長や閣僚まで応援に派遣し、あれだけ持ち上げたのはどこの政党だったでしょうか。「耐震偽装」をめぐってヒューザー社の社長を国土交通省に引き合わせていたのはどこの政党の議員だったでしょうか。何より、数々の収賄・汚職事件を引き起こしてきた「拝金主義」が「根深くはびこり」過ぎて、「ルール無視の自己中心主義」に走っているのはどこの政党でしょうか。「日本の将来を危うくする事態」を作り出しているのは、まさに彼ら自身だと言わなければなりません。 日本の企業を外資に売って金儲けをするような「売国奴」的な「拝金主義」政党が、自分たちのことを棚に上げるだけでなく、それを教育のせいにして「愛国」を語る、これほどの矛盾がどこにあるでしょうか。 |