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たった100字 朝日新聞9日朝刊の「長崎原爆の日」

8月9日、朝日新聞朝刊が「長崎原爆投下」について書いた記事のスペースはたった100文字だった。工夫もせずに、このような「原爆の日」の扱いとは、いかがなものでしょうか?
長崎 新聞 NA_テーマ2
たった100字 朝日新聞9日朝刊の「長崎原爆の日」 | <center>2段4行に過ぎない「原爆の日」報道。</center>
2段4行に過ぎない「原爆の日」報道。
 8日の長崎原爆の日を伝える、朝日新聞朝刊(大阪本社版)。あまりにしょぼすぎる。これが私の感想です。

 2段(13字)×4行しかスペースがありません。

「きょう長崎原爆の日
 長崎は9日、63回目の原爆の日を迎える。爆心地そばの長崎市松山町の平和公園で午前10時40分から、市主催の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典がある。田上富久市長は平和宣言を読み上げ、核兵器廃絶に向けて決意を示す。」

 確かに前日に北京オリンピックが開幕したという「逆風」があります。それにしてもひどい話です。まさか、原爆は昔の話だから、読者の関心を得られないということなのでしょうか? そんなことはないでしょう。まず、いくらでも伝えるべきことはあるはずです。今年は、平和宣言でも田上富久市長が触れられたように、永井隆博士生誕100周年でもあります。

 米印原子力協定問題、北朝鮮問題、イラン問題など核拡散の危機は続いています。欧州では、東欧へのミサイル防衛(MD)配備を巡って、米ロ両国の鞘当てが起きています。

 一方で、アメリカ元国務長官・キッシンジャーさん、シュルツさんらも核廃絶を主張しています。アメリカ大統領選挙では、オバマ候補もマケイン候補もブッシュ大統領よりは核軍縮には積極的です。核軍縮を進めるチャンスともいえる状況もあります。こうした最新の時代状況をきちんと伝えることも大事です。オリンピックは関心を引く材料でしょうが、せめて、8月9日という機会に、核問題を掘り下げたらどうなのでしょうか?

 これらに加えて、旧長崎市外の区域に住んでいたために被爆者には認定されなかった「被爆体験者」の被爆者認定を求める訴訟が提起されている」くらいの記述はしたらどうか。また、2008年6月に厚生労働省は12km以内の人を体験者として認めたが、被害を訴えている人の35%は認められていない、くらいの話まで踏み込めればなお良い。

・参考記事: 「被爆体験者」が初提訴平等援護、手帳交付求め47NEWS

 かつては、山が多い長崎の地形によって旧長崎市外では被害はなかったというのが定説で、それを学校教育で習って信じている人も多いのです。それを元に、南北に細長い地域に対して、被爆者の認定もされてきました。しかし、今では、上空まで上がったプルトニウムなどの放射性物質が、かなり遠くまで場所によっては高濃度で降り注いだ、とされています。国民の間にある誤解を解く良い機会でもありました。

 「国民にあまり目立たないところで、誤りを修正する」というセコイやり方を許さないために社会の木鐸として、何か出来ないのか?

 さらにこの長崎での被爆体験者の問題は、「機械的に人を切り捨てる」という今の日本の貧困を生み出している、社会保障行政全般に通じる問題です。「同居家族がいる」というだけで、機械的に介護サービスが受けられないというひどい例が横行していますし、生活保護でも、過度に親族からの援助をまず求める、という機械的な対応があります。記事が、「被爆体験者問題」に触れるだけでも、読者の頭の中で、今ようやく盛んに報道されてきている社会保障の問題点と原爆の日が結びついてきて、読者の興味を一定程度得られると思います。

 以上に提案したような工夫もせずに、このような「原爆の日」の扱いとは、いかがなものでしょうか?
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