
近藤正道・参院議員(社民党)">
松岡医務課長らが肛門虐待などの不適切な医療行為を行ったとされる
徳島刑務所。11月16日には、小暴動(抗議)とされる事態も発生した。一連の問題について、
特定非営利活動法人(NPO法人)監獄人権センター(CPR)は4日、参議院議員会館で緊急の記者会見を行った。
記者会見には、
松浦大悟、
福島瑞穂、
保坂展人、
近藤正道氏ら衆参国会議員本人や、
松野信夫、
川田龍平、
千葉景子・各議員の秘書が参加、関心の高さをうかがわせた。
虐待問題の徹底した真相究明を
11月29日に、参議院・法務委員会で徳島刑務所の問題を質問した近藤正道議員は、「80名もの受刑者が虐待の被害を訴えていて大変な事態となっている。国会答弁で法務省は『医療行為』と主張、肛門診療については同意をとっているとしている。
しかし、被害の訴えは『肛門診療に同意しなければ、医療行為そのものもなされない』などとする。このような事態は、徹底して真相究明されなければならない。不祥事の幕引きを許さない。
11月16日に起きたとされる小暴動も、医療体制への不服があったのではないか。虐待被害の訴えは、無期刑受刑者や、身寄りのない受刑者からなされており、抵抗のできない人に密室で行われた人権侵害として深刻な問題だ」と指摘した。
絶食の強制や医療の放棄
松岡医務課長らに関しては「必要のない肛門診療を強制され、傷を負った」「絶食を強制された」「減食を強制された」「薬を出してもらえなかった」「体中をつねられた」「C型肝炎を放置された」「糖尿病を放置された」などの虐待が明らかになっている。
ノロウイルスの集団感染と思われる事態を放置したり、重篤な糖尿病患者を虐待して肺炎をおこさせ抗議の自殺を招いたケースもある。自殺者1名の他に、病死者もすでに7名出ている。監獄人権センターに寄せられた被害の報告は、集計の終わったものだけで100名分となった。
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http://www.jca.apc.org/cpr/2007/tokushima-gaiyo.html
監獄人権センターの海渡雄一・事務局長(弁護士)は「松岡医師は、虐待を刑か何かと誤解しているのではないか。医療を行うべき局面で、放棄したり、懲罰のような虐待を行ってしまっている」と指摘、「法務省は医療行為などとしているが、真相はどうなのか。徹底して真相を究明することで、問題の多い日本の刑務所の医療改革につなげるべきだ」と語った。
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http://www.jca.apc.org/cpr/2007/tokushima.html
監獄人権センターに寄せられた手紙の一部
19世紀のロシアなみ
イギリスやフランスの刑務所では、所内の医療は日本の厚生労働省にあたる部門が所管しているが、日本では新設の美祢刑務所で予定されているだけだ。日本の刑務所は、医療部門も法務省が管轄し、受刑者は健康保険の適用も受けられない。医師も深刻に不足している。
高齢の無期懲役囚など、ガン、肝炎、糖尿病、高血圧などの診療を受けられず、ために所内で死亡するケースも多いという。菊田幸一・監獄人権センター副代表(弁護士・明治大学名誉教授)は、4日の会見で「日本の刑務所の現状は、ドストエフスキーの『死の家の記録』に出てくる、19世紀ロシアのそれとほとんど変わらない」と批判した。
刑務所医療の改善を
法務省矯正局・高松矯正管区は、事態の沈静化をねらうかのように、11月17日以後、暴動(抗議)に加わった受刑者だけでなく、松岡医務局長の医療に不服を唱えてきた人物を、他の刑務所に移送した。
虐待を受けた受刑者、目撃した受刑者は、現在、医務課長を
特別公務員暴行陵虐などの容疑で、弁護士を通じて、徳島地検に刑事告訴(被害者本人)・告発(目撃証言)する準備を進めている。監獄人権センターに関わり、徳島刑務所の受刑者とたびたび面会している村上一也・弁護士は、16日に起きた暴動とされる抗議について「原因は、松岡医務課長を告発してきた中心人物の隔離にある」と指摘した。
日本の刑務所は、2002年に発覚した名古屋刑務所の一連の事件を機に、過去10年分の死亡例をすべて国会に資料提出した。監獄法が改正され、あらたな「刑事施設・受刑者処遇法」制定につながった。新法では、刑務所ごとに視察委員会が設けられた。徳島刑務所に関して、視察委員会への受刑者の訴えの約8割は、問題とされる松岡医務課長に関するものだ。
監獄人権センターや日本弁護士連合会(日弁連)が指摘するように、日本の刑務所が抱えている深刻な問題の一つが、保安と医療を分離せず、深刻な医師不足などを招いていることだ。刑務所医療を厚生行政に移管することで、刑務所の医師不足や、受刑者の不十分な医療の問題は解消する、と関係者は強く訴えている。
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