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政治

遅れる総選挙は自民・民主どちらに不利か―私の見方

田中龍作2008/11/05
 麻生首相が事実上の年内総選挙の見送りを表明したことで与野党ともに混乱しているようだ。総選挙実施の時期が遅れるほど自民党には不利になるのだろうか。それとも資金力に劣る民主党の方が苦しいのだろうか。
日本 選挙 NA_テーマ2
遅れる総選挙は自民・民主どちらに不利か―私の見方 | 自民党本部
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 麻生首相が事実上の年内総選挙の見送りを表明したことで与野党ともに混乱しているようだ。報道各社の世論調査では麻生内閣の支持率は回を重ねるごとに低下している。自民党の独自調査でも獲得議席は減少する一方で、直近の調査では民主党に単独過半数を譲るという驚愕のデータも出ている。

 総選挙実施の時期が遅れるほど自民党には不利になるのだろうか。それとも資金力に劣る民主党の方が苦しいのだろうか。

民主党に不利となる材料は――

 選挙事務所の経費がかさむ。いわゆる「兵糧攻め」だ。民主党は自民党と比べて圧倒的に新顔が多い(自民の現職が304人に対して民主は112人)。現職の場合、すでにある地元事務所をとりあえずの選挙事務所として使えるが、新顔の場合は一から立ち上げなくてはならない。

 4日の民主党役員会で、解散が年を越した場合のことが問題になった。「候補者への資金援助の用意はあるのか?」とする記者団の質問に小沢代表は「(記者の)皆さんにご心配をかけるようなことはない」と答えるに留まった。

 風向きが変わると失速する恐れがある。労組という支持母体があることなどから民主党の候補者は「一票一票を死にもの狂いで獲りに行く」という意識が薄い。風頼みの選挙に流れがちだ。

 メール問題(2006年)で議員辞職した永田寿康氏は、現職だった頃「風は俺が起こした」と豪語していたほどだ。民主党の体質でもある。スキャンダルや政変で風向きが変わると大敗しかねない。この点について筆者は小沢代表に質した。

 「主権者たる国民の信頼を勝ち取るには『風が吹いてくる』のを待つようでは候補者の資格はない。選挙が延びれば延びるほど国民に接する機会が増える。そういう精神でやってもらいたい」。小沢氏は全国の民主党立候補予定者に届けとばかりに力を込めて語った。

遅れる総選挙は自民・民主どちらに不利か―私の見方 | 民主党本部(撮影:神山玄太)
民主党本部(撮影:神山玄太)
自民党に不利となる材料は――

 追加経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案をめぐっては、自民党内でも見解が一致していない。「総額2兆円の定額給付金には所得制限を設けるべき」、「やはり一律で」と意見が分かれる。与謝野馨経済財政政策担当相は「高額所得者にまで給付するのはいかがなものか」と述べ、所得制限の設定を提起した。これに対して中川昭一財務相は「技術的に難しい」と異を唱えている。

 地方活性化の交付金を道路財源から持ってくるとすることに対しては道路族が猛反発している。

 自民党内、閣内で見解が分かれたまま選挙に臨むと「頼りなさ」が「政権担当能力のなさ」に受け取られかねない。

 年金、医療、雇用、食の安全など今の政治が抱える問題はあまりにも大きい。筆者は街頭でできるだけ多く有権者の声を聞くようにしているが、これらの問題に関して「自民党は対処できる能力がない」という答えが返ってくる。ほとんどが自民党支持者だ。

 自民党の事情に詳しいある政界関係者によると、麻生首相は青年会議所(JC)で「俺は1年でも長く総理をやっていたいんだ」と口にしたと言う。唖然とした。政治に対する国民の不安や苛立ちが全く分かっていないのだ。来年9月の満期まで引っ張って総選挙に持ち込んだとしても、いずれ国民の思いを知る時が来るだろう。

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