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地検「特別捜査部」は必要か?

夏野繁造2009/04/02
一般的な刑事事件は、警察により捜査や被疑者逮捕が行われるが、東京地検特捜部は、 政治家汚職、大型脱税、経済事件などに、独自の捜査、摘発、逮捕に乗り出すことがある。

 検察庁には、地検、高検、最高検があるが、なぜ地検にのみ特捜部があり「特別な事件」に限って高検でも最高検でもない地検が出張るのだろうか。

 その成り立ちは次のとおりであった。

 地検特捜部は敗戦後の翌々年、1947年、旧軍需物資の隠匿を取り締まる「隠退蔵事件捜査部」として発足した。当時、敗戦国の日本は、連合国軍総司令部(GHQ)の管理下にあった。

 GHQは、無条件降伏した日本に対するポツダム宣言条項を執行するために1945年から1952年まで日本に設置された連合国の機関である。つまり、占領下において特捜部はつくられた。

 また、戦後の東京地検特捜部による政治家に対する主な捜査・立件は次のとおりである。
 ・田中角栄 逮捕 ロッキード事件
 ・竹下登 失脚 リクルート事件
 ・金丸信 失脚逮捕 佐川急便献金・脱税
 ・中村喜四郎 逮捕 ゼネコン汚職
 ・鈴木宗男 逮捕 斡旋収賄
 ・橋本龍太郎 議員辞職 日歯連贈賄事件

 摘発されたこのなかには自民党の有力派閥で親米、タカ派の清和会(現在の町村派)メンバーはいない。清和会は品行方正なのか、それとも特捜部の手がゆるいのか。

 ロッキード事件では田中角栄が逮捕され失脚、一方のダグラス・グラマン事件では、名前が挙がりながら起訴はおろか事情聴取すらされなかった政治家たちがいたことはたしかである(岸、福田、中曽根等)。

 また最近では、CIAのエージェントだったことがアメリカからの情報で判明した岸元首相など、国益を著しく損なったであろう前代未聞な事件であったが、特捜部は知らぬカオをしていたことになる。

 西松違法献金事件をみても、怪しい自民党議員は多数いるが、メディアを通じた「小沢つぶし」の動きが顕著に見える(小沢、二階はもともと「経世会」の出身である、今後は国策捜査批判に応えバランスをとるため、特捜部は二階立件に向かうかも知れない)。

 小泉元総理はかつては福田の秘書。安倍晋三、福田康夫は、岸>福田>森へ続く清和会系統である。郵政民営化は「貯金の行方」や「簡保の宿」など、大がかりなナニゴトかがありそうだが、「事件」にはなっていない。

 今回の「小沢つぶし」には次のことが見られる。

 (1)CIAを本家とする「伝統」に基づく動き(ウラをとれないが、複数から得た伝聞である)。
 東京地検特捜部の歴代トップは、CIAに留学し教育研修を受ける。この教育を受けた者でなければ、東京地検特捜部、そして日本の警察機構の中で、上層部に位置することはできない、とか。

 今回、小沢は、クリントン長官と対談。その直後、在日米軍は第7艦隊で十分、などの発言があった。これは民主党のいう、対等な日米関係、国連中心主義、アジア諸国との信頼関係構築など主体的な外交理念によるものだが、今のままアメリカに依存し続けたい各層からすれば、まったく異なる方針で承服しかねることだろう。

(2)東京地検特捜部の存在のアピールのため。
 特捜部の人員構成は、検事38名、副検事3名、検察事務官80名余である。小沢の第1秘書逮捕は次期総理の公算大の小沢と民主党に(計画どおり)大きなダメージを与えた。

 予定されている総選挙で民主党が勝つことは民意として既定のものになりつつあった。しかし、その流れを、国民が選んだワケでもない一部の行政官グループが意図的に曲げた(彼らは年度末のこの時期、大きな仕事をしたことになる)。

