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名物テレビコメンテーターらが総裁選と衆院選挙を大胆予想

田中龍作2008/09/10
22日まで総裁選騒ぎが続き自民党は支持率を上げる。総選挙で自民と民主が拮抗すれば、小沢さんが加藤紘一さんに「10人連れてきたら首相にしてあげるよ」と誘い出す。中川秀直さんは離党し前原(誠司)さんと組む。総選挙後は何でもあり、になる。
日本 選挙 記者会見
名物テレビコメンテーターらが総裁選と衆院選挙を大胆予想 | <center>左から星、田原、歳川の3氏(日本外国特派員協会で)</center>
左から星、田原、歳川の3氏(日本外国特派員協会で)
 テレビ報道で何かと物議をかもす田原総一朗氏と、コメンテーターとしてもおなじみの星浩氏(朝日新聞シニアライター)、歳川隆雄氏(インサイドライン編集長)が9日、日本外国特派員協会で講演した。3氏は「福田首相電撃辞任」の舞台裏を赤裸に語り、目前に迫った総選挙を大胆に予想した。

 田原氏と星氏は『サンデープロジェクト』(全国朝日放送系列)でコンビを組む。通称『サンプロ』は田原の挑発に乗って政治家がつい本音をもらしてしまうことで人気だ。歳川氏の発行するニュースレターは総理官邸や外務省の内部を深く抉ることで知られる。

◆星浩:
 日本の政治は最近国際的に関心されなくなっており、それが誤解を生んでいる。日本の総理が毎年9月に辞める、というのも誤解だ。1党支配が半世紀以上も続いている(細川・羽田連立政権の10ヶ月を除く)のは先進国では日本だけ。今度の総選挙はそれが崩壊するかどうかの選挙。

 幹事長だった梶山静六さん(故人)が、自民党支配について「赤より黒がマシ」と言った。赤はコミュニズム、黒は腐敗。ところがコミュニズムの方は15年以上も前になくなった。

 かつては後藤田(正晴)さんや宮沢さんのような官僚出身の優秀な政治家がいた。むかしの自民党には官僚にニラミの効く政治家が100人はいた。だが今は官僚と互角に渡り合えるのは30人。

 総裁選は麻生(太郎)さんが優位に戦いを進めている。総裁選は自民党の危機意識を反映している。かなり危機感を持っている人は小池(百合子)さん、石原(伸晃)さんに投票する。危機感の薄い人は麻生さんに投票する。7割の確率で麻生さん勝利。

 昨年の参院選挙で自民党が大敗した時と構図が変わっていない。総選挙は自民党が勝つ割合は30%、民主党は70%、接戦となる確率は10%。

◆田原:
 福田(康夫)さんが辞任する2週間前に会って1時間ほど話した。その時「変だぞ」と思った。補正予算や定額減税について聞いたら、福田さんは「田原さん、それ与謝野さんに聞いて」。私は「あなたが総理じゃないか」と言った。アジア問題について聞いて「それどこの省の問題?」。やる気がないんじゃないか、と思った。

 森(喜郎)さんにも会った。森さんは「国会が始まるとチェンジ(首相交代)ができないんだな」と話していた。「インド洋(テロ特措法)の再可決と引き換えに福田さんは辞めるんじゃないか?」と聞くと、「民主党は掻き回すし、何より公明党が(再可決に)難色を示している」と言う。

 「では国会前にチェンジするのか?」と聞いたら、森さんは「う〜ん」。

 総裁選は「自民党大売出し」。マスコミはPR機関と化している。国民は利口。「大売出し」で自民党はなおのこと国民に飽きられるんじゃないかな。

◆歳川:
 9月1日の福田首相の辞任を私は予想していなかった。10〜11月に退陣して年末に総選挙と思っていた。全部で5章から成る(政治の)本を3章半まで書いていた。コンセプトを全部変えなくてはならなくなる。

 福田さんの辞任後、秘書官の一人に会った。秘書官はこんなことを言った。「もし総選挙で自民党が過半数を取ったら、最大の功労者は福田さんになる」。追い詰められての辞任ではない。攻撃的辞任だ。

 麻生さんが次期総裁になる。だが与謝野さんが2番手につくか3番手につくかの違いは、麻生さんにとって大きい。与謝野さんが2番手につけば副総理として処遇しなければならない。そうなると石原伸晃を副総理にしたい森さんのシナリオは狂う。森さんは影響力を残したいため麻生さんを支持している。

 22日まで総裁選騒ぎが続き自民党は支持率を上げる。総選挙で自民と民主が拮抗すれば、小沢さんが加藤紘一さんに「10人連れてきたら首相にしてあげるよ」と誘い出す。中川秀直さんは離党し前原(誠司)さんと組む。総選挙後は何でもあり、になる。

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 星氏は麻生さんや民主党が勝つ確率を数字をあげて予想した。こんなことは朝日新聞紙面ではどう逆立ちしてもできないことだ。田原氏は普段のテレビ番組以上にズバズバ斬り込んだ。福田さんが辞めることを知っていた森さんの話は迫真に迫っている。歳川氏は政界深部の情報を売りにしているだけあり、秘書官の話などには圧倒される。

 インターネットではこれに似たアングラ情報が氾濫している。しかしニュースソースも不明だし、誰が発信しているのかも分からない。一流のジャーナリストが情報源を明確にして語る情報は、インターネットでは入手することができない。肉声の大切さを改めて知った。
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