会見に臨む中山成彬氏(10月4日午後、宮崎観光ホテルで筆者撮影)
10月4日午後2時より、宮崎観光ホテル(宮崎市)において、中山成彬氏(65)の記者会見が行われた。中山氏は会見の冒頭で、次期衆院選に出馬しないことを正式に表明したあと、国を思うあまりの言葉で、多くの関係者を傷つけてしまったとして、改めて謝罪した。
中山氏は途中、言葉に詰まる場面も見せたほか「寂しさもある」と漏らした。また知覧特攻隊のことにも触れ、「わずか60数年前、日本の国のことを思って死んでいった若者たちがいたのです。今、自分のことしか考えない国民が多くなってしまいました。これはやはり教育の問題だと思っています」と、再び教育関係にも言及した。
そして「マスコミの集中攻撃を受けている中で、何万何千という方々が電話をし、ファックスを送って、『あなたの言っていることは間違っていない』『がんばれ』『自民党を見直した』『どうしたら中山さんを応援できるのか教えてくれ』という声がすごかったです。私はこれで政治の世界から身を引きますからもう、応援してもらうことができなくなります。しかし、私は、みなさん方の力を、みなさん方の地区の私と同じような志をもった方々、同志を応援してもらいたい。何十倍、何百倍の力で、同志を応援していただきたい。国政を変え、日本を変えてもらいたい。それが私の心からのお願いであります。マスコミのみなさん方、こうして私に、国民の関心を引くためにご協力をいただきました。改めて感謝申し上げます。ありがとうございました」と締めくくった。
続いて行われた報道陣との質疑応答から、その一部を以下に、一問一答形式でまとめてみた。
――今回の不出馬に至った経緯は
たくさんの方々にご迷惑をおかけしたことに尽きる。
――今後のことをどのように考えているか
辞めていく人間が後継のこと言うのはおこがましいと思っている。ある方には(衆院選に)出てほしいと言う気持ちはある。ここで言うことは差し控えたい。
――政界引退と捉えてよいか
今回とは違った形で国民のみなさんに訴えかけていく方法はなかったのかと自問自答している。しばらくの間、自分の心の中を見つめていきたいと思っている。政治にかける情熱は、いささかも衰えてはいない。いつの日かお呼びがあれば出てくることもあるかもしれない。大好きな松原千恵子(実際は、松原のぶえ)の「男なら」という歌を思い出す。
――今後の選挙への出馬については否定しないのか
要請があるかもしれないが、当分は反省の日々を送りたいと思っている。
――国政への復帰はあるのか
いつか時代が(私を)求める日があるかもしれないと思うが、今のところは自分の内面と向き合いたい。
――さきほどの会見での謝罪は日教組も含めてなのか
ほとんどの教師は一生懸命である。自分の生活を犠牲にし、がんばっておられる先生方を私はたくさん知っている。ただ、ごく過激な一部の人たちが問題であることを何度も訴えてきたつもりである。
――東国原知事を推す声が自民党内部からあがっているようだが
聞いていない。私が(後継のことを)考えることは、出すぎたことだと思っている。
――派閥内ではどのような対応したのか
森さん(元首相)には話をした。お分かりいただけたと思っている。
――不出馬を決めた時期は、自民党県連からの働きかけは
まったく何もない。後援会の幹部に今回のことを伝えたのは昨日(3日)である。自民党県連にもまだ伝えてない。今回のことは事前に相談するようなものではないと考え、失礼を省みず本日に至ったことを改めてお詫び申し上げたい。
――今後も日教組の問題は訴えていくのか
はっきり申し上げて、教育の正常化のために、これからも火の玉となってがんばる。なんといっても子どもたちが心配である。子どもたちの幸せのためにも教育は正常化しないと考える。その信念はいささかも変わりはない。
――日教組はがんであるという考え方は変わらないのか
摘出すべき一部だと考えている。
――自民党内部ではどういうタイミングで
まずは、身内をだますのが一番つらかった。森氏とだけ相談しながら、本日までやってきた。麻生総理には森氏を通して、衆院選には出馬しないと伝えていただいた。麻生総理には辞表を出すときに腹を決めていると伝えた。麻生総理からは「まことに残念」の一言だったが、万感こもっていることを感じた。
行革大臣よりもみんなが良く知っている大臣がほしかった。そのことを町村官房長官に話したら、すぐに国土交通大臣の話が来たので、「以心伝心だ」と感じた。
――政界引退と捉えていいのか
政治活動は続ける。充電して、またチャンスがあれば政治に登場したいと思っている。宮崎県や日本を思う心に、いささかもかわりはない。
――後継のことをどのように考えているのか
先ほども申し上げたが、辞めていく人間が後継のことを言うのはおこがましい。心配しなくても大丈夫である。自民党県連本部ではちゃんと後継者を探している。私は口を挟む立場ではない。
――東国原知事のことに関して以心伝心とは
(東国原知事とは)会ってはいないはが、なんとなく彼の気持ちは分かると言うことである。私も薩摩藩の人間で、「男の道も一本道」である。私たちはそういう風土の中で生きてきた。だから、以心伝心で分かると申し上げた。
――中山氏の後援会が東国原知事へ打診したと言う話があるが
それはない。接触もしていない。
――以心伝心で分かるとは東国原知事が何を考えているか分かると言うことか
薩摩の国は、国のために一身を投げ出すことはある。東国原知事の言動を見ているとそれが分かる。
◇ ◇ ◇
質問は妻である中山恭子首相補佐官のことにまで及び、中山氏は中山恭子氏の出馬はないとした。また、社保庁や民主党に関する質問も出され、中山氏は「民主党政権になってはいけない」と主張した。記者会見は約50分で終了した。
焦点は、やはり中山氏が抜けた宮崎1区の後継をどうするかであるが、記者会見での中山氏の発言を聞いた限りでは、東国原英夫宮崎県知事の出馬の可能性は高い。名前は出さなかったものの、中山氏も東国原知事を後継と示唆しているかのような発言であった。実際、東国原知事の後援会も出馬に向けて動いているようである。
今回の中山氏の不出馬及び事実上の政界引退表明で、次期衆院選の宮崎1区は風雲急を告げる展開となってきた。