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政治

ゲストスピーカーたちが「9条」の大きな影響力を指摘 〜幕張メッセの「『9条』世界会議」〜

宮沢さかえ2008/05/09
目 次
 (P.1) 「憲法を押しつけられた」論は正しくない
 (P.2) コスタリカ憲法が採用した「9条」の原則


ゲストスピーカーたちが「9条」の大きな影響力を指摘 〜幕張メッセの「『9条』世界会議」〜 | チェルノブイリ原発事故で被爆したナターシャ・グジーさん。ウクライナ地方の民族楽器バンドゥーラを奏でながら2曲歌いました。2曲目は、『いつも何度でも』(覚 和歌子作詞/木村 弓作曲)でした。
チェルノブイリ原発事故で被爆したナターシャ・グジーさん。ウクライナ地方の民族楽器バンドゥーラを奏でながら2曲歌いました。2曲目は、『いつも何度でも』(覚 和歌子作詞/木村 弓作曲)でした。
コスタリカ憲法が採用した「9条」の原則

李錫兌〔イ・ソクテ〕さん(韓国/弁護士・人権活動家)の話
「島国の日本に一番近い国は韓国です。また韓国は、13億人の中国とロシアの大国の近くにあります。地球に地殻変動がない限り、この地理的状況に変化はないでしょう。この地理的状況から見て、望ましい理想像は日韓が平和的な関係を続け、さまざまな交流を拡大することです。また、日本は朝鮮半島を通じて中国やロシアまで交流と交易を発展することができます。

 このような、相互信頼に基づいた隣国の交流は、紛争を未然に防ぐことになります。もし紛争が起こりそうになっても、早期に解決する方法を見出そうとするに違いありません。このような良い関係は、他のアジア地域にも良い影響を及ぼすことでしょう。

 日本は隣国との関係で紛争や葛藤ではなく、平和や交流を目指すべきだと思います。その方が理想的に見て、合理的な方法です。また、その方が長い目で見て、安上がりだと思います。日本のみなさんが誇りを持てることだと思います。

ゲストスピーカーたちが「9条」の大きな影響力を指摘 〜幕張メッセの「『9条』世界会議」〜 | ピースボートダンスパフォーマンス。14日に出航する世界一周の旅では、今回の会議の報告を世界各地で行う予定。
ピースボートダンスパフォーマンス。14日に出航する世界一周の旅では、今回の会議の報告を世界各地で行う予定。
 日本の憲法第9条は、隣国間に平和交流が大切だという教訓を現実化させた大切な意味があります。日本の平和憲法は、日本国民の道徳的決断を表わし、ひいては平和を求める全人類の願いを込めたものと見ることができましょう。従って、平和憲法は守らなければなりません。日本の敗戦によって得られたとは言え、60年が過ぎた今、独自の意味と生命力を持つに至りました。

 大量破壊兵器が発達した現代において、戦争は最も大きな人権侵害です。いま、日本の憲法9条は、その存在を確認し守るだけでなく、その内実に対する捻じ曲げを防ぎ、実効性を保証していかなければなりません。それにも関わらず、日本が平和を脅かす方向に動き続けるならば、その問題点を指摘し、不当性に抗することこそ平和を愛する私たちの全ての課題であることを声高らかに叫びましょう」。

ゲストスピーカーたちが「9条」の大きな影響力を指摘 〜幕張メッセの「『9条』世界会議」〜 | 別の会場で開かれていた出展ブースには、各国語で書かれた9条キルトが飾られていました。
別の会場で開かれていた出展ブースには、各国語で書かれた9条キルトが飾られていました。
カルロス・バルガスさん(コスタリカ/国際反核法律家協会)の話
「この会議が、日本国憲法9条の主要原則について共通の理解を形成する場となると確信しています。そして、この共有されたヴィジョンは、世界中に9条を広める力を与えてくれるでしょう。

 9条の主要原則は、各国にとって平和を維持する最も強力な法的手段であると思います。9条を維持するためには市民社会の支援、みなさん1人ひとりの支援と行動が必要です。それぞれの国で平和憲法を採択するように、自国政府に対して圧力を加えていかなければなりません。

 コスタリカの市民社会は、1949年に発効したコスタリカ憲法第12条に、日本の第9条の価値感を維持することに成功しました。日本は決して1人ではありません。日本の市民は世界中の市民に支持されています。私たちは、お互いの経験から学ぶことができるのです。コスタリカの憲法は、9条に述べられている原則と同じ原則を掲げています。これらの原則が、アメリカの軍事的超大国の圧力に抵抗する力をコスタリカに授けてくれたのです。コスタリカには軍事基地は一切ありません。

 この会議は、共通のヴィジョンを将来に向けて現実のものとするためのインスピレーション・原動力となるでしょう。私たちは、できると信じ、今から行動を始めようではありませんか」。

 ゲストスピーカーの話を聞いて、筆者が感じたのは、決して声高らかに平和や9条の保持を述べるのではなく、ユーモアを交えながら淡々と語る人と内容の力強さでした。自分自身の体験や考えに基づいて発せられる言葉は説得力を持ち、人々の共感を呼びます。

 第2部最後のトークセッションで語られた高遠菜穂子さんの言葉が、この会議の意義を語っていて、まとめの言葉にふさわしかったので、この報告のまとめとして引用させてもらいます。

「私は、日本がイラクに自衛隊を派遣したから、捕えられました。『おまえは日本人か』と言われました。けれども、なぜ殺されなかったか。それは、9条があったからです。9条が私の命を救ってくれました。だから私は、9条を捨てるわけにはいかない。守り続けていきたい」


※トークセッションに参加したカーシム・トゥルキさんの著書『ハロー、僕は生きているよ。』(大月書店刊・高遠菜穂子/細井明美 訳)は『今週の本棚』で紹介されています。
『ハロー、僕は生きてるよ。イラク最激戦地からログイン』



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