 職権にはそれほど大きな裁量があるのか。いや、行政の優位性など三権分立は認めていないハズだし、民主主義の下では世界中どこの国にもあり得ない。他律性がなく抑制が効かない、何でも出来る行政権力の存在が、この日本の現代に在ること自体まことにオカシイ。

 民主党は行財政のムダを徹底的になくす提言をしている。 1、補助金の一括交付等による無駄の排除 2、談合・天下りの根絶 3、特殊法人、独立行政法人、特別会計等の原則廃止 4、国家公務員の総人件費の削減 5、他にも、各省庁への目付監督役の出向張付け、司法捜査の可視化等、

 これらの改革に役人が戦々恐々としないはずがない。検察もれっきとした行政の一組織である。

 検察機能は、「地検−高検−最高検」の単一組織体で間に合うのではないか。「特捜部」は廃止も含めて行政改革の俎上にあげられなければならない。

 単なる権力闘争や、AからBに政権が移行する転換期のゴタゴタならば「ワレ関せず」「庶民には無関係」と眺めているのだが、この度は「国のあり方」にかかわる事態にみえる。国が自立の道を歩めるか、主権在民は実現可能か等、どうやら日本は重要な岐路に立っているようである。
(敬称略)

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[43911] うん?
名前:斉喜広一
日時:2009/04/05 17:34
その鈴木宗男も挙げられたでしょ。
考えすぎじゃないのかな。
[43857] 裏にだれかいそう
名前:藤重典子
日時:2009/04/05 07:19
辻元さんが鈴木宗男に噛み付いたとたん、秘書の給与問題なんかで失脚した記憶がある。
「うるさいからつぶせ」というような指示があるような感じがしたな。ちょっとうさんくさい。
三権分立、本当にはできてないようです。
[43751] 金権・利権
名前:斉喜広一
日時:2009/04/03 20:31
コーチャン氏らの場合、米側では司法取引があったようだし。
問題は、田中型金権・利権政治の是非では。
それに、右翼の児玉誉士夫、政商の小佐野賢治も揚げられてますでしょ。
この訴追を是とするか非とするか、と問われれば、やはり是とするしかないのでは。

[43746] 不思議につながる流れ
名前:井之上文
日時:2009/04/03 18:55
角栄がアメリカを飛ばして直接、中国と国交回復してしまったので逆鱗に触れたのでしょうね。 チャーチ委員会というのも怪しい告発で、当時ヨーロッパに飛び火した疑惑はどの国も事件にならなかった。 無視されちゃった。 アメリカでも誰も罪に問われていない。 はたして本当にあったことなのかどうかも怪しい。 


三木も今考えると、怪しい総理大臣ですよね。 当時の検察官、堀田さんが今回の事件でも妙な発言をしています。 検察に説明責任は無いって、アメリカでも検察官は記者会見やってますよ、記者クラブなしで。


[43708] 政権中枢
名前:斉喜広一
日時:2009/04/02 23:11
田中、竹下、金丸といえば、当時の政権中枢の、いわば最高権力者・最高実力者でしょう。
それが、捜査・立件されることに何か陰謀めいたことがあるのかな?
政権中枢への捜査・立件をためらった、あるいは回避したというなら、話はわかりますが。
[43703] 勉強になりました
名前:宮崎節子
日時:2009/04/02 22:25
夏野様
今度の事件では、小沢氏がつぶされなかったことが(まだわかりませんが)、全面屈服にならなかったようでなにか救われる気持ちになります。また、多くの人が検察のやり方を知るところとなり、検察への抗議も逆風と言われるくらいあったと新聞で読みました。ひところだったら、鵜呑みに信じていたかもしれない市民が意見を表明するようになったのも社会にとって前進かもしれません。民主党に迷惑をかけるから言えないのでしょうが、私は小沢さんに、もっと思っていることをどしどし言ってほしいと思っています。夏野様のこのコラムで沢山学ばせて頂きました。
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