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前回記事:「冬柴不況」到来!! 改正建築基準法の影響とその背景(その1) 冬柴鐵三国土交通大臣と国土交通省は構造計算書偽装(耐震偽装)問題を意図的に姉歯事件など民間の業者と民間確認検査機関が起こしたものとして扱っている。しかし、社会的責任と数の多さからより重大なのは、都市再生機構(旧住宅・都市整備公団)の耐震偽装である。 国交省のホームページには姉歯元建築士が関わっている耐震偽装物件として1997年から2004年までの20棟が挙げてある(資料1)。 機構の耐震偽装物件(国交省が表現する「工事上の瑕疵に加え、設計に関して不適切な事実」)は1989年から1992年までの46棟である。このうち20棟は建て替え、16棟は補修が決まったが、10棟は未定である。すでに335億円を拠出している。 姉歯物件よりも都市再生機構の方が耐震偽装が行われた時期が先であり、棟数も多い。何より国民が信頼していた同機構が建てた共同住宅で耐震偽装が行われていた事実は重大である(資料2、3)。 さらに機構が悪質なのは、紛失した構造計算書の再作成のさいに2度にわたってねつ造していたことである。当時の社長がその事実を認めている(資料4)。機構には構造計算書の保管義務があったのに、構造計算書の紛失は全体の3割にあたる1,879件にも及んでいたことが判明した(資料5)。 この一連の耐震偽装に対して、国交大臣が下した処分は、同機構理事長(元建設事務次官)への「文書厳重注意」だけだった(資料6)。都市再生機構はこれだけの不祥事を起こしても、都市再生機構法や住生活基本法などの法律で守られ地位を保証されている(資料7、8)。 都市再生機構はニュータウン開発の失敗などで14兆7,000億円の借金を抱え、毎年1,500億円の税金が投入されている。その税金も、機構から天下り会社に随意契約という形で安定的に分配されている形だ(資料9、10)。 機構が開発した分譲地では、傘下の住宅供給会社が建設費の25%を経費としてピンハネして民間ハウスメーカーや建設会社に孫請けさせ、品質低下が避けれない住宅を供給している事例もある。 都市再生機構は、渡辺喜美行革担当大臣から独立行政法人改革の一環として民営化を迫られている。渡辺行革大臣が同機構を訪れたときに、民営化に抵抗する小野理事長に対して「機構の業務は民間でもできる」と断言した(資料11)。12月3日の冬柴大臣の会見では、同機構の民営化に関して「私を抵抗勢力とすることをしたら許せない」と凄みを効かせながらゼロ回答だった(資料12)。 同機構が民営化されれば傘下の37法人に影響が出てくる(資料13)。さらに、国交省住宅局には73公益法人がある。もし同機構が突破されると、他の法人にまで民営化が及んでくることを恐れているのではないだろうか(資料14)。冬柴大臣が独立行政法人改革でも国民の声を聴かず、官僚の利益代表になっているのは大変情けない。 改正建築基準法は、国民からの都市再生機構への非難を回避し、国交省の体面を維持し、公益法人の生き残りを図るために行われている。その結果として日本の経済・技術・文化の崩壊を招くのでは代償が大きすぎる。 現在の改正建築基準法・改正建築士法を今すぐに抜本的に見直すべきである。私見では、耐震偽装問題の解決策は以下のように考えられる。 (1)構造計算プログラムは改変不可能にする。「適判」事例は対象を限定する。 (2)米国の「インスペクター制度」にならって現行の中間検査・完了検査の制度を住宅品質確保促進法の性能評価に準じて改善し、検査回数を増やし、特定行政庁・民間確認検査機関・消防庁の権限を強化し、住宅安全確保の視点で検査を義務化する(資料15、16)。 (3)建築意匠、構造、設備の有資格者が正当な報酬によってその責任で業務を行えるようにする。 (4)有資格者の故意による法規違反には厳罰で対処する。 (5)性能保証制度・完了保証制度に加え、瑕疵担保補償制度を設ける。 (6)建築着工数が回復されるまで、改正建築基準法の影響による倒産の恐れのある企業に対して規模・業種を問わず利率0%で融資をする。 大臣・官僚の代用は可能だが、長年培ってきた技術の伝承と技術者の養成は一朝一夕にはできない。国民の利益代表としての決断を冬柴大臣に求めたい。 ※事実誤認があった場合はどうぞお申し出ください。調査の上、その部分については訂正させていただきます。 ●資料1 姉歯元一級建築士による構造計算書の偽装があった物件 ●資料2 耐震強度不足での都市再生機構・小野理事長の苦悩 ●資料3 八王子・都市機構マンション 欠陥10棟改修手付かず ●資料4 都市機構マンション強度不足 「数値、ねつ造した」 ●資料5 都市再生機構、構造計算書紛失1879棟 ●資料6 独立行政法人都市再生機構(旧公団)の分譲住宅の不適切な事案に係る措置について ●資料7 都市再生機構法 ●資料8 住生活基本法 ●資料9 第2の道路公団UR3兆円損失責任とらず、税金の無駄遣い続く ●資料10 「公益法人等との随意契約の適正化について」の公表 ●資料11 天下りシステムやめろ! 独法改革「本丸」にスパモニ噛みつく ●資料12 独法改革案 舛添氏は積極的に協力の考え ●資料13 特定関連会社、関連会社及び関連公益法人の概要(21ページ) ●資料14 住宅局関係公益法人一覧 ●資料15 インスペクター制度 ●資料16 住宅品質確保促進法 ◇ ◇ ◇
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