トップ > 政治 > JanJanオムニバス > 緊急要請:宇宙基本計画(案)にパブリックコメントを!
政治JanJanオムニバス

緊急要請:宇宙基本計画(案)にパブリックコメントを!

大塩高志2009/05/04
 4月27日、宇宙基本計画(案)が発表されました。ここで言う宇宙計画とは宇宙空間の利用方法に言及したものです。今回は平成13年以来の基本計画の制定ですが、読者の皆様が考えるより大きい意味づけがあると考えます。なぜなら現在稼動している国際宇宙ステーションの次の計画を制定しなければならない時期だからです。

 そもそも「アメリカ大陸発見500周年」を記念するため、レーガン大統領の時分に発表されたのが西側各国の宇宙ステーション「フリーダム計画」でした。しかし予算不足やスペースシャトルの爆発事故、冷戦終結による政治性の欠如などで建設に漕ぎ着けるまで想定以上の時間を要したのです。そのため米国政府はフリーダム計画を凍結し、再出発させたのが国際宇宙ステーション計画です。

 日本では若田光一(STS-92STS-119)、野口聡一(STS-114)、土井隆雄(STS-123)、星出彰彦(STS-124)といった宇宙飛行士の活躍ですっかり名前が浸透した国際宇宙ステーションですが、実は米国は2011年9月をもってスペースシャトルの運用を停止させるため、国際宇宙ステーション計画の続行そのものが危ぶまれているのです。なぜならステーションの組み立て部品はスペースシャトルで運ぶことを前提にしているからです。実際、国際宇宙ステーションの参加国は次を見据えて、さまざまな計画を公表しています。

 筆頭の米国はスペースシャトルに替わる輸送手段として、アポロ計画で活躍したサターンX型ロケットの強化版であるオリオンロケットを計画しています。オリオンは恒久的な月基地の必須の輸送手段であるとともに、火星の有人探査をも睨んでいるということです。
 
 ヨーロッパ諸国は欧州宇宙機関として、天文学寄りの観測衛星の打ち上げとともに、水星探査機も計画しているようです。カナダは打ち上げ手段は持っていませんが、ロボットアームや人工衛星の分野で活躍することが考えられます。ロシアはどうやら中国の宇宙計画に全面協力する模様です。

 国際宇宙ステーション参加国以外では、その中国の動向を注視する必要があります。2017年の月への有人探査とともに2020年の完成を目指す独自の有人宇宙ステーション、また火星への観測衛星も今年の9月にもロシアのロケットでの打ち上げを予定しています。他にはインドも2008年10月に月探査衛星を打ち上げ済みで、すでに月表面の観測を行なっています。

 さて日本です。日本の宇宙基本計画(案)は以上の諸外国の宇宙計画が公表、実施している中で策定されました。しかし今回の策定には政治家が関わっていないという問題があります。というのも2008年5月に制定された宇宙基本法によって、宇宙開発・利用の基本的枠組みは政治家が決めることにしたはずなのです。にも拘らず今回も官僚主導で策定してしまったのは、政治家が宇宙に対して勉強中のため、役人の助けを借りる必要があったからなのです。しかし役人主導で事業を進行させた場合、これまでの経緯から有権者の意思が反映されない怖れが十分にあります。つまり今回の宇宙基本計画(案)は、政治家の介入を嫌う官僚たちが宇宙基本法の趣旨を捻じ曲げ、新しい公共事業にしたいという思惑を、私自身は感じてしまうのです。

 そこで今回のパブリックコメントです。なぜなら官僚のお手盛りの宇宙基本計画(案)が公表されてしまった今となっては、歯止めは日本人一人ひとりの手に掛かっていることになるのです。つまり政府に直接意見を言えるパブリックコメントの多さそのものが、日本人の宇宙に対する関心の高さを示す指標となるのです。そして一旦まとまった方向性さえ気に入らないという意見が多ければ有権者の洗礼を受ける政治家が動きだし、役人に再考を促す理由付けともなるのです。

 私も松浦晋也さんに習い、パブリックコメントに書く内容までは強制しません。ただ自分の言葉で、氏名、住所、性別、電話番号やFAX番号を記入した上で送付してください。素性を明かしてしまえば相手も貴重な意見と受け取らざるを得ません。それに貴方の意見の一つひとつは他の人も共有しているはずだから、「自分の意見が通るはず無い」と悲観する必要はまったくありません。逆にほとんど始めて国の宇宙計画に直接意見を表明できるこの機会を、活用することで満喫してくださるよう、この記事を読んでくださる全ての日本人にお願いいたします。

 参考:中国の有人宇宙ステーション建設 2020年前後に計画
    宇宙開発は「中国・ロシア」、「米・インド」の2極に:日経ビジネスオンライン
    来年9月には火星探査衛星 中国 - MSN産経ニュース
    特集:国際情勢分析/インド 月探査衛星打ち上げ成功 軍事転用への圧力高まる - FujiSankei Business i./mberg GLOBAL FINANCE
    カナダの宇宙開発
    asahi.com(朝日新聞社):《トリビア》ガンダム、月面に立つ? - 若田さん きぼう滞在記
         ※カナダ製のロボットアームについて触れられています


 次の二本は松浦晋也さんが日経BPネットで公表されている記事です。

   公表された宇宙基本計画案(1)
   公表された宇宙基本計画案(2)


 松浦さんはさらに直接宇宙基本計画(案)の意見募集にリンクを張るバナーを用意してくれましたが記事では実現できないため、松浦晋也のL/D: 呼びかけ:宇宙基本計画にパブリックコメントを送ろうへ訪問してくださるようお願い申し上げます。


 最後に応募方法です。自分で打つのは面倒なので、松浦さんが自分のブログで紹介しているものをコピペすることにします。

〜〜〜 引用開始 〜〜〜

 応募方法は電子メール、郵送、FAXの3通り。

・電子メールはi.space-goiken@cas.go.jp
内閣官房宇宙開発戦略本部事務局 意見募集担当 宛
 テキスト形式のメールで送ること  メールのタイトルは「宇宙基本計画(案)に対する意見」とすること

・郵送は以下の宛先に送付する
 〒107-0052 港区赤坂1-11-28 赤坂1丁目森ビル9階
内閣官房宇宙開発戦略本部事務局 意見募集担当宛

・FAXは以下の電話番号だ
 FAX番号:03-3505-5971
内閣官房宇宙開発戦略本部事務局 意見募集担当 宛

 冒頭に「「宇宙基本計画(案)に対する意見」」と入れること

〜〜〜 引用終了 〜〜〜


 もう一度確認します。締め切りは5月18日月曜日必着です。時間がありません。皆様の宇宙への熱い想いを直接日本政府にぶつけてくださるよう、私からもお願い申し上げます。

気軽な「オムニバス」欄にご投稿を

  • 投稿条件は市民記者登録を済ませていること、これだけです。
  • テーマを問いません。JanJanニュースに向かないエッセーも歓迎します。
  • 原則として編集部の手が入りません。(「編集」して文意を直したりしませんが、明らかな誤字・脱字や基本的な表記上の約束ごと程度は、編集部で直すことがあります。また、タイトルは、記事内容をよりよく反映するように変えることがあります。)
  • タイトル欄に「オムニバス」と明記し記事投稿画面から投稿して下さい。
  • 記者登録時の『JanJan』市民記者規約に反する記事は掲載しません。

ご意見板

この記事についてのご意見をお送りください。
(書込みには会員IDとパスワードが必要です。)

[45347] 早速の反応、有り難うございます
名前:大塩高志
日時:2009/05/05 08:53
前略 大塩です。

 深海の探査も私は否定しないのです。というのも私が危惧するのは技術の断絶だからです。実際、M-VロケットはJAXAに統合後は廃止されましたから。ということはまったく新しく月を目指すという目標を掲げることで、「はやぶさ」や「かぐや」の立ち位置が曖昧になる可能性があるのです。

         草々
[45336] 大事なことだと思います。
名前:田中秀郎
日時:2009/05/04 22:28
いま、若田さんの宇宙からの生中継を放送していますが、
この宇宙開発はこれからも大事なことと思います。
深宇宙の探査などお金のかかりそうなことは他国に任せたり
共同事業でいいですが、宇宙を直接的に利用することでは
他国に負けないような技術を育成していくべきでしょう。
特に軍事関連などでは各国とも秘密に関わるものが
多いですから特にそう思います。
(独自のGPS衛星などもどうかと思います)
研究成果のスピンオフも多く、期待されることも多い
分野ですから他国に負けない航空宇宙関連の開発をこれから
も進めてもらいたいと思います。

どんどんパブリックコメントを出したいですね。
下のリストは、この記事をもとにJanJanのすべての記事の中から「連想検索」した結果10本を表示しています。
もっと見たい場合や、他のサイトでの検索結果もごらんになるには右のボタンをクリックしてください